雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

バイオレンスとカルコラD

2013-01-30 | 日記
 以前にも書いたが、私は「愛の鞭」など無いと思っている。 愛の鞭は、激昂に駆られて振るった暴力を正当化するための詭弁だと思っている。 例え、言葉で言っても分からない我が子を激怒するときであっても、その瞬間には「愛」は無い。 ただ、怒りに操られているだけだ。 
 もし、スポーツ選手を鍛えるうえで暴力が必要だと主張する親がいるなら、暴力教師や顧問は、生徒本人を納得させたうえで父兄の承諾書(誓約書)とると良い。 

 教師の肉体的制裁により、怪我をしたり鬱病など心身に異常をきたし、自殺することになっても、訴訟をしません。 (印)

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 昨夜、医学バラエティ番組(?)をみていたら、骨粗鬆症の予防がテーマで専門家の助言があった。 骨粗鬆症の予防には、カルシウムだけではだめで、ビタミンDとコラーゲンが必要だとか。 聞いていて「出て来るぞー」と思った。 カルシウムとビタミンDとコラーゲンのサプリ。 ついでに猫爺が名前を付けてやろう。

   カルコラDサプリ「姥桜(うばざくら)」っていうのはどうだろう。

 コラーゲンというやつは、コラーゲンを食べると、それがそのままコラーゲンになると思い込んでいる消費者に喜ばれるだろう。 ましてや、カルシウムとカルシウムの吸収を良くするビタミンDと骨の組織を繋ぎとめて丈夫にするコラーゲンまで入っている。 

 「骨が丈夫になって、あの皺しわのお肌がプルプル」
 「これと出合えて、長生きのし甲斐がありました」
 「もう、死ぬまでつづけますよ」

 テレビから、そんなコマーシャルが聞こえてきそうな気がする。

猫爺のミリ・フィクション「修行僧と女の亡霊」

2013-01-26 | フィクション
  「もしもし、お坊様」
 民家が途絶えて久しい野路を旅ゆく若い僧侶を、女の声が呼び止めた。振り返った僧の目に、歳の頃なら十七、八であろうか冬も近い夕暮れの木立に佇む美しい女の姿が映った。

  「このような刻に、若い女しょうが如何なされたかな」
  「いえ、私事ではありませぬ。この先は山道で、熊や猪が出て旅人を襲います」
  「そうであったか、だが此処から引き返そうにも、村まで遠すぎるでのう」
  「賤が家ですが、近くに私の棲家があります。粥なりと献じますほどに、どうぞお立ち寄り下さい」
  「それは忝い」
旅の僧は素直に女に従った。

 貧しいながらも手厚い持て成しを受けた。 しかしこの家には、他に家族がいないことを僧には訝しく思えた。 若い女がこんな山家に独りとはどうしたことだろう。 失礼かとも思ったが、思い切って訊いてみた。

  「この家には、そなた独りで暮らしているのか?」
  女「はい、左様でございます」
  「それは物騒な、心細いことも有りましょうに」

 僧は、言って「はっ」と気付いた。 旅の修行僧とて若い男、独り暮らしの女の家に草鞋を脱いだのはいかにもまずい。 

  僧「馳走になり申した。私はこれにて…」
  「いえ、どうぞご遠慮なさらずに、今夜はここでお休みください」
 
 口では辞去を示しながらも、どっと旅の疲れが出て、結局は言葉に甘えることになってしまった。

  「お坊様、これは般若湯でございます、身体が温かくなりますゆえ、お休み前にお飲みください」 

 寝間に入り睡魔に襲われかけたとき、女の暖かい体温を感じたが、そのまま睡魔に負けて眠りに落ちてしまった。
 真夜中に背中を貫く快感を覚え、暫くして僧は目が覚めた。全裸の女が自分に添い寝をして小さな寝息をたてているように思えた。
 修行の身でありながら、自分はなんということをしてしまったのだと、自らの軽率を悔いた。僧はそっと寝間から抜け出すと、身支度をととのえて逃げるように女の棲家を飛び出した。辺りはまだ暗いながら、黎明の刻(とき)が近いことを示唆するが如く、山々の稜線がほんのりと浮かび上がっていた。

