「移行期的混乱 経済成長神話の終わり」平川克美 2010筑摩書房
「問題なのは成長戦略がないことではない。
成長しなくてもやっていけるための戦略がないことが問題なのだ」
現実との乖離
(現実を認めたがらない)
経済成長戦略があるというのは「希望」
正しい認識ではない
企業の不正も
右肩上がりの幻想が生み出す
(P62 年平均1000万人ずつ増加…100万人だな。)
派遣労働問題、政策のおかしさ「労働者からの要請」などと言う嘘
社会の中で家長制度が壊れても、会社の中のその体質が壊れて同一労働同一賃金とならない不思議。
金で買えないものはない、社会への変化の様子。
自ら成長戦略を持たず(それでいて現実を認めず)、政府に責任転嫁する経済界。
他者との比較、『あるべき自己』との比較による自らの同定が生む格差意識
時代のアナウンスと身の回りの現実の乖離
P188 「巷間語られる解決策はあまりに能天気であり、筋が違うと思わざるを得ないのである」
安倍内閣に変わってもそれは変わりないですね。
『アベノミクス』『三本の矢』が空々しいのは、結局この本に語られている通り、現実の正しい認識がなされておらず、経済成長に夢を追っているからに違いない。人口が減るのは成熟社会の定めであり、成長を装うには数字でごまかすしかないのだ。そのごまかしを続けようとしていることが見えてしまうから、そして国民がそれを見ない振りすることもわかっているから、だから国に幻滅してさらに人口減少も加速するのか。
認識を新たにして、全く違う国の在り方を問う者が現れるのを待つしかないのだろう。