俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その18

2008年07月05日 04時48分01秒 | 小説『ファルコとの出会い』

 あることを決意しながら、フォックスはファルコ機から距離をとった。ヘッドセットから伸びるマイクに向かい、言う。
「二人とも、聞いてくれ。もう冷却弾だけでは、ヤツを押さえることはできない。ここからは、レーザーを使う」
「フォックス、だが、それは……!!」
 即座に、困惑するようなペッピーの声が返ってきた。
 もしもレーザー砲がプラズマエンジンの炉を貫いてしまったら? 機は大破し、乗っているパイロットの命も、まず失われると言っていい。
「ペッピー、わかってるよ。俺だって、ヤツを殺したくはない」
 コーネリア軍本部一室での、ペパー将軍との会話。その断片が、フォックスの脳裏に浮かび、すぐに消えた。

 ――ペッピーが将軍の依頼を受けた2日後、コーネリア軍会議室にて……。
「将軍。ファルコ・ランバルディのことですが……やつを捕らえた後、その処罰は、どういうものになりますかな」
 ファルコ捕縛の作戦内容を伝え終わった後、ふと顔をあげてペッピーは聞いた。
 なにをわかりきったことを、といった風な顔をしながら、それでもペパー将軍は答えた。
「それはもちろん、法の裁きを受けることになる。軍の演習地に無断侵入し、度重なる警告を無視し、逃走した……刑罰の確定には裁判が必要だが、反逆罪はまぬがれまい」
「コーネリアはライラット系を統治する正しき軍隊、それに逆らえば、罪の大小は関係なく反逆罪となる……というわけですかな」
 そう話すペッピーの口調に自分への非難めいたものを感じて、将軍はいぶかしげに三人の顔を見回した。まずはじめにペッピー、次にフォックス、最期にスリッピーの顔を。どの顔も、口を真一文字に閉じて、すこし厳しい表情をしていた。
「ペッピー……どういうことだ? 君は私に、なにを言いたいのだ」
「では、単刀直入に言いましょう。この、ファルコ・ランバルディという男、我々がやつを捕らえることに成功したら、やつの処遇は、われわれに一任してほしいのです」
 ペパー将軍のふたつの瞳が、帽子の下ですこし大きくなった。
「ペッピー。自分が何を言っているか分かっているのか。君たちは犯罪者をかくまおうというのか? しかもその片棒を、将軍であるこの私に担がせようとするとは。ばかな! とても、まともに聞けた話ではないな」


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