おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

ヒマだったわ

2011-05-08 21:26:00 | Weblog
今日は初夏を思わせる様なお天気だったらしい

私は夕方まで爆睡していたのだが

無意識の内に布団をはねのけていた

室温は22度もある

慌てて窓を全開にして心地良い風を入れる

日が暮れる前にスーパーに行かなくては…

窓ガラスに貼る日差しを吸収するシートを買う為だ

この夏は何処の家庭でも節電を強いられそうで

少しでも涼しく過ごせる様なアイディアが

テレビや雑誌などで特集されている

去年は猛暑だったが今年はどうなるのだろうか


昨夜はヒマな土曜日だった

隣の居酒屋のママも嘆いていた

「ホントどうなってんのかしらね」

あまりにもヒマだったので私とトシで

雑然としているカウンターの中を片付けた

使わなくなったお皿やグラスを仕舞って

ボトル棚を整理したり

普段は中々気付かない細かい部分を掃除した

掃除も終わり時計を見ると2時半だ

ヒデミがずっとキャッチしているが

誰も通りを歩いていないらしい

「じゃ、あのジンクスを試してみようかしら」


当店には幾つかのジンクスが或る

その一つはノーゲストの時

コンビニとかで何か買って来て食べようとすると

不思議な事にお客様が来店される

以前はこのジンクスが9割くらいの確率だった

ここ最近は不発に終わっていたが

何とか神にも祈るような気持ちで

トシを吉牛に走らせた

数分後、店のドアが開いた

トシが帰って来たのかと思ったら

最近よくお見えになるマサルちゃんだ

とっても綺麗な女性を伴っている

ガラガラの店内を見渡すや

「どうしたの?もう終わり?」

「そんな事ないわよ、今団体さんが帰って一段落してた所よ」

ついつい見栄を張ってしまったがバレバレだった様だ


マサルちゃんはニューハーフ事情に詳しい

仙台に居た時にはデリバリーも利用した事があるとか

一緒に来たトモミちゃんも証言する

「この間も高円寺のオカマバーに連れて行ってくれたのよね」

確かにマサルちゃんの様なタイプは

オカマ受けすると思う

ルックスは渡辺いっけいかジャッキー佐藤で

身体もガッチリしている

性格も穏やかでとても話しやすい

いつもは一人で来店する事が多いのだが

珍しく綺麗な女の子と一緒だ

トモミは33歳でオミズ経験もあるが

銀座とかでも十分に通用する品の良さだ

足の組み方一つにしても美しい

けれど決してお高くとまってるタイプではなく

親しみやすいのだ


扉の外が騒々しい

さっきまで隣でアフターしていた近所のスナックのR子だ

今夜は客で来たM美と一緒だ

ヒデミに耳打ちして店内に入って来た

マサルを見てわざとらしくお辞儀をする

あわよくば自分の店に引っ張ろうって魂胆が見栄見栄だ

キンキンの声を張り上げてこれ聞こえよがしに

「とっても綺麗な女性が居るんでビックリしたわ」

R子も色白で美人だがトモミの若さと品の良さには敵わない

マサルは私にさり気なく聞いてくる

「何処かの店の子?」

「そうよ、奥に座ってる綺麗な子だけね

 手前の子は違うわよ」

「そりゃ言われなくても分るよ」

M美には悪いがR子の隣では不利だ


時計は4時を20分過ぎた

そろそろ店仕舞いにしたい

マサル達も帰ると言う

残るはR子とM美の2人

私とヒデミは何時間残業しようがギャラには反映しないが

トシは完全時給制なので

こんなヒマな日にいつまでも居残りさせると

人件費が大赤字になってしまうので

後片付けを済ませたら帰る様に促す

それを聞いてR子もさすがに空気を読んだようだ

「じゃあ私たちも帰りましょ」

彼女達を見送ってトイレ掃除を始める


来週は少しは忙しくなって欲しいもんだわ

便器をこするブラシに力を込めて祈る私なのだった
























コメント
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