俺の翼に乗らないか?

スターフォックスの一ファンのブログ

歴史作家みたいなことをしている

2016年05月14日 23時52分37秒 | 考察
 『任天堂公式ガイドブック スターフォックス64』には、コーネリアについてこう書いてある。

「ライラット系内では、唯一の知的生命体の発祥地」。



 今となってはこれは、「ちょい待て! お前、惑星サウリアの恐竜たちは知的生命体と認めていないわけ? それとも、恐竜たちは実はコーネリア出身で、集団で移住でもしたわけ?」っていうツッコミを入れてしまって、そのまま事実と受け止められない。


 『64』が世に出た当時、『アドベンチャー』でサウリアが舞台になるなんて誰も知らないから仕方ないけど。

 ……あ、それともサウリアはライラット系外にあるとか? パペトゥーンと同じパターンで。


 細かい設定を作るのはいいが、あとになると矛盾が生じたり、かえってゲーム作りの足かせになったりするので、公式設定はフワッとしていたほうがいいんだと思う。

 「設定に矛盾がないこと」よりも、「ゲーム全体として魅力があること」のほうが大事だし。


 わたくし、公式設定を歴史のように考えて、その歴史にまだ書き込まれていないことを想像で補完する歴史作家みたいなことをしている……つもり。
 現実の歴史でいえば、邪馬台国はどこにあったかとか、坂本竜馬を暗殺したのは誰だったか、みたいな。


 現実の歴史でさえ、諸説あって定められないことはいくらでもあるよね。


 『64』の説明書の「究極の科学兵器がコーネリアの主要都市に向けられた」という記述だって。
 これが、アンドルフを悪人に仕立て上げようとする者の印象操作だったら?とか考えることもできるんだ。(多少、無理があるのは承知ですよ)

 想像するのは自由。
 どこまで公式の設定に忠実になるかも自由。


予告編

2016年05月14日 21時25分23秒 | アナザーストーリー
 がんばって書いているんだけど、なっかなか完成しないよ。これは。

 ちょっと心が折れそうになってきたから。予告編ってことで、ちょっとだけ載せちゃう。

 自己満足にしかならないかもしれないけど。乞うご期待、だ。



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 おぼろげな記憶。夢幻のような思い出。
 はるか眼下に見える、コーネリアの首都。立ち並ぶビル群や、縦横に走る道路が、電子回路の基板の部品のひとつひとつのように目に映る。
 透明感のある群青の空が、巨大な円天井のように広がる。その下に浮かぶ積雲を、火焔のいろに染め上げながらゆっくりと沈んでゆく太陽。
 この星系の中心をなす星。恒星ライラット。
「美しいだろう?」
 穏やかで、満足げな祖父の声。
「ええ。とっても」涙を流しながら、自分は答える。
「……どうした?」
 驚いた表情で、祖父が自分の顔を覗き込む。
「なんでもないんです……ただ、思い出してしまって」
「思い出した? 何をだ」
 こちらを見つめたまま、怪訝そうに祖父は言う。
「科学雑誌に書いてあったんです。恒星ライラットは、60億年後には膨張し、いまの200倍の大きさになって、近い公転軌道をもつ惑星たちを呑みこんでしまうって。
呑みこまれなかった惑星も、大気は灼熱と化し、地表は焦土となり、ライラット系の生命は死滅してしまうだろう、って」
 頬に流れる涙の筋をポケットのハンカチでぬぐうと、堰を切るように言葉を吐き出した。この星系が迎えるはずの悲しい未来のことが、記事を読んだときから折に触れては思い出され、いまではすっかり自分の頭を支配してしまっている。
 いつか太陽に呑まれる世界。死と消滅の待っている世界。
 それがわかっているのなら。自分と、それをとりまくたくさんの人たちが生きているのは、何のためなのだろう?
 道を敷き、街を築き、喜びと悲しみを積み重ねながら生を営み、命の鎖をつないでいくことに、意味はあるのだろうか。
 いずれ、すべてが無に帰してしまうのなら――。

 顔を上げて、自分は祖父と目を合わせる。
 刻まれた多くの皺と、白髪の混じる茶色い毛髪に囲まれて、ふたつの瞳が夕焼けを映して輝いていた――その奥に燃える理知の炎が、生き生きと舞踏しだしたかのように。