 僧の足が徐々に重くなってきた。急坂の所為ばかりではない。僧自身の心が足の動きを鈍らせているのだ。峠に差し掛かったとき、遂に僧の足が止まった。
  「女の元へもどろう」
 そう決心するまでに、長い時間は必要なかった。もどって、謝ろう。そして、仏罰を受けよう。具体的にどうするかは思いつかなかったが、足だけが何者かに引き戻されるように軽くなった。
 民家の近くに来たときは、既に朝が訪れて、あたりの山々や木々の影がくっきりとしていた。だが、民家も女も掻き消えていた。
  「私は夢を見ていたに違いない、例え罰当たりな夢でも、何と愛しい夢か」
 心はすでに修行僧ではなく、独りの男になって、未練心さえも息づいていたのだ。
  「ここで夜を待とう」
 夢であろうとも、亡霊であろうとも、もう一度女に会いたいと願い、この場で夜を待つ僧であった。

  「お坊様、もう行ってしまわれたと思っていました」
  「あゝ、夢ではなかったのか、そなたは亡霊なのか? それとも魔性の物か?」
  「私は旅のならず者たちに捕えられ、ここで弄ばれて殺された村の娘でございます」
  「やはり亡霊であったか、何故に成仏せずに迷っておるのか?」
  「私には身寄りがなく、手厚く葬られることもなく、村の人々さえも旅人を呪い殺す魔性の物と恐れられ、日が落ちるとこの地に近づく者は居りませぬ」
  「夕べそなたを抱いたおり、暖かい温もりを覚えたが不思議なこともあるものだ」
  「いいえ、その温もりはお坊様のお心でございます」
  「私はそなたに懸想してしまったようだ」
  「嬉しゅうございます」

 今夜は戸惑う事なく肌を重ね、温もりを分け合った。翌朝、辺りを捜しまわり、白骨化した女のものと思われる亡骸を見付けた。

 見晴らしの良い山の斜面に墓穴を掘って葬り、小さな石を墓標とした。僧は女が成仏できるまで経を読み続けようと決意した。

 この命が尽きて、地獄に落ちようとも、それが罪を犯した自分の為すべきことだと思った。経を読む若き僧の声は、なだらかな斜面に十日間聞こえて途絶えた。墓標の上を僧の亡骸が覆い、やがて冬が訪れ僧の亡骸を雪が隠した。 

  (原稿用紙6枚)

嬉しい気転

2013-01-25 | 日記
 昨日の天気予報では、今日から日本列島はすっぽり寒気に覆われて、寒い日が続くと報じられていた。 しかし、風が冷たいものの快晴であった為にかなり暖かかった。 いつもなら、外側が厚いビニールのジャンパーを着て外出するのだが、今日は薄手のシャツの上に、ダウンも合繊綿も入っていない合い物のブルゾンで充分だった。

 おまけに、ちょっと嬉しいことがあった。 スーパーの駐車所で通路いっぱいに広がってふざけたり立ち話をしている二十歳前後の若者たちがいた。 その間をすり抜けなければならず、「ドンと当たってこられて、よろけなければいいが…」と懸念していると、ひとりの女性が「通行の邪魔になるよ」と、連れの人達を促してくれ、私に軽く会釈してくれた。 「よく気が付く清々しいお嬢さんだ」と感心した。 それくらい何でもない行為だと思われるかもしれないが、こういう時、大概の若者は年寄りを蔑んだ目で「ジロッ」と見て、完全に無視するのが常である。 この場で彼らに当りでもすると、若者たちの方が「じゃまっけなおじん」とばかり嫌悪の表情を顕にする。 そんなことは覚悟のうえで生きている年寄りにとって、このお嬢さんの気転が本当に嬉しかった。 

