おかまのよろめき

現役おかまのお店日記&趣味のはなし

逃避行の果てに

2010-12-30 14:50:32 | Weblog
この年の瀬に悲しい報せが入ってきた

調布のお店からのお客様で

今の店にもよく遊びに来てくれたマーちゃんが

遺体で発見されたと言うのだ

彼女の親友のYちゃんから

衝撃的なメールが届いたのは一昨日だった


「さっき兵庫県警から連絡があったの

 マーちゃんの遺体が発見されたって

 Hは居なかったんだって…」

Hとはマーちゃんが駆け落ちした相手だ

確か彼の故郷の熊本に2人で住んでたはずなのに…


マーちゃんには夫が居た

しかしアル中の彼女に嫌気が差し

家庭内別居が続いていた

昼間から酒を飲んで夜になると飲み屋を転々

最愛の母親が亡くなってからは更に酷くなった

片脚が義足の彼女は雨の中を歩けなくなり

道路に座りこんでいる所を

親切なタクシー運転手に助けられた事もある


連日行きつけの飲み屋に現れては寂しさを紛らしていた彼女

そこで出会った男性と大人の関係になる事も何度かあり

Hともそんな出会いから始まったのだ

彼はとてもだらしない性格で

マーちゃんには優しかったようだが

傍から見ていると明らかに彼女を利用居ているだけだった

私も何度か忠告したが

Hと一緒に居る事がマーちゃんには心地良かったのだろう

当時は熊本から事あるごとに上京しては

マーちゃんとホテルを泊まり歩いていた


熊本に居る奥さんと別れるから一緒に来てくれと言われ

ノコノコついて行った彼女は

そこで本当に嫌な思いをする事になる

すべては彼の優柔不断でだらしない性格が原因だ

これでマーちゃんも目が覚めるだろうと思われたが

彼女はHに同情して益々離れられなくなった

遂には夫を捨ててHと熊本で住む事に…


マーちゃんの親友のYちゃんは

「私がマーちゃんを熊本に行かせなければ良かった」

そう言って号泣した

マーちゃんが本当に幸せになれるならと

熊本行きを何かとサポートし

自分も何度か現地を訪れている

しかし行く度にマーちゃんは酷い状況になっていた

だからと言ってもう東京に帰る事は出来ない

アル中はどんどんエスカレートして

最後は廃人同様だったそうだ

HはYちゃんにマーちゃんの事を理由に

金銭的な援助を何度も要求し

せしめたお金は自分の飲み代に消えた


マーちゃんは一人で冷たくなっていたそうだ

東京に居る時も何度となく自殺未遂を起こし

救急車で運ばれている

「何で死なせてくれないの

 お母さんのところへ行きたい」

酔うとそれが口癖だった

Hに最後の夢を託して全てを捧げたマーちゃん

しかし結末はあまりにも悲しすぎるものとなった

今頃は優しかったお母さんに思い切り甘えているのだろうか








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