ダイハード２を見ながら

今夜放送の「シルシルミシル」を見ていて

近所のマクドナルドに走った私

同じ番組を見ていたのだろうか

レジには多くの先客が並んでいた

２つの紙袋を持って部屋へ戻り

「シルシル…」の続きを見た

後半は東急電鉄協力の下で

電車の特集だった

そのままテレビを点けていたら

日曜洋画劇場で「ダイ・ハード２」が始まった

何と淀川長冶の解説入りだった

以前放送した際の映像だが

昔の洋画劇場は必ず前後に解説があった

荻昌弘、水野晴郎、そして高島忠夫

それぞれの個性もまた印象的だった


昨夜の営業は今ひとつ盛り上がりに欠けた

早い時間にサナエさんとキャッチ中に

２人のイケメンがこちらに興味津々

「何処かお店を探しているの？」

「この辺にキャバとかありませんか？」

「勿論あるけどウチも面白いわよ～」

そこからは大阪のオバちゃんノリで

何とか彼らの気を引いて行く

彼らは大爆笑しながら

「この店も気になるんだけど

　ちょっと一周してから決めるよ」と去って行った


数十分後、先程の彼らが戻って来た

「キャバはどうだったの？」

「やっぱり、どうせなら面白い方が良いから…」

そう言ってガラガラの店内へ

口開けには彼らの様な活きの良いイケメンの方が

私たちのテンションも上がるってものだ

私とサナエさんの掛け合いにことごとくウケている

彼らの後にはタマコが来店

ヒデミが何処かで飲んでいた彼女を捕獲して来た

パンチの効いた女で変に理屈っぽい

何故かヒデミとウマが合うのだ


ところでさっきの２人組のうちの

ウイスキーのロックを飲んでいた彼が具合悪くなった様で

酔い覚ましの為に外へ出た

彼と入れ違いに店に入って来たのはサノちゃんだった

この夜は後輩の工藤ちゃんも一緒だ

タマコを接客中のヒデミがソワソワ

何たって彼女は工藤ちゃんのファンなのだ

タマコの隣には久々のＹちゃんだ

さっきフラッと現れた

アニメーターの彼は少々厄介なところがあるので

海千山千のタマコの隣に敢えて配置した

それならヒデミも一緒に接客できるだろう


その後はアキラちゃんがパチンコで儲けたとかで来店

サナエさんが大人のお色気でお相手する

「彼女の誕生日なの」

そう言ってワインを抜いてもらった


時計は４時

既に最初のイケメン２人もサノちゃん達もタマコも帰り

アキラちゃんも今お会計したところだ

ボーイのトシに自分の作品をケータイで見せていたＹちゃんにも

「そろそろ看板よ」と告げた時

ドアが開いてコウちゃんが入って来た

「今吉祥寺で飲んでたんだけど面白くなくて…」

どうやらムックの帰りらしい

レイと新人のユウだかユイだか２０歳の子を口説いたら

見事にフラれたらしい

「じゃあウチでヒデミさんでもたっぷり口説いて」

そう言ってコウちゃんをからかう


今夜は「ダイハード２」を見ながら更新していたら

ついついテレビに釘付けになった

このシリーズ今更ながら初めて見たけれど面白い

今月は残りの３と４も放送らしい

また見てしまいそうだ

雨の金曜日

天気予報では夜から雨になると言っていたが

店に着くまではもつだろうと

傘を持たずに自宅を出た

しかし私の予測は見事に外れ

電車が店のある町に到着した時は

既に傘の花が咲き乱れていた

「失敗したわ、買出しもあるのに…」

ビニール袋を２つ提げて店に着いた時には

ビショビショだった


雨の金曜日、降ったり止んだりの繰り返し

それでも何とかお客様に恵まれて店は賑った

一番乗りは近所に住む主婦のハナエさん

普段は貞淑な妻だが

夜は時たまストレス発散の為に飲み歩く

近所の店の話で盛り上がる

続いてリュウゾウちゃん

そしてミミ子がご来店

ミミ子は風邪気味のところを

無理して遊びに来た

実は先週、ボーイのトシと約束をしていたらしいが

体調を崩してキャンセルになった

トシは昼間働く花屋で

ミミ子の為に花束を作って持って来てたのだ

電話でその話を伝えたら

申し訳ないとわざわざタクシーを飛ばしてやって来た

近所の牛丼屋で皆にお土産まで買って…


その後見慣れた顔のイケメンがドアを開けた

常連のＭちゃんがたまに連れて来るＳだ

この夜はいつもと雰囲気が違う

声のトーンや喋り方までだ

「アナタ、もしかしてオネエなの？」