 先週、「ここ当分野菜が高くなる」みたいなことをテレビで報じていたが、現に高かった。 レタスなど、安い時は一玉88円くらいなのが、300円になっていた。 今日行ってみると、レタスは値上がりしたままだったが、他の野菜は普段の値段に戻っていた。 奇麗な大根、ニラ、パプリカなどを買ってきた。 大きなリンゴも一個88円だったので、2個買った。 去年の冬は、姫リンゴかと思われるような小さいのが、200円はしていたと記憶する。「高い時は見るだけにして、安い時にどっさり食べよう」というのが私の方針。 (単にせこいだけか?)
 

猫爺のミリ・フィクション「托卵王子」

2013-01-25 | ミリ・フィクション
 閑静な住宅街を、学校帰りの少年が近道を通るために緑地公園に入り込んだ。その時、突然4人の男が近付いてきたので、少年は「カツアゲか?」と身構えたが、男たちは恭(うやうやし)く、跪(ひざま)づいた。その 中の侍従らしき男が、少年に言葉をかけた。 
  「王子様にはご機嫌宜しく、恐悦至極に存じ上げます」
  「え、王子様? 俺はハンカチ王子でも、ハニカミ王子でもないぞ」
  「そうではなくて、貴方様は本物の王子様です」
  「俺は遠藤聯(えんどう・れん)という高校生だが、父はサラリーマンだ、王ではない」
  「よく存じて上げております、ですが、貴方様はこの星のお方ではありません」
  「どこの星の王子だというのだ」
  「ここ地球から1億光年離れた、地球ほどの小さな星の王子様です、まだ地球の学者達には発見されていません」
  「そうか、それで俺をどうしょうと言うのだい」
  「訳を申し上げますが、私達の星ではどうしても男の子が育ちません、そこで、光速の1億倍の速度が出る宇宙艇で地球に飛来して地球で生まれた子供と取替ます」
  「なんだか、カッコウの托卵のようだな」
  「そうです。取り換えた地球の子供の細胞を採取して、その遺伝子を我が星の子供に植えつけます、その子供は、やがて地球の子供となって育つのです」
  「それで、その細胞を採取された地球の子供はどうなるのだ?」
  「大丈夫です、地球の男の子は、私たちの星でも育つのです」
  「そのまま、地球人として育つのだな」
  「はい、王子様の場合は、王子様そっくりな地球人として立派な成人になられました」
  「そうか、だが俺はまだ16才だぞ」
  「地球の16才は、我が星では立派な成人です」
  「それと、俺には好き合った恋人がいる。俺は彼女に恋をしているのだ」
  「それは私どもにお任せ下さい、決して悪いようにはしません、我が星には、美しい女がごまんといます。その女は、王子様の思いのままです」
  「嫌だ、そんな女は、戻りたくないよ」
 王子の言葉を無視して、それでは5日後にお迎えに上がりますと言うと、男たちはさっさと立ち去った。 
 聯は彼女を置いて地球を去る気はない。彼女と愛を確かめ合って、迎えの男たちにきっぱりと他の星などに行く気がないことを伝えよう。そう決心して、愛し合っていることを男たちに知らしめるために、彼女とデートの約束をした。
 約束の日、街角で彼女が来るのを待っていると、彼女は聯にそっくりな男と腕を組んで、楽しげに語らいながら聯の前を通り過ぎて行った。

 再び迎えの男たちが聯の前に姿を現した。 男たちは暴れる聯を優しく宥(なだ)め、抱きかかえると、聯は急に温和しくなった。持ってきたカプセルに丁寧に聯を入れ、どこへともなくカプセルを運んでいった。カプセルの窓が開かれたのは、それから間もなくのことであった。宇宙艇の中らしく、眩い光がカプセルの窓から差し込んだ。

