Re: The history of "M&Y"

Team "M&Y" and "花鳥風月"
the soliloquy of the father
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尼崎大会のレスキューB team"花鳥風月"

2015-05-11 | RoboCup2015

他のレスキューBチームを全て紹介したので、「花鳥風月」も・・・

 

 

まず、「花鳥風月」の目標は「被災者の全員発見」です。(これはあたりまえか・・・)

これを単に達成するだけでなく「誰でもレスキューBに参加できることを証明すること」を目指しています。だから、特別なことをしない・・・特別な部品、特別なセンサー、特別な仕組み・・・そういうものはなるべく使いません。それから、LEGOロボットで参加することにこだわっています。そう「こんなロボット」で参加しています。

そして、そのロボットのコンセプトは

・小型(Small)

・単純(Simple)

・ソフトウェア(Software)

の、3つです。

まず、「小型」ですが・・・そもそも、レスキューロボットは、瓦礫の隙間に入って被災者を発見したり救助することができなければならないので、小さくすべきだ・・・という考えです。「花鳥風月」のロボットは、LEGOロボットとしては小さい方ですが、それでも結構な大きさです。ロボットの大きさ(小ささ)では、自作機にはかないません。少なくともルール上では、壁と大きな障害物の隙間が20cmなので、幅20cmの経路を進めるロボットが必要です。

次の「単純」ですが、これは簡単です。「複雑なロボットは作れないから(笑)」 複雑なロボットは壊れやすい、単純なロボットほど壊れにくい・・・また、上の小型化を目指していくと、自然と単純になります。

最後の「ソフトウェア」は、これも簡単です「(ハード屋ではなく)ソフト屋なので、ほとんどすべての問題をソフト(プログラム)で解決します。」 

センサーで検知した値を読みだすと、ノイズが含まれます。ノイズを除去するためにはフィルターを組んで・・・そんなの無理です。ノイズを含んだ値を読みだすしかないのであれば、それを何度も読みだして、ソフト的にノイズを除去します。ソフト屋にはそれしかできません。(笑)

 

こんなコンセプトで、「M&Y」時代から何年もやってきました。

 

ロボットは(上にも書いたように)LEGOベースで、接続するセンサーを増やすためにArduinoを接続しています。被災者を発見するための温度センサーは、TPA-81 です。 このセンサーは、世界的には標準だと思うのですが・・・日本では、あんまり使われているのを見たことがありません。やろうと思えば、NXTに直付けすることもできる、良いセンサーだと思うのですが・・・ 壁との距離は、4つの超音波センサーで計測します。壁や障害物に機体が触れたかどうかは タッチセンサー、床の色は光センサーで見ます。その他は、ジャイロ+加速度センサーのXG-1300Lですね。センサーの数は、多くも少なくも無く・・・最低限必要なものは揃っていると思います。

レスキューキットはサイコロです。単純に、適当なものを探して100円ショップをブラついた結果、サイコロが一番無難そうでした。(笑) これを、LEGOのサーボモーターで撃ち出します。

 

 

で、今回の尼崎大会の勝因は・・・

・優秀なパイロット(運転手)が乗っているから・・・
・朝から「とんかつ」を食べてカツパワーを充填したから・・・
など、いろいろあるのですが(すみません冗談です)

 

これまでの反省をコツコツと解決(改善)してきた結果です。この改善ですが、「花鳥風月」の場合は、極力ハード部分は変えない(変更)しないことがポイントです。(あくまでも「M&Y」も「花鳥風月」もハード屋ではないので)

よく、世界大会が終わったあとに、ロボットを解体して、次の年の為に一から作り直すチームがありますが、「花鳥風月」は、そういうことはしません。むしろ、そのまま流用できるのであれば、極力流用します。これまで、沢山の競技を実施して、沢山の反省点がありますが、それ以上にもっと沢山のうまくいった点があります。そのうまくいった点はそのまま残し、「反省点だけ」を改善してきました。

例えば、ある競技会で、100点満点で20点分の不具合があったとします。(つまり80点分はうまくいった部分なので変えてはいけない・・・)だから、80点を変えないように20点分の不具合を改善します。(その20点がプログラムの修正で済むのであれば、極力そうします) そうすれば80点分は新たにテストをする必要がありません。もし、20点分を改善するために、一から作り直すと、もう一度すべてのテストを漏らさずに実施する必要があります。こうすると、これまでの成功した経験が活かせません。(継承されません)

M&Y」「花鳥風月」のロボットは、2010年に初めてレスキューBに参加したときから、基本的な構造は変わっていません。このロボットで「うまくいく」という経験を積んできました。

レスキューBは、比較的新しい競技ですが、やっぱり毎年ルールの変更があります。しかし、迷路の中を進んで被災者を発見するという基本的な動作は変わりません。2014年ルールでレスキューキットを配布することになったのが比較的大きな変更ですが、「花鳥風月」は、ごく小さな変更だけで対応しました。

 

でも、その短い歴史の中で・・・様々な反省があります。

2010年は温度センサーが片側に1個しかなかったので、折角被災者の前を通ったのに発見できませんでした。
2011年は高さの違う被災者を発見できませんでした。
2012年は交差点で壁に接触すると、進む方向が変わってしまいました。
2013年は斜めのスピードバンプで進行方向が変わってしまって迷路を抜けられませんでした。
2014年はせっかく落としたレスキューキットが被災者の近くに行かなくて得点になりませんでした。

これらの、トラブルの原因を突き止め、改善をした結果が2015年の「花鳥風月」です。

このロボットはレスキューBの歴史とともに蓄積した、経験やノウハウを活かして今に至っています。

 

で・・・今回のジュニア・ジャパンオープンの競技を見てみると・・・

やっと、理想的な動きができてきた感じです。

理想的な動きって・・・2012年に見た渋幕軍団のマイクロマウステクノロジを搭載したロボット群です。そのときに見た「こりおり」「くーぱー」のロボット達が迷路の中をスムースに進む様を見て、驚きました。「90回転もビシっと決まって」「直進もスムース」「正に、レールの上を動く電車のよう・・・」「マッピングも完璧」渋幕恐るべし・・・

(マイクロマウステクノロジなので、迷路抜けは完璧ですが、障害物に弱かった・・・笑)

そのころの「M&Y」はカクカクした動きで、やっとマッピングができるようになったところでしたので・・・

 

2015年の「花鳥風月」は、迷路の中を探索するという基本動作が「綺麗に」できるようになりました。ちゃんと左右の壁の真ん中をスムースに進み、上り坂、下り坂でもふらふらしない、90度の回転も一回でビシっと決まる・・・3回目の競技で最後だけ壁に触れてしまいましたが、それ以外は壁にも触れずに危なげなく競技を終了しました。

これこそ、これまでに蓄積した経験が活かされた競技だったと思います。

得点は 600-650-650点で合計1,900点でした。(パーフェクト!!)

勿論、優勝です。(2位との差は795点、3位とは960点です。)

 

まあ、まだまだ反省点はありますけどねぇ・・・

コメント
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