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スターフォックスの一ファンのブログ

「ファルコとの出会い」その28

2010年02月27日 12時07分34秒 | 小説『ファルコとの出会い』

「まだあるぜ、ペッピー。君が失わなかったものが」
 その言葉に、少しだけ顔を上げペッピーはフォックスを見た。
「『スターフォックス』だ。遊撃隊だよ」

 遊撃隊。
 これより数世代前、プラズマエンジンの普及により宇宙航行時代がようやく幕を上げた頃。コーネリア軍によるライラット系各惑星の防衛体制はまだ整っておらず、カタリナ、マクベス、ゾネスなどの惑星では、野心に溢れる開拓者たちだけが資源をもとめて採掘を続けていた。
 資源が生まれれば、それを原料に精製する工場が建設され、労働力が必要となる。労働者たちが集まれば、かれらの生活の場となる街が生まれる。
 資源により栄えるその街々の富を目当てに、無法者たちも集まってきた。汗と脂の結晶である資源が、暴力と恐怖により不当に吸い上げられる事態が、宇宙のそこここで発生した。
 助けを求めようにも、軍は当てにならない。コーネリアの内部でも種族間の対立に戦々恐々としている状況で、他の惑星にまで救援の手が届かないのは明らかだった。
 開拓者たちは、自分たちの富と権利を守るために武装した。そのうちに、金で雇われて街の治安を守る者たちも現れた。「遊撃隊」の誕生である。
 
 マクベスの鉱山町を28年にわたり守り抜いた『セイリオス』、ゾネスの海底油田の防衛を一任される私設軍隊『ロイヤルスターズ』、星々を渡り多くの賞金首を捕らえた“天空の猟犬”、『スターハウンド』……。ライラット系の宇宙開拓史をひもとけば、それら多くの遊撃隊の名前を目にすることができる。


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