  「お前たち、俺の彼女に何をしたんだ。あの俺とそっくりな男は誰なのだ」
  「我が星で育った聯さんです、彼には地球での王子様の記憶を総てコピーしてあります」
  「俺の記憶はどうなるのだ」
  「王子様には、これから1年間カプセルの中で眠っていただきます、1年経つと、王子様はご自分でカプセルを破って出てこられます、その時は、身も心もすっかり我が星の王子様になっておられるのです」
  「嫌だ、いやだ! 俺は毛虫ではない、繭を破って蛾にはなるものか」
 聯は、暫くは騒いでいたが、やがて静かになった。そして、1年後…

  「王子様は、すっかりこの星の人間になられましたな」
  「はい、あれ程嫌がっていた、この星の女を追いかけまわして子作りに励んでいらっしゃる」
  「ちょっとスケベすぎるところは、地球の男が少し残っていらっしゃるようですね」
  「地球から連れてきた他の子供達も皆あの調子ですよ」
  「時が経てば、落ち着きましょうか」
  「このままでは、我々の仲間は忙しくなる一方ですからな」 
  「王様に言って出張手当を上げて頂きましょうよ、何しろ片道でも1年かかるのですから」

 この星もまた青かった。
  
   (改稿)  (原稿用紙6枚)

  

猫爺のミリ・フィクション「オレオレ強盗」

2013-01-25 | ミリ・フィクション
   「ピンポーン」と、インタホンのチャイムがなった。
   「お婆ちゃん、ボクです」
   「え?あの韓国の朴さんですか?」
   「なんでやねん、違う、オレだよ、オレオレ」
   「あ、はい、サッカーの?」
   「サポーターじゃないよ、お婆ちゃんの孫だよ」
   「は? 正男かい? 正男どうしたんだい、随分顔を見せなかったね」
   「そうそう、その正男だよ、悪いやつらに追われているのだよ、匿ってくれよ」
   「はいはい、今開けるからね、ちょっと待っておくれよ」
   「早くしてよ、悪いやつらが来てしまうよ」
   「年をとると動きが鈍っていけないよ、ところで正男」
   「まだインタホンのところにいるのか、なんだよ」
   「よく考えると、わたしには正男っていう孫はいなかったよ。ワサ男じゃないかえ」
   「そうだよ、ワサ男だよ。早くしてくれよ」
   「バカだねえ、お前、ワサ男は、ブスカワの犬だよ」
   「クソババア、俺をなめとるのか、なめたらあかんぜ!」
   「わかった、あんたVC3000喉アメですやろ」
   「そうそう、♪なめたらあかん…♪ 違うやろ、喉アメが服を着てドアを叩くのか!」
   「おや、あんた服を着ているのかい?」
   「当たり前だろ!」
   「わたしゃまた、ドアを開けたら裸の男が立っていればどうしょうかとドキドキしたよ」
   「なんだよ、この色気ばばあ!」
   「色気ばばあなんてひどい。乙女の恥じらいと言っておくれよ」
   「どうでもいいから、早くここを開けてくれよ。ねえ、お婆ちゃん」
   「(ガチャ)はい、開けましたよ」
   「このくそばばあ、よくも俺をバカにしてくれたな。ブッ殺してやる!」
   「そ、そんな興奮しないで、ナイフは仕舞っておくれよ」
  
 そこへ、裏口から入ってきていた警官が

   「只今午後8時24分、強盗並びに殺人未遂の現行犯で逮捕する(ガチャ・手錠をかける音)」
   「な、なんでここに警官がいるのだよ」
   「ボタンを押せば、婆の声が全部吉田沙保里さんに届き、警察に連絡してくれるのだよ。便利な世の中だねえ」

   (改稿)  (原稿用紙3)

