きょくたN日常事態宣言

パンデミック
ずっと自宅待機
でも手洗いうがいマスク換気

「星野之宣2001+5」

2006年01月30日 19時03分56秒 | 読書とか

戻る同著者作品

 双葉社:A5版 2006年2月28日第1刷発行
クリックで拡大


 星野之宣の最新発行、短編集?(漫画)
 「さあ、もう一度宇宙へ行こう」ファン心理を突いたコピー

 収録作品は1986/7年の作品を中心に1991/2001/2年の作品が入る。
 最近宇宙ものをあまり描いていないらしい作者の、宇宙作品黄金期の未収録集。
 <あとがき>にもあるが、本来単行本化が難しい作品たちがこうして単行本化された事実にファンとして感謝するしだいです。



★2001夜物語番外編「夜の大海の中で」1987
 KARC9000とF100-ベータ、二つの地球系宇宙船。その中枢は総合人間学を取り入れたコンピューター。
 宇宙開発は他の知的生命体との出会いへの諦めから縮小されて行く時代。
 だが、2つの宇宙船の<こころ>が地球外知性体との接触を果たし、人類は再び宇宙開発へ乗り出す。

★「アーサー(地球人類)・ワールド(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)」1986/7
 「さそり座の赤い星(1)」1987
 1万年以上前の宇宙遺跡。その宇宙船のメカニズムは生きていた。
 将来われわれの銀河系と衝突するアザー・ワールド(他銀河)がアーサー・ワールド(地球側銀河)を無差別攻撃しているのだった。
 火星・木星間のアステロイド帯、それはその戦いでの破壊された惑星。彼らは滅びる未来を知りつつ、地球で育つ生命の未来にバトンをつないだのか。

 隔月連載の雑誌が廃刊となり、作品は完結することはなかったが、そこに出てくる戦闘宇宙船は、同テーマを扱ったヒーロー物?「メガクロス」にそのまま使用される。こちらは1993/4年の作品。北海道新聞に連載され、大幅加筆して1995年潮出版社から発行された。

★「怒りの器」1991
 ソ連崩壊の年この作品が発表されたのは何かの符号だろうか。
 すでにインテリ層では情報が流れていたのだろうか。
 貧富の差が恨み辛みとなり思慮のない攻撃に変わる危険は今もなくなってはいない。

★スペースファンタジアpart1「黄金の惑星」1986
 貧しい国から夢を求め物質の豊かな国へ来る労働者たち。だが、そこは決して豊かな国なんかではない。そんな世界の中での日本の状態を<黄金の惑星>に例えて皮肉った短編。
★スペースファンタジアpart2「ドルメン」1986
 戦争で滅びた文明。その衛星軌道上には石の彫刻。文化遺産-永遠の墓標。
★スペースファンタジアpart3「極点への旅」1986
 ビッグバンを起こした宇宙の中心とは・・

★「フォボス・ダイモス」2001
 火星からもたらされたらしき隕石の発見。そこには生命の痕跡物が発見された。
 その逆もあっても不思議ではない。
 フォボス、その火星の衛星は、あの恐竜絶滅時の隕石衝突により地球から打ち上げられた物質が火星引力につかまったものだった。

★「霧の惑星」2002
 文明の発展は森を消し去る。
 では、森がそれに対抗手段を持つとしたら。

 たぶん、amazonの発送が遅れたのは、この本の発行を待っていたのだろうと思う。

戻る同著者作品

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする