おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

オネエのチーフ

2011-10-09 21:22:46 | Weblog
連休に入ると店前の通りは閑散とする

この日セミロングにゆるくパーマをかけて

ぐっと女らしくなって現れたサナエさん

これはもうキャッチでオジサマを悩殺するしかないと

私がやり手ババアの役目を買って出た


道行く殿方に微笑を振り撒きアピールするサナエさん

いつもなら30分交代でキャッチをするのだが

まだ人が少しでも歩いている時間帯は

役に立たないヒデミを店内に押し込めて

私とサナエさんで何とか一組でもと頑張った

数十分後、店の階上に住む近隣のお店のマスターが

明日はお祭りで神輿をかつがなければならないにも拘わらず

口開けをしてくれた


マスターが帰った後も同じ様に私とサナエさんでキャッチ

飲み屋の帰りによく店前を通るオジサマが

「こんな美人が居るのなら寄って行かなきゃ」と

連れの男性を引っ張って入店してくれた

さすがオジサマキラー

接客はサナエさん、ヒデミ、トシに任せて

私は引き続き外で客引きをした

時おり店内から洩れてくるカラオケがプロ裸足なので

つい聴き入ってしまった


それから1時間ちょっと経っただろうか

交差点の角から3人の若者がこちらに向かって歩いて来た

隣の居酒屋へ行くのだろうと思いきや

「立ってる立ってる」の声

キャッチ中の私のこと?

彼らは戸惑う事無く当店へ…

「いらっしゃいませ~」

ヒデミが我先に席を立って3人のテーブルへ移動

オジサンの相手が面倒臭くなった様で

こんな時だけは機敏なのだ


3人組とほぼ同時に反対方向から4人のイケメンがやって来た

昔は週一くらいのペースで遊びに来てくれていたベンちゃん達だ

ベンちゃんが2年位前に結婚した事によって

彼の高校時代のラグビー仲間のエノちゃんも

飲み会に誘うのを遠慮していた

エノちゃんは住んでるエリアが遠いので

中々この町に足を運ぶのは大変だが

それでも年に1~2回は元柔道部のNちゃんと遊びに来てくれていた

この夜はお初のAちゃんも一緒だった

早速サナエさんがお色気モード全開で猛烈アタック

初顔のAちゃんはタジタジだ

ベンちゃんは彼らを冷やかすも冷静

滅多に皆で集まれないので

この夜は他にも行きつけのスナックに顔を出したいらしい

エノちゃん達を残して先に店を出た

本来なら翌日も仕事なので当店にはちょっと顔を出す程度の予定だった

しかし思いの外盛り上がったので

乗ってる友達たちに水をさしたくなくて

自分だけ席を立ったのだ

彼の気持をよく解っているエノちゃんも

10分くらいしてお会計を申し出た

「やだ~、まだ居てよ~」とすがるサナエさんと最後の抱擁を交わし

店を後にした


ヒデミとトシで接客していた3人組も

1人が眠ってしまったので会計を済ませて帰ってしまった

時計は3時を過ぎていたが、まだもしかしたら獲物がウロついているかもと

私とサナエさん、トシは店前に立ってみた

すると向かいの店からチーフが出て来た

吉祥寺の店を閉め、今月の頭から向かいの店を手伝っている

先週、サナエさんは知り合いのお客さんに誘われて

チーフに会いに行っているので

「あらァ、お疲れ様~

 もう帰るの?

 寄って行ってよ~」

半ば強引に店へと拉致した


オネエ風味のノンケとは聞いていたが

確かに言動は一昔前の上品なホモって感じだ

「私ももっと早く挨拶に来たかったんだけど

 中々時間がなくてゴメンナサイね」

向かいの店もチーフの入店により営業時間を延ばした

柔らかい物腰ながら時おりキツいジョークも飛んで来るが

決して相手をムッとさせない雰囲気がある

女性客がチーフを奪い合うのも解る様な気がする

そう言えば彼が入ってから向かいの店に毎日の様に通って来る女性が居る

チーフの魅力に取り憑かれたのだろう

さり気ない心遣いと爽やかさを兼ね備え

決して相手を不快にさせない言動

思いっきりお勉強させていただきました


さて今夜と明日は店は休み

少し前から窓の外は雨音がする

私は何処に行く予定もないけれど

体育の日に運動会を予定している学校があるならば

この雨が明日の朝までに上がっている事を祈りたい











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初来店のオジサマ

2011-10-08 17:18:50 | Weblog
昨夜は3連休の前日と言う事もあって

忙しくなるのではと期待していたが

思ったほど客足は伸びなかった

先々週にシルバーウイークがあったばかりなので

そちらにお金を使った人も多いだろう

いつもなら休み前は遅くまで賑う近所のフィリピンパブも

早々と看板を消していた

今夜は昨日の分も忙しくなってくれると良いのだが…


昨夜、初来店のオジサマ

スキンヘッドで鋭い眼光

アメフトでもやってる様ないかつい体型

ちょうどキャッチしている時に通りの向こうから歩いて来た

一瞬その筋のお方かしらと思い目を合わせない様にしたが

こちらに向かって来るではないか

そして躊躇なく店内に入って来た

「オカマバーですけど大丈夫ですか?」

一応念押ししてみたら

さっきも前を通ったけど誰もキャッチしていなかったから

入れなかったと言う

どうやら誰かから聞いて隣町からやって来たらしい

私が以前勤めていたお店がある町の住人だと言う

そのお店にも行った事があるらしい

「あら懐かしい、もう閉店してしまったけど

 良いお店だったわよね~」

オジサマはその店のママとドラッグクイーンのSさんが印象に残っているとの事

彼の緊張を解きほぐすために

私はその店での懐かしいエピソードを幾つか披露した


聞くとオジサマは若い頃にあるスナックのマスターに気に入られ

部屋にまで誘われた事があったそうだ

キター!

マスターは当然の様に彼に悪戯したが

その時の事が忘れられなくてゲイの虜に?

スキンヘッドでコワモテのオジサマは

上野、浅草のホモバーでは超モテだろう

しかし2丁目すらも行った事はないらしい

でもきっと興味はあるに違いない

その時、店のドアが開いて団体のお客様が来店

一気に騒がしくなったのでオジサマは帰ると言う

「あら、まだ良いじゃない」

「また今度ゆっくり来るから」と言い残し席を立った

まだまだ話したい事はあったのに…


今夜はどんなお客様とお話できるかしら…







 


















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店子なの?

2011-10-06 15:45:51 | Weblog
昨夜の冷たい雨も上がり

今日の昼間はかなり暖かかった様だ

それを見込んでなのか

今朝の電車内には半袖で通勤している人を何人か見かけた

私も暑がりなので出勤前は

シャワーを浴びた身体が火照ってる事もあり

なるべく厚着をしたくない

しかし今朝の様に

殆どの人がコートやセーターなどで防寒している中で

半袖はあまりにも浮いていた

でも無理して一枚羽織ったおかげで汗かくのは最悪だ

季節の変わり目はホントに困る


仕事から帰って来て地元駅に着いた時

肌寒かったのでバスを待とうと

ホームの待合室に駆け込んだ

私の他には老紳士がラジオを聴きながら

電車が来るのを待っているだけだった

始発便が出るのは20分後だ

ガラス張りの待合室の中から

時おりうつらうつらしながら

通勤客で慌しさを増して行くホームの様子をぼんやり眺めていた


その時、2人の男性が騒がしく待合室に入って来た

どちらもずんぐりした体系で

1人は、この寒いのにTシャツだ

しかも見た目がいかにも暑苦しい

私の目の前に腰掛けた2人は酒臭い

何処かの飲み屋の帰りだろうか

先程までのテンションで喋り続けている

先客の老紳士は目を閉じたままムッとしている

Tシャツがそれに気付いたのかやや声をひそめた

「○○××△△…」

ひそめた途端トーンが変わった

2丁目っぽいノリなのだ

もしやお仲間?

この町にもそれらしいお店がある事は知っていたが

まさかこの目の前の男性がキャスト?

人の事を言えたガラじゃないが

ちょっと見た目のパンチが効き過ぎじゃないかしら

でもメイクしたら別人に化けるのかも


そう言えば、いつもこの待合室で酔い潰れている女装子

ここの所見かけないが

まさか女装子に代わって目の前の彼が入店?

勝手に妄想を膨らませていたら

あっと言う間にバスの時間が来た

もう少し観察して居たかったが

後ろ髪ひかれる思いで席を立った

待合室はいつの間にか8割がた席が埋まっていた

さっきの男性、気になるわ~

店子(みせこ)なのかしら?














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ミチ子さん

2011-10-05 16:41:44 | Weblog
雨の水曜日

朝から降っている雨が明日の朝まで続くらしい

今夜の営業が思いやられる


昨夜ご来店のミチ子さん

駅の反対側に住む奥さんだが

数週間前に近所の店のマミさんと初来店で

当店を気に入ってくれたらしく

昨夜が3回目だ


「健康ランドの帰りなのよ

 ビール一杯だけ飲んで帰ろうかしら」

自転車を押しながら当店の前を通りかかった

彼女は此処のところ悪い事が重なっている

「この間死んじゃったのよね」

待ち受けになっているコーギー犬の写メを見せてくれた

「あら可愛い!」

やや横顔だが目線をカメラに向けている

「いつも散歩に行く時は自転車の前カゴに乗せたものよ」

そう言えば店前に停めた自転車の前カゴがやけに大きかった

10キロもある犬を乗せる為に色んな店を探したらしい


話はとめどなく続く

ビールは2本目だ

「ウチの母が特養老人ホームに入ってるんだけどさ…」

今度は要介護認定5の88歳のお母さんの写メだ

青い帽子にちゃんちゃんこを着て笑っている

「要介護認定5と言っても寝たきりってわけじゃないのよ

 痴呆の方なのね」

目を離すと徘徊したり大変らしい

私の住んでいる所の町内放送でもよく老人が行方不明だと放送されている

大体は翌日に「無事に見つかりました」と報告があるが

それがない時は他人事ながら心配になる


それにしてもミチ子さんは止まらない

次から次へと家庭の事情を話し続ける

まるで壊れた蛇口のように…

息子の話になると更にヒートアップ

昼のテレビ番組などで目にする若手タレントと

同じ学校に通っていた次男

そのタレントが不良だった事は知られているが

当時のエピソードはかなり興味深かった


そして先日亡くなったと言うお兄さんの話

末期がんで入院したが

僅か2ヶ月で旅立ってしまった

会社を経営していたお兄さん

その後始末を彼女が行っていると言う

聞いているだけで大変な様子が伝わって来る

悲しみに浸っている暇もない


よどみなく家庭の事情を赤裸々に話し続けるミチ子さん

きっとそんな話に耳を傾ける知り合いも居ないし

話すつもりもないのかもしれない

60代前半と思われるが

顔立ちは美人なのに髪の毛を白髪のままにしていて

かなり老けて見える

「これ良かったら使って」

トートバッグから出したのは

フランス製のトリートメント剤だ

「あら悪いわ~」


時計を見たら4時だ

まだまだ話したりないミチ子さんには悪いがお開きにする

それにしても10時前から4時まで

かなりの長時間彼女は喋り続けた

「続きはまた今度ね」

小雨のパラつく中、自転車に乗って帰って行った

「天中殺真っ只中」と言っていた彼女

少しは憂さ晴らしになったかしら?











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冷たい扱い

2011-10-03 13:40:01 | Weblog
昨夜は1時過ぎまで起きていたのだが

急激に気温が下がって油断していたら風邪引きそうな寒さだった

開け放していた窓も閉めてそのまま寝てしまった

今週は晩秋の様な肌寒さが続くらしく

体調管理には一層気を付けたいところだ


今朝近所のコンビニへ行って来た

ATMを利用するためだ

先月の25日にも訪れたが

その時は先客がずっと占領していて

10分待ったが痺れを切らし、その先のコンビにまで歩いた

今朝は少し早めに出て来たので

ATMを利用している人は居なかった

入金を済ませて並びの雑誌コーナーを覗く

月曜日は「週刊現代」の発売日だ

ここ何週間も、暴力団がらみで引退した元タレントの記事が

表紙に大きく告知されている

ちょっと気になるのでパラパラめくって見た

立ち読みでも良いレベルなのだがついレジへ


お弁当コーナーを覗くと既に商品がかなり売れた後の様だ

この界隈のコンビは現場へ向かう職人さんが

朝食を求めに立ち寄るケースが多い

6時頃に行けばイケメンのガテン系を何人も見られて

目の保養になる

しかしうかうかしているとお弁当をごっそり買い占められて

棚には選択肢の余地もなくなるのだ

私と同じくやって来た女子高校生が

ガッカリした様子で仕方なく売れ残りのおにぎりに手を伸ばしていた

私もパスタとおにぎりで我慢する事に…


レジは一つしか開いておらずその前に数人の列が出来ている

女性スタッフが奥に居る別のスタッフに声をかける

もう一つのレジが開いた途端流れはスムーズになり

あっと言う間に私の番が来た

この時間帯のコンビニは

近所の主婦がパートでレジ打ちをやっている事が多く

とても気持ち良く応対をして貰える

主婦ならではのさり気ない気遣いや明るい笑顔

客は其処に若干癒される場合もあるのだ

それなのに私の目の前の女性はどうしたと言うのだろう

年齢は20代後半から30代前半だろうか

とてもつっけんどんな対応なのだ

男だか女だか判らない奇妙なオヤジにドン引きしたのだろうか

隣のレジの女性があまりにも感じが良いので

何だか損した気分だ

おまけに声が小さい上に滑舌が悪いので

何を言っているのか聞き取れない

端数の硬貨を用意したのだが

8円と1円と聞き違えて差し出したら

「8円ですけど」と冷たく言い放つ

「あっゴメンナサイッ!」

お釣りを貰ってレジを離れたが

「ありがとうございます」はなかった

隣のレジの女性が気を遣って

「どうもありがとうございます!」と言ってくれた


最近のコンビ二は感じの良い店が多いので

さっきの様なスタッフは久々だ

私が若いイケメンだったら扱いは違ったのかもね















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