RoboCup2018のジュニアレスキュー(LineとMaze)では、スコアリングシステムを使っていました。
スコアリングシステムというと、2017年の名古屋世界大会でタブレット端末を使ってやっていたのですが・・・
今回は、そういった機器は全く用意されず(そもそも要求していない!?)紙のスコアシートで記録する方式でした。
で、どうやってスコアリングシステムを使っていたかと言うと・・・
①スコアリングシステムでコースレイアウトを作る
②スコアリングシステムに競技スケジュール(競技時刻、フィールド、チーム名など)を入れる
③スコアリングシステムからスコアシートを印刷する。
④競技をやって、スコアシートに(手書きで)記録する。
⑤記録後のスコアシートをスキャナで読み込んでイメージを取り込む。
⑥読み込んだイメージから、チェックした内容をデータとして取り込む。
⑦取り込んだデータとイメージを比べて、データが正しいかを確認する。(必要に応じてデータを修正する)
⑧データを集計して、順位などを決める
こんな感じでした。
こんな苦労をするのなら、名古屋大会のようにタブレットを使った方が確実なのですが・・・
そもそも、今回はスコアリングシステムを使わずに、従来通りに紙のスコアシートで運用するって聞いていたのですが・・・何で、スコアリングシステムを使うことになたのか!?
で・・・私は、競技一日目は Rescue Maze の審判をしていたのですが・・・競技二日目からこのスコアリングシステムの集計作業をお手伝いすることにしました。
なぜなら・・・この集計作業が、めっちゃ大変だからです。
集計はJAN君とU君が作業していたのですが・・・一日目の競技が終った時点(17:00頃)で、集計は一日目の1ラウンド目の競技結果が終った程度でした。その後から、私も集計作業を手伝ったのですが・・・一日目の競技結果を集計できたのが23:00でした。
いや、明日以降も毎日深夜残業はきついでしょう。
これは、集計を溜めないように・・・適宜こなしていく必要がありますよね。
何に手間がかかるかと言うと・・・
⑦のイメージとデータを人間の目で一つ一つ比較して確認するのが面倒なんです。
この確認の時に、記録(シートに書かれた内容)の矛盾点が見つかったりします。矛盾があると、それを記録者に確認するのに(また)時間が掛かります。
審判がルールを理解していなかったり、記録の仕方を間違っていたり・・・
準備日(Setup Day)に審判講習会(スコアリングシステムのスコアシートの記入方法の説明など)が予定されていたのですが・・・中止になりました。なぜなら、その時にOCも国際ボランティアも一生懸命に競技フィールドを作っていたから・・・でも、せっかくローカルボランティが講習会のために来てくれていたのに、中止っておかしくない!?
(これは OC の問題だと思うのですが・・・)
これも、すべての原因は LOC がきちんと準備をしてくれてないからなんですけどね。
話がいろいろと飛んでしまいましたが・・・
全ての問題の根本原因は、LOCがきちんと準備しない(できていない)こと ⇒ OCや国際ボランティアが競技フィールドを作るのに精いっぱいでスコアリングシステムの説明会を中止したこと ⇒ スコアリングシステム用のスコアシートの書き方が間違っていることがある ⇒ スコアシートの確認にめっちゃ時間が掛かる
こんな負の連鎖です。
さらに、スコアリングシステムの作業をするのに、何台かのPCをLAN接続する必要があるのですが・・・現地のLAN環境は、非常に不安定で・・・工事されていたLAN線が使えなかったり、使えなかったり(結局使えない 笑)
心配だったので、U君がM&Y母に頼まれて持って来ていた「HUBユニットとLANケーブル」が無ければ・・・ジュニアレスキューの集計はできなかった・・・という状況でした。
・・・個人の所有機材に頼らないと、競技運営ができない大会って、ダメダメですよね・・・
(2012年のメキシコシティ世界大会でも、M&Y家が持って行った機材が無ければ、レスキューBの競技ができませんでした・・・)
ということで、競技二日目からは、(競技の審判でなく)最初からスコアリングシステムの集計作業を手伝いました。
印刷されたスコアシートを各フィールドに配って、競技が終った(結果が記録された)スコアシートを集めて、内容をチェックします。チェックが薄いところは、濃く上書きして、記録内容がおかしい(疑問点がある)場合は、主審に確認します。(これが大変!) チェックが終れば、U君に渡してスキャナーで読み込んでもらいます。その後に、システムに入ったデータと読み込んだイメージを照合して、データを確定します。
私達の作業は、競技が終ってから実施するので・・・昼休みとかが忙しい!
でも、溜めずにこなせば、競技が終って2時間位で集計を完了させることができました。
これだけだと、単にシステム運用のオペレーションをやっているだけのように思われますが・・・実際には、データとして読み込む濃さを調整したり、システムの潜在バグをその場で修正したり、(なぜか)得点にカウントされない被災者が有ったり・・・発生したトラブルを、その都度解決していきました。(私でなくU君が・・・笑)
このU君と私の苦労を、どれだけの人が認識していたのでしょうか?
次回、どうなるのか・・・が、とても不安です。
もし、同じ作業をするのであれば、最初から集計要員を確保する必要があります。
まあ、はっきり言って、U君が参加しないと、スコアリングシステムの運営自体が無理だと思いますが・・・
今回、不思議だったのは、競技結果(≒得点)についての質問が全く無かったことです。
で・・・次回以降に向けての私の意見としては・・・
・スコアリングシステムを使うのなら、今回のような中途半端な使い方はやめて、2017年の名古屋世界大会の時にようにタブレットを使った完全な形で利用すべき。
・紙のスコアシートを使うのであれば、スコアリングシステムとは関係ない、普通のシートを使って、エクセルなどで集計すべき。
・どちらにしても、審判をしてくれる人(ローカルボランティア含む)にルールの説明(とスコアリングシステムを使うのであればスコアリングシステムの操作方法)をきちんとすべき。
・審判としての作業(競技前に何をする、競技後に何をする)の説明をきちんとすべき。