雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

熊牧場への疑問

2012-04-22 | 日記
 熊牧場で、悲惨な事故が起きている。 逃げ出した熊に襲われ、お二人もの尊い人命が奪われている。 お二人のご家族にとっては、なんとも悲しくてやり切れないことだろうと拝察する。 

 熊を飼育している囲いの中に雪が積もり、囲いの角の一ヶ所に囲いの上まで届く雪の三角状の斜面が、丁度滑り台のようにできていた。 しかし、あの斜面は自然に積もったものだろうか。 私は、囲いの中を雪かきをして隅に集めた雪の上に、更に雪が積もって斜面を作ってしまったもののように思える。 

 このブログの記事のどれかに、私は「危険予知」のことを書いた覚えがある。 熊のような危険な動物を飼育しているのだから、常に危険と隣り合わせであっただろう。 雪を囲いの際に集めるのは逃走の足場を作ってやっているようなものだ。 雪が積もり始めた時点で危険を予知するべきではなかったのだろうか。 経営者は「あそこがあんなふうになっているとは、気が付かなかった」と話していたが、見回りは欠かさなかったのだろうか。 一度も、あの雪が積もった隅に目を遣らなかったのだろうか。

 私の書いていることは、勿論結果論ではあるが、経営者も飼育担当者も「危険を予知する能力」が鈍っていたように思うのは私だけだろうか。 人災とまでは言わないものの、偶発事故とも思い難い、第三者の私が診ても、実に悔しい、実に悲しい出来事であった。