忙しい分、接客が行き届かない

昨夜から雨が降り続いている

今夜の営業はこの雨に祟られてしまうのだろうか

連休が明けた週の初めと言う事で

月曜日は店前の通りも閑散として居て

何処も早々と看板の灯りを消していた

当店もかろうじて３組のお客様をゲット出来たが

週明けから厳しいスタートだった


一夜明けて火曜日

開店前から久々にインストラクターのアヤちゃんが

スタジオの生徒さんを伴ってご来店

マヤが辞めた事を報せるととても残念がっていた

霊感が強いアヤちゃんは時々気になる人にアドバイスしていたが

マヤも当店に入ってすぐに見て貰ったようだ

それがとても印象に残っていた

「少し前にとても霊感の強いブラジル人のお客様が見えて

　このお店には強烈な地縛霊の影響があるから

　御祓いしなさい」と言われた事を告げると

「確かにこの場には居るわよ

　その霊は自分が死んだ事が分ってないみたいよ」

なんて更に背筋の凍る様な事を言うのだ

店が慌しくなったので、それ以上は聞けなかったが

ちょっと気になる


その後は隣町のスナックのママさんが

常連客のＲさんとご来店

彼らはボーイのトシのファンだが

この日はお休みだったので

私がお相手した

景気付けの一気飲みをさせられたが

ハイチオールＣを飲んだお陰か悪酔いせずに済んだ


彼らの後にもお客様が続いた

ミッちゃんは取引先の殿方とご一緒に見えて

へネシーを入れてくれた

たまたまミッちゃんの後輩のミユキも

別口で取引先のお客様と来店して居て

最後は合流する事になった

ミッちゃんもミユキもやり手のキャリアウーマンだ

震災後何かと仕事は忙しいらしく疲労の色が濃かった


こんな日は目を離したすきにヒデミが裏で酒を呷って

お客様に絡む事がない様に気をつけていたつもりだが

何処かのテーブルでビールをご相伴させてもらった様で

男性３人組のグループの中のイケメンにクダを巻いていたようだ


最後に残られたナオちゃんとミツオちゃん

閉店時間を過ぎても同じ話が繰り返し続く

若い頃、歌舞伎町でチンピラをぶん殴ったとか言う武勇伝だ

その話が５回目になった時さすがに私も腰を上げ

カウンターの洗い物を始め

ヒデミは欠伸をしていた

トイレ掃除も終えてフロアに戻ると

ナオちゃんの話は益々白熱していた

この日は珍しく酔ってたみたいで

会計を終えた事も忘れている

「さっき領収書も渡したでしょ」

５時近くになってやっと彼らを見送る事が出来た

外は肌寒いし雨も降っている

月曜日のヒマな分を取り戻す事は出来たが

お客様が重なった事で満足な接客が出来なかった

今夜はどうなる事かしら