「そうなの、実は会社を辞めたから

　今日は本来の自分の姿を晒しに来たのよ」

え～？びっくり

これまではとてもそんな素振りもなく

まさかオネエだったなんて

マヤはＳにその事を聞いていたらしく

「よく勇気を出して来てくれたわね」と

ずっと彼の手を握っていた


その後田中ちゃん、近所の店のアイちゃんがお客さんと

ご来店で店内は一気にヒートアップ

オネエのＳはリュウゾウちゃんと意気投合したらしく

２人で盛り上がっていた

更には一気王子が綺麗どころを３人も伴って乱入

トシとマヤはジャンケン一気の餌食に…


さっきコンビニにお金を下ろしに行ったリュウゾウちゃんが

折角買って来てくれたアイスも溶けてしまうくらい

場内は熱気で満ち溢れていた

４時半を過ぎた頃にやっとお開きになった

掃除をするため店内を明るくしてもミミ子はまだ飲み足りない

いつもの事だ

何とかトシがなだめてタクシーを呼んだ

「じゃあ途中まで送るわ」とミミ子

本来なら店の近所の漫画喫茶で仮眠を取って

昼間の職場へ直行したいトシは

頑として聞かないミミ子に根負けして

そのままタクシーに同乗する事になった

もてる男は辛いわね～


さあ今夜ももうひと頑張り

お客様に恵まれますように

珍しく混雑

昨夜は珍しく１２時を過ぎた辺りからお客様が重なって

平日にしては忙しい夜となった


この日、初めてご来店のＴちゃん

近所のショットバーで意気投合した男性および

ご夫婦と遊びに来てくれた

彼らは初対面だと言っていたが

てっきり同じ職場の仲間かと思うくらい和気藹々だった

小柄で少年の様な雰囲気のＴちゃんは女性だが

巨乳の女性に惹かれると言う

て事はビアン？

「そうなんです～

　エドナちゃんのオッパイも触らせて～」

連れの女性の胸も触って「柔らか～い」と

日高のり子似の声で感激していた

彼女はイラストレーターの仕事をしていて

写メで独特の作風を披露していたが

奥の深い世界に私はついて行けなかった


その後、田中ちゃんが元カノと現れた

田中ちゃんは火曜日に続いて連チャンだ

昔バンドを組んでいたと言う彼は声量があり

歌声は店内に響き渡った

それを聴いていた先程のＴちゃんは刺激されたらしく

初音ミクで応戦

田中ちゃんも負けじとヲタ歌合戦が始まった

昔のアイドルの曲なら私も得意だが

彼らが次々と選曲するのはガチでディープ過ぎて

私とヒデミはまるでついて行けない

店内は完全にそっち系のオフ会と化していた


その後は向かいの店のチーフが女性客と待ち合わせでご来店

そう言えば、早い時間にキャッチしていると

珍しく向かいのママが姿を現した

「あら久し振りね～」

聞くと店内にはチーフのお客さんが見えていて

延々お喋りしていて自分は入って行けないらしく

エスケイプして来たと言う

どうやらチーフのお客さんとはウマが合わない場合が多い様だ

「でもママなんだから

　横でニコニコ頷いてれば良いんじゃない？」

偉そうにご忠告申し上げたけど

ママとチーフの間にはきっとこの先不協和音が生じそうだ


更には飲ませ屋あっ君が吉祥寺の綺麗どころを連れて登場

福島から出て来たばかりだと言う姫は

誕生日だったらしい

お祝いしてあげたかったが慌しくてそれどころではない

あっ君は隣の居酒屋でラーメンと餃子を頼んで

連れて来た姫たちに食べさせていた


数十分後ラーメンを届けてくれたのは

この界隈の事情に異常に詳しいリカだった

先日店前で隣の居酒屋のママが休んでいると言う話をしたら

早速お店に駆けつけたらしい

其処へヒデミがラーメンの出前を頼んだので

リカがマスターの代わりに届けてくれたのだ

「お待たせ～」と入って来た彼女は

まるでホントのラーメン屋さんの出前の様だった

向かいの店のチーフを見つけたリカは

顔見知りだった様で話が弾み

一度隣の居酒屋に戻った後

近所のビストロで働くイケメンのＹちゃんとやって来た


時計の針は４時半

Ｔちゃん達は既に帰った後だったが

それ以外のお客さんは残り

まだまだ熱い時間が延々続きそうな勢いだったが

飲ませ屋あっ君のＥＸＩＬＥでフィナーレとなった


２人体制の日にお客様が重なると嬉しいのと同時に

いつも満足に接客出来なかった事に反省させられる

