雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

心霊写真

2012-04-01 | 日記
 全国ネットで放送されている番組だろうか、それとも関西だけなのか、相当昔がら放送されている番組である。 視聴者がこの番組に調べてほしいことを投稿し、選ばれたら探偵と称するタレントが派遣される。 今回は父親の卒業写真に違和感があり「心霊写真」かも知れないので謎をつきとめてほしいとの娘からの依頼であった。 三十数年前のクラス24人の集合写真に、25人映っている。 確かにはっきりと、父親の見覚が無いというメガネを掛けた少年が写っている。 しかしその少年の胸から下は、まるで溶けてしまったかのように白く靄がかかったようになっている。 そこで、当時のクラスメイトを次々尋ねて問うてみたが、このメガネの少年に心当たりがないと言う。 写真の専門家に見てもらうと、二重露光ではなく間違いなく人物が写り込んでいると確信した回答。 さらにクラスメイトに写真を見せて回ると、一人だけ「隣のクラスの〇○君に似ている」と答えた。 その〇○君に逢い写真を見せると「あ、それボクです」 悪戯で友達のメガネを借りて変装し、よそのクラスに紛れ込み教科書で顔を隠して写り込もうとしたものらしい。 では、「なぜ胸から下が消えているの?」と質問したら、シャッターが押されたと思って教科書を下げたら、まだシャッターが押されてなくて、教科書をさげる最中にバシャッ。 高速で動く被写体に、シャッター速度が付いていけずにブレてしまったようだ。 

  幽霊の 正体見たり 枯れ尾花 (江戸 川柳)

 私はこの番組に違和感を覚えた。 だいたい、この卒業写真を受けとった時点で、クラス全員が一人多いことに気付いていた筈だし、その前に写真に写っている生徒の名前を、輪郭と共に別紙に書いた先生(多分)が気付いている筈だ。 更に、クラスメイトに写真を見せてまわった時、誰一人としてメガネの少年の胸から下が消えていることにふれる者は居なかったのも不自然だ。 出演(?)した人達が集合して、前もって打ち合わせをした感が見え見えの番組だった。