猫爺のミリ・フィクション「因幡の白兎」

2013-01-24 | ミリ・フィクション
 隠岐の島から本州に渡りたいが、その術がわからない。 白兎のびょん吉は考えた。 思い付いたのは、ワニザメを騙して隠岐から本州まで並ばせて、その背中をピョンピョンと渡ることだった。 
   「鮫さん、君の仲間はメッチャ多いけど、僕ら兎族の方がもっと多いよ」
   「バカめ、俺たちは海の中だからお前には見えないだけさ」
   「うっそー、それじゃあ、数えてあげるから並んでみて」
   「うむ、皆を集めてくる」
鮫は、キュンとターンして潜って行った。
   「うわっ、集まったねェ。それでは、ここから本州に向けて並んで」
   「OK! オレらの背中の上を跳んで数えるのだな」

 これは、因幡の白兎の噺である。そして、これは単なる「童話」ではなく、日本の神でである。 ようやく本州に後一跳びのところで、兎は自分の頭の良さに陶酔して、つい叫んでしまった。
   「君たちはこのボクの計略にまんまと引っかかったのだよ」
   「ん?」
   「ボクはただ島からここへ渡りたかっただけなんだ」
 鮫の最後の一頭が怒って、兎を海に引きずり込み、毛皮を剥いでしまった。鮫が兎を食べなかったのは、鮫の好みの問題だと思う。

 皮を剥がれた兎が、因幡(今の鳥取)のとある海岸でシクシク泣いていたら、まず、七福神の一人「大黒様」の兄貴(八十神)たちが通りかかり「なぜ泣いている?」と尋ねた。
   「はい、それは…」
訳を話すと…
   「ワハハハ、それなら海の水で身を洗い、陽に干せば良い」
 そう教えて、行ってしまった。兎はその通りにすると、ヒリヒリ、チクチク悶え苦しんでいると、かなり兄貴たちから遅れて、兄貴達の大きな荷物を持たされた「大黒様」がやって来た。
  「どうして苦しんでいるのだ」
  「実は…」と隠岐からの経緯と、八十神たちの教えてくれたことを話した。
   「それはいけない、すぐに真水で身を洗い、ガマの穂綿に包まりなさい」
 その通りやってみると、全身に綿毛がくっついたものの、なんだか白いスーパーミリオ○ヘアーみたい。雨が降ると流れるし、風が吹くと綿毛は飛んでいってしまうし…。
 兎は、もう神様を頼るのを止めて、自分で考えて創業以来発毛専門のアノ会社に行ってみた。だが、まだ一向に生えてこないのであった。


  (修正)  (原稿用紙4枚)

どうも、ありがとう

2013-01-23 | 日記
 今日は天気が悪くて動く気にならず、家に引きこもっていた。 珍しく、ブログにコメントが入っているので覗いてみると、「記事が面白かったのでコメントを入れた」とあった。 「自分のブログにも来てほしい」との添え書があったので行ってみると、文字だけの簡単な料理レシピの記載があった。 お礼と、是非料理を作ってみようとコメントを送ろうとしたら、メールアドレスとキーワード入力するフォームの画面に移った。 訝しく思い後戻りして、今度は入会を促すリンクをクリックしてみると、やはり先ほどのフォームに移動した。 と、いうことは、コメントを送ると入会することになりそうだ。 これはおかしいぞと、このブログをよく観察してみると、タイトルが「Unknown」、まるで、「このブログは怪しいぞ」と言っているようだ。 

 折角コメントを入れていただいたのだが、お礼のコメントも送れず、結局無視する形になってしまった。 悪戯にせよ、何か魂胆があるにせよ、コメントを送ってもらったことに、ここで感謝しようと思う。 「どうも有難うございました」 

死活問題

2013-01-23 | 日記
 テレビ番組を視ていたら、こんなことを言っていた。 冷え性の対策を「オンカツ」というのだそうである。 多分、「保温活動」の略だと思うが、そもそも「保温活動」という言葉は聞いたことがない。 婚活や就活は、確かに活動であるから良いのだが、保温対策は温活ではなくオンタイと言うべきではないのかと思った。 

