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スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その19

2008年07月05日 05時13分56秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「聞いてください、将軍」
 にべもなく拒絶しようとするペパー将軍に、ペッピーはなおも話しかけた。
「ファルコという男のことを少しばかり調べました。数年前に家を飛び出し、暴走族仲間とつるんでバカをやっていたようですわい。だがしかし、今回のような事件を引き起こしたのはこれが初めてです。なにか、心境の変化があったに違いない……。そこで、やつの身元を確認してみると、やつの家族は星間配達を生業に、星から星へ旅する一族でした。その一家は、半年前にベノム軍との戦闘に巻き込まれ、全員が死亡しておるのです……」
「やつの暴走族仲間とも話をしました。かれらの話によれば、ファルコは家族を失ってから、捨て鉢になっていたと。そして彼らの一人が『ベノムの側につくことも考えなければならないな』と言ったことに激昂して飛び出すと、あの事件を起こしたのだと、そう言っておりました。将軍、やつは軍に反逆したくてあのようなことをしたのではないでしょう。ましてや、ベノム側の者ではないことは明らかだ。そういう若者に、ワシは反逆罪という汚名を着せたくないのです」
 思いがけなく嘆願を受けたペパー将軍の眉間には大きく皺がより、その顔には苦悩の表情が浮かんでいる。ゆっくりと口を開くと、将軍は言った。
「ペッピー。君の思いはよく分かった。きみの面倒見の良さが、相変わらずであることもな。しかし、それとこれとは、話が別だ。法は絶対なのだ。コーネリアの将軍として、私情のために法を曲げることは、絶対に許されん」


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