雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

猫爺の、ど凡人俳句「早春」

2018-03-07 | 俳句
   ◇灯油売りの 声未だ止まず 春霙(はるみぞれ)

 例年ならば3月に入れば聞かれなくなる灯油屋さんの声が、今年はまだ聞こえてくる。今冬の寒さと長さにはまいった。

   ◇啓蟄(けいちつ)や 望まぬ客か 娘()の悲鳴

 夜中に、娘が「助けて-」と飛び込んできた。「何事か」と尋ねてみれば、「五木武利」が出たのだそうであった。要するに越冬した雌だ。尻に卵を付けていなかったので、どこぞに産み付けたのであろう。今年の夏が思い遣られるぞ。

   ◇蓬摘む 妣()の手の皺よ 温もりよ

 蓬が芽吹くと、懐かしいく妣(はは)の手づくり「草団子」を思い出す。今はスーパーへ行けば安物では3個100円で買えるが、でも違うんだなぁ。第一、期待感が違う。妣に付きっ切りで蓬の匂いを嗅ぎながら蒸しあがるのを待っている、あのわくわく感が愛おしい。


 温かくなれば、また「小説を書いてみよう」と、細やかな意欲が湧いてきた。この極老爺、厚かましくもまだ生き延びるつもりらしい。

 
 


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