２人だから手が回らないと言うのはお客様に通用しない

何とか上手く機転を利かせて立ち回りたいものだ

楽しければまたご来店いただけるのだと言う事を肝に銘じて

また今夜も頑張るわ～

マニア祭り

連休明けの昨夜

案の定、店は暇だった

早い時間に久し振りに来店と言う男性を

マヤに任せて私はキャッチをしていた

店内の男性はいかにもマニアックな印象だったので

私が一緒にお邪魔するより

美形で癒し系のマヤとツーショットの方が

きっとお喋りしやすいだろうと席を外したのだ


隣の居酒屋から煮物の甘辛い匂いが漂ってくる

ママさんが検査入院して以来

マスターが独りで店を開けている

店内はカウンターにテーブル席

奥には座敷まであって

先週末などかなり忙しかった様だが

独りじゃホントに大変だろうと同情する

それにしても鶏と大根でも煮ているのだろうか

出勤前にしっかり食べて来なかったので

この匂いにお腹が反応している


向かいの不動産屋の壁掛け時計は１１時をさしている

少し肌寒くなってきた

薄いジャンパーを羽織っているが

油断していたら風邪を引いてしまいそうだ

その時である

一台の自転車が私の目の前で停まった

見覚えのある顔の中年男性だ

「久し振りだね、まだ居たの？」

失礼ね、どうせ他に行く所がないわよ

と思いながらも顔は一応営業スマイルで

「そうなのよ～、こんなご時世だから

　この店にしがみついているわ」

目の前の男性は私がこの店に入った頃からの顔見知りだ

「もう何年になる？」

「そうね、１０年近くになるわ」

彼はニューハーフが大好物の様で

特に刺激的なプレイを求めて彷徨っているのだ

私の知り合いのニューハーフが超Ｍで

彼女とビルの谷間でいかがわしい行為に及んだ事もあったそうだ


「最近マニアックな情報はないの？」

「お姐さんこそ教えてくれよ」

「そうねえ、駅のトイレで女装子が着替えていて

　ナンパされるのを待ってるみたいよ」

と出鱈目な情報を伝えると

「そうなんだよな、この町にはそう言うの多いんだよ」

エッ？そうなのと思いつつ

「この間も朝帰りの女装子を２人も見つけたわ

　その後ろにストーカーらしき男がついて来てたわ」

これはホントの話だ

日曜の朝に見かけたのだが

駅の改札を明らかにそれと判る２人の女装子が別々に出て来た

彼女たちに面識はなさそうで離れて歩いていた

新宿２丁目じゃあるまいに珍しいわと思っていたら

その後ろから男性がついて来ていたのだ

この３ショット、かなりのインパクトだった


「朝方駅の周辺をパトロールしていたら

　素敵な出会いを求めた女装子に巡り会えるかもよ」

彼は私の話を真剣に聞いている

それにしても店内にもマニア、外にもマニア

祭りだったのかしら

秋晴れの一日

やっぱり何にもしないで終わった連休だった

いつもの事ながらネット三昧で目が疲れたら寝るパターン

何しろ長年使用しているメガネの度が少しズレた様で

長時間ディスプレイを眺めているとかなりキツいのだ

それでも止められないこの私

ネット依存もかなり重症だ


昨夜の雨も上がり絶好の行楽日和だった

体育の日は晴れになる確率が高いのだと天気予報で言っていた

目が覚めたのが１０時過ぎだったので急いで洗濯機を回す

女ごころと秋の空は変わりやすいのだ

この間の台風でベランダの窓ガラスにひびが入った事は報告済みだが

何ともう一枚の方にも同じ様にひびが入っているのを発見

台風の後には気付かなかったのに一体いつ？

大家さんには最初のヒビに付いては伝えてあるが

まさか両方のガラスに同じ様に入っていたとは言いにくい

実費で業者を呼ぶ事も考えたが

このごみ屋敷と化した部屋に他人を入れる事になると

よっぽど気合を入れて片づけをしなければならない

物を溜め込む私の癖を呪っている


秋の夜長

開け放した窓の外からは虫の声が聞こえて来る

とても平和な時間を過ごしている

東日本大震災や夏の台風で被害に遭われ

住む所もままならない人達には申し訳ないくらいだ

夕方のテレビでは東京を直下型大地震が襲ったらと

不安を煽る様な特集を放送していた

いずれそれが現実になるとしても

今はそれを見たくはない

チャンネルを変えたら万引きＧメンが

捕まえたお婆ちゃんを叱っていた


明日も秋晴れの一日でありますように