夏木広介の日本語ワールド

駄目な日本語を斬る。いい加減な発言も斬る。文化、科学、芸能、政治、暮しと、目にした物は何でも。文句は過激なくらいがいい。

口紅つけた豚・その2と東京新聞

2008年09月22日 | Weblog
 昨日書いた「口紅つけても豚は豚」は、私の思い違いではなく、やはり自民党の総裁選の事だった。
 今日9月22日のテレビ朝日のニュースショーで、口紅つけても豚は豚、がやはり自民党の総裁選の事だと分かった。ニューヨークタイムズが、アメリカの共和党と民主党の争いと同じだ、と言ったと説明した。これまたとても短い説明なので、見逃す恐れは十分にあったが。それにしても馬鹿にしている。これから行われる総裁選の結果が既に分かっている。結局、自民党の一人芝居だった。
 福田総理の辞任について、今日の東京新聞に「自民党にとって愚行か英断か」と言う記者の書いたコラムがある。面白い事を考える人が居るものだ。辞任表明を機に自民党の支持率が上がり、民主党は「総裁選劇場」の陰で埋没する危機にさらされた。
 この事を自民党にとって有利か不利か、と考えている訳だ。
 そりゃあ、一時的にも人気が回復(任期を縮めて人気回復とはこれいかに)したのは自民党にとっては幸いだろうよ。だがそんなのは砂上の楼閣に過ぎない。そんな事に一喜一憂しているから自民党は駄目なんだ。そんないい加減なふわふわした国民に支えられて大事な政治が出来ると言うのか。
 首相候補が口紅つけた豚に例えられた事は世界中が知る所となっただろう。アメリカの大新聞がそう書いたと言う事は、アメリカ政府だって、そう考えていると見て間違いはないと私は思う。豚が総理になった国をアメリカがどのように処遇するか。もう目に見えている。以前からそうだったが、それが更に増強されるだけだ。
 愚行に決まっているじゃないか。

 この記者はコラムの最後にまたまた面白い発言をしている。

 福田首相の辞任は自民党にとって愚行なのか、英断なのか。間近に迫った衆院選で、有権者が投じる一票で決まる。

 選挙で自民党が勝てば、英断だったと言う事になると見ている。となると、これについては、有権者に責任がある事になる。そんな馬鹿な。有権者は単に、自民党は実績がある、民主党は実績が無い、だけで判断しているのではないだろうか。自民党の実績がどんな物だったかを既に忘れている。ホント、日本人は忘れるのが早い。だから何度だって同じ事が繰り返される。事故の汚染米が堂々と流通している事に政府がまるで関係がないかのように思っている人だって少なくないだろう。単に業者が悪い、農水省の役人が無能なのだ、と。小さな一点しか見ていない。
 だから、愚行であろうが英断であろうが、そんな事には一切関係なく、自民党に投票する有権者は大勢いる。
 でも面白い。選挙で自民党が勝てば、有権者は「総裁選劇場」を承認した事になる。つまり、有権者は世界に背を向けた事になる。そんな大胆な事を我々はしているのか。
 選挙で勝とうが負けようが、福田の辞任は愚行に決まっている。世界中が呆れ果てたのだ。それで一挙に日本に対する価値観は下がったはずだ。それなのに、自民党一党と言うコップの中しか見ていない。それこそが愚行である。そんな短絡的な見方を記者がしている限り、有権者の一票の価値が高まる事は無さそうに思えてしまう。新聞は読者のリーダーではないのか。
 このコラムの唯一の取り柄は記者の名前が明示されている事だ。以後、この記者の記事は心して読もう、と思ったのだが、同紙はほとんどの記事に署名が無い。こうした所だけ署名入りにする、その真意が分からない。その点で、毎日新聞は良かった。小さな記事にまで、きちんと署名が入っていた。
 だが、私はまだ当分は東京新聞を取るつもりでいる。気に入っている理由の一つについては別の機会に。