雑文の旅

猫爺の長編小説、短編小説、掌編小説、随筆、日記の投稿用ブログ

磨き砂からクレンザーへ

2012-04-09 | 日記
 茶渋の付いた湯呑を洗っていて気が付いた。 あの博多弁コマーシャルで有名になった高級クリーム状石鹸だ。 「乳状石鹸にシラスを入れるヒントは、これにあったのだな」と。 それは、茶渋や鍋の底を洗う「乳状クレンザー」だ。 ふっと探求心がわいて、クレンザーを手の甲に落として洗ってみた。 後、手を水でよく洗い、タオルで水けを拭いてクレンザーを付けなかった方の手の甲と比べてみたら、コマーシャルでやっていたように、はっきりと手の白さが違っていた。 クレンザーで洗った方の手の甲は、色白になっていたのだ。 

 昔、神戸でも火山灰の堆積岩が見られるところがあった。 小学生時代に、先生に引率されい地学勉強(というほどのものではないが)で行った場所だ。 私たちが「シラコヤマ」と言っていたその場所に、九州のシラス程も白くはないが、すこし灰色かかった白い地層があり、木の葉の化石などが見つかった。 たしか、あまり奇麗ではない水晶の小さな結晶も見つかった記憶がある。 その堆積岩の崩れた砂を持ち帰って「ふるい」で漉し、「磨き砂」を作った。 荒縄のタワシに磨き砂を付けて、釡の底をゴシゴシ洗ったものだ。 当時も雑貨屋さんで「磨き砂」は売られていたが、やがて何時の時代からか、只の砂から乳状石鹸に「磨き砂」が入ったクレンザーが売られるようになっていったのだ。 

 クレンザーで洗った手が白くなったということは、メラニン色素を多く含む角質層が削り去られたということ。 メラニン色素は、皮膚のメラニン形成細胞で作られているもので、紫外線から皮膚を護る役割をもっていることは誰でも知っていることだ。 皮膚の一番外側で頑張っているのが角質層だ。 その角質層を毎日クレンザーで削りとっていくと、なんだか恐いことになりそうな気がするのは私だけであろうか。