金属中毒

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プロポーズ小作戦マイナス4

2009-09-09 01:57:01 | コードギアス
プロポーズ小作戦マイナス4

子供の成長は早い。片言しか言えなかった星刻がしっかり話だし、近所の子供と一緒に駆け回るようになる。言葉の覚えが早いので4つになったとき近所の私塾に通わせた。そこでもぐんぐん知識を吸収し、私塾の教師が「もう私が教えることは何もない」とわざわざ言ってくるほどだ。
そこでなんとか工面して上級学校に行かしてやろうとして、父黎一籐は気がついた。この子の戸籍は無くなった息子の籍をそのまま使っている。同年代の子供よりも身長が高く、顔立ちも大人びているため3歳程度の違いは周りから見てもわからないほどだったが、戸籍の内容に問題がある。戸籍には脳障害が明記されている。この戸籍のままでは星刻の将来は閉ざされる。
結局頼るところは本家筋しかなくて、また黎一籐は相談に行った。
出た答えはまたしても軍への志願。ただ、今回は洛陽の近くの基地での仕事である。
ところがその基地はきわめて老朽化していた。
赴任して1カ月が過ぎたころ、基地の一部が突然崩れ100名近い兵士が下敷きにされた。
その一人に黎一籐が含まれていた。父の死を聞かされた星刻は泣く暇すら与えられなかった。貸し家だった小さな自宅を叩き出され、途方に暮れるしかなかった。いくら星刻の頭がいいといっても彼はまだ戸籍年齢15歳実際年齢13歳にすぎなかった。
このときさすがに気の毒に思ったのか本家筋が動いてくれた。
そのおかげで星刻はとにかくも朱禁城の下人として働くこととなり、路頭に迷うことは無くなった。

星刻が役所の無能ぶり腐敗ぶりに絶望するのにはわずかの時間しかかからなかった。
そして優秀さゆえに煙たがられた星刻はあちこちの上司のところをたらいまわしされて後、牢番の任に就いていた。このとき星刻は無実の罪で投獄され、殺されかけていた囚人に薬を届けてやり、それを罪として死罪になりかける。
もしこのとき天子が通りかからなければ、そしてたまたまそこに高亥大宦官がいなければ星刻の人生は終わっていた。その意味で星刻は極めて悪運の強い人だった。