 こんな活動はどうだろう。

  「真夜中に、度々起きて、おしっこ(ションベン)へ」の人はションカツ 
  猫爺は、内科、眼科、歯科、脳外科(画像診断)と梯子しているからビョウカツ
  万引き常習者はマンカツ
  コソ泥、下着泥棒が行っているのはトウカツ
  政治家の先生は、ワイカツ(賄活)を行っている人が多いとか
  競馬、競輪、競艇で大穴を狙うのはギャンカツ 
  そして、陥るのはシカツ問題。

 

 
 

 
  
  

猫爺のミリ・フィクション「運命」

2013-01-23 | ミリ・フィクション
 真夜中に浩太は目が覚めた。起き上がって水を飲んでこようと思うのだが、体を動かすことが出来ない。
   「これが金縛りってやつかな?」
 尚も動こうとしてみるが、どうにも動けない。そのうち、酒の酔いが回ってきた気分になって、ふわふわと浮かび上がるように思えた。
   「ははあん、これは夢なのだな」
 それなら、夢の中で楽しんでやれと開き直る。身体から心だけが離れて、本当にふんわりと浮んだ。
   「おっ!幽体離脱か、あははは、双子のタッチみたいだ」
 面白がってはみたが、少し心配になってきた。
   「もしや? 俺は死んだのか?」
 ベッドに横たわる自分を見ると、安らかな寝息を立てている。浩太は安心して浮遊を楽しむことにした。
 しばらくは、寝室の中で天井に張り付いたり、壁にぶつかったりしていたが屋外に出てみたくなり、少し開いていた窓の隙間から外へ飛び出した。 
  「幽体っていうやつは、自分の思う通りに動けるのだ」
 真夏の星空を背にして、浩太は妖精になっていた。その時、どこからともなく浩太を呼ぶ声が聞こえてきた。
   「誰だい、俺をよぶのは」
 声の主は「ボクは天使だよ」と言った。子どもの天使が近付いてきた。
   「君と友達になりたくて、天国を抜け出して来たのだ」
   「俺と? それはまた何故」
   「君に頼みたいことがあるのだ」
 天使は語った。自分が9才の時に父と共に交通事故で亡くなったこと、母と一人の妹が居ること。妹は浩太と同じ大学の同じ学部に学ぶ同期生であることなどを。
   「妹に、ボクの愛を届けて欲しいのだ」
   「具体的に、俺は何をすればいいんだ?」
   「君が僕と出会い、僕が妹の幸せを願い続けていることを伝えて欲しい」
   「それを聞いた妹さんは、信じるだろうか、ださいナンパだと思うよ」
 浩太は不満だった。態々俺を介さなくとも、俺を呼び出したように直接妹を呼び出して言えばいいじゃないか。
   「それは無理なのだ」 
 今、訳を話せないが、いつかきっと判ってもらえる時が来ると言った。
   「妹は信じないかも知れないが、ぜひ話してほしい」
 そう言い残して、天使は空の彼方へ帰っていった。


 少年の天使と出会ってから、五年の年月が流れた。
   「ただいま」
   「あなた、お帰りなさい、私、今日病院へ行って来たの」
   「風邪を引いたのか?」
   「違うわよ、三ヶ月だって」
   「おっ、子供が出来たのか」
   「男の子だって」

 夫婦で食後のワインを楽しみながら、出会ったときの話になった。
   「キャンパスであなたに初めて声をかけられたとき驚いたわ」
   「そのようだったね」
   「あなたったら、知っているはずのない私の兄の話をしたりして」
   「なんてダサい手できっかけを作るのかと思っただろ」
   「その通りよ、でも運命を感じたわ」
   「運命を?」
   「わたし、きっとこの人と結婚するのだわって」
   「そうなっちゃったね、きっと天使のお導きだと思う」
 妻はクスッと笑って、
   「ロマンティックだけど、やっぱりダサいわ」
 浩太は立ち上がると
   「少し酔ったかな?」
 言いつつ窓辺に寄り、そして窓を開けた。五年前に出会った子供の天使が微笑んで消えた。
  
    (改稿)  (原稿用紙5枚)

愛の鞭と言う名の暴力に疑問

2013-01-23 | フィクション
 大阪市立桜宮高校体育科の生徒が体罰を苦に自殺した事件で、橋下市長が主張した入試中止の問題は、賛否両論が飛び交ったようだ。 今年の入試のために頑張ってきた受験生の父兄の殆どが橋下市長を批判しているように報道それたが、私はマスコミの報道操作が無きにしも非ずと考えている。 また、「桜宮高校の生徒がTwitterで橋下市長に暴言」とのネット記事が有ったが、本当に桜宮高校の生徒なのだろうか。 そうであれば、この学校は同和問題をどう考えているのだろうか。 人の命の尊さを、どう教えているのだろうか。
 
 もし、私の子供がこの高校の体育科受験生、もしくは生徒であれば、行かせる勇気はない。 暴力は愛の鞭とは詭弁である。 教師、または顧問が暴力を振るっているこの瞬間は、この生徒に対して憎しみに満ちている筈だ。 自分の思い通りにならない生徒に、大人の虐めともとれる暴力を振るっているのだ。 それを黙認した校長以下教師たちは、学校の名声を意識した覚えはないと言えるのだろうか。 

 この生徒たちの親は、「もしも、自殺したのが我が子だったら」とは、思わないのだろうか。 自分たちの子供は、体罰という暴力を受けても、絶対に心身症にも、鬱病にもならないという確信があるのだろうか。 

 我が子に先立たれた親たちの気持ちを思い遣れば、そう簡単に答えを出すべき問題ではないように思う。 亡くなられた生徒のご冥福を祈るとともに、届くことはないだろうが、ご両親に哀悼の意を表したい。

豚のケツ

2013-01-12 | 日記
  ♪アホが見ーるブタのケーツ♪ 嘉門達夫が歌にしてCDを出しているが、あれは私の年代よりもずっと以前に学童の間で流行っていたものだ。 「あっ!」と言って指をさすものだから、つい指さす方向を見てしまうと、この歌(?)で囃し立てられてしまう。その頃はちょっと山辺の集落へ行くと、豚を飼育している家が有ったので豚もよく見られたが、最近では目にかかりにくいだろう。 
 この歌、ただの悪戯のためのものであるが、私はこう見ている。 私の年代よりもっと食糧難の頃、トンカツなどと云うものはなかなか食べることが出来なかった。 その頃に「豚は尻の肉を切り落としても、切り口に木炭の灰を塗しておけばまた生えてくる」などと、いい加減で残忍なことを言う大人が居た。 その所為で、豚のケツを見るとトンカツに見えて、涎を垂らしているヤツを嘲笑した歌ではないだろうか?

 今日はロイヤルホームセンターまで行ってきた。 ダイヤモンドコートのフライパンが傷だらけになって、好きなチャーハンが作れないので買い換えた。 ついでに、ハンド・スライサーのセットと、チャッカマンを買ってきた。 100円ショップの物は、液体ガスがまだ見えているのに火が点かなくなってしまう。 妻亡きあと、一日も欠かさず(多分)線香をあげているので、ガスを残して点かなくなったものが4~5本、「燃えないゴミ」に出しても良いものかどうか悩んでいる。 環境局に問えばよいものを…。

 

リアジュウ

2013-01-11 | 日記
 今日はえびす神社詣での「残り福」。 街では、福笹或るいは吉兆や熊手を買って帰る善男善女を多く見かけられたことだろう。 昔、「どうして熊手?」と年の功に訊くと、「福を掻き集める」と教えてくれた。「福は、えらい簡単に集まりそうやなァ」

 テレビで、若者言葉で「リアジュウとは何?」と、クイズ形式でちょっと年嵩の増えたゲストに問うていた。 リアルと充実の合体語で、その略語だそうな。 年配者にとっては暗号のように思えるが、若者同士で通じているのだから年配者がとやかく言うべきものではない。 ましてや、単に略している言葉に対して「正しい日本語を使え」とは、的外れのコメントであろう。 現在は「若者言葉」と言われるものであっても、世間的に広がれば、やがてはそれが正しい日本語となることもあるのだから。

 今日の日中は暖かかったが、夜になって冷えてきた。 とは言え、当地ではこの冬まだ雪が積もっていない。 夜中に粉雪がチラついたかも知れないが…。

宵えびす

2013-01-09 | 日記
今日は宵えびす。 神戸には通称柳原えびす「柳原蛭子神社(やなぎはらひるこじんじゃ)」がある。 場所はJR兵庫駅の南側(神戸っ子は、浜側という)にあるこじんまりとした神社で、筋向いに大黒神社がある。 神戸の善男善女は、長田神社(祭神・事代主の神)、湊川神社(祭神・楠木正成)、生田神社(祭神・稚日女尊)の初詣にはじまり、蛭子神社、そして厄除八幡神社(祭神・応神天皇)の初詣で正月が終わる。 私たちは、次の神様を拝んでいることになる。

   事代主の神 (ことしろぬしのかみ)恵比須様の候補の一柱
   楠木正成  (くすのき まさしげ)尊氏の軍に破れて自害した武将
   稚日女尊  (わかひるめのみこと)須佐之男命の度が過ぎる悪戯で死ぬ
   えびす天  (えびすてん)大国主命の一子
   応神天皇  (やはたのかみ)弓矢八幡

 稚日女尊が、どの様な悪戯で亡くなったのだろうか。 古事記に次のような表記がある。
 稚日女尊が部屋に籠り、機を織っているところに須佐之男命が稚日女尊を驚かそうと生き馬の皮を剥ぎ、それを部屋に投げ込んだ。 驚いた稚日女尊が機から転げ落ち、その弾みで持っていた梭(ひ)で股間を突いた。 それが原因で命を落とすことになる。 梭とは、機を織るときの横糸を巻きつけたコマのことである。 これに怒った須佐之男命の姉である天照大御神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまい、世の中が暗闇になる話へと続くのである。

 あれっ(?_?)、今夜が宵えびすだという話が、鼻っから脱線してしまった。 
 

福袋

2013-01-04 | 日記
 正月の3ヶ日が、あっという間に過ぎていった。 

  「めでたさも 中の下なり おらが春」

 ただ、「元気に呼吸ができているだけのめでたさ」と、いうところかな?

 3日に外出しただけで、初詣でも、初日の出を見にゆくこともはしなかった。 寒い中を神戸の「戦の神様」にお詣りをして、3千円もする破魔矢とお守りを買って、御神籤を引いてなんていうのは、元気な時の家内の趣味に合わせてやっていたこと。 妻が亡き今となっては、何の興味もない。

 興味があるのは「福袋」。 何が入っているのか楽しみだ。 娘たちが子どものころは、彼女たちをダシに、不二家とか、玩具店の福袋を買ってやったりしたが、妻は全く興味なし、子供達もいまいち嬉しそうではなかったように思えた。 

 化粧品店の福袋に、こんなものが入っていると面白い(かな?)

   メードイン・ウガンダの美白クリーム
   ワニ・コラーゲン入り美肌サプリ
   タランチュラエキスのスタミナ・ドリンク
   麝香イボイノシシの香水

 100円ショップの福袋

   昔の無名演歌歌手のCD
   香典袋と喪章のセット
   
 ダイエーの福袋

   木曜もっくんの割引券
   シングルCD「おさかな天国」
   懐かしのダイエーホークス応援歌のCD