鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

蚊が少ないような気がする夏

2010-08-09 06:08:49 | 日記

 猛暑のなか、また鎌倉方面へ。

 今年は出遅れてしまい、オトシブミをたくさん見ることができなくていまだに未練がましく木の葉を見あげて歩いている私ですが・・・・・・

 

 このルリオトシブミだけは、たくさん見ます。

 4ミリくらいと小さいのに、イタドリの葉を穴だらけにする大食漢。虹色の金属光沢のある黒々とした体に短くてしっかりした鼻先をもち、小柄だけどがっしりした体格の男性を思わせる。ルーペでみると・・・・

頭部にうねうねとした彫り模様があり、第一印象よりもシャレモノです。

 

  クズの葉にいたのが、オジロアシナガゾウムシ。黒と白の模様がパンダっぽいので、私はパンダゾウムシと勝手に呼んでいる。1センチ以上ある大き目なゾウムシですが、どことなく行動がもたついていて、憎めない感じ。

 ゾウムシ定番の「しがみつき」スタイル

 

 横顔は、象も納得の立派な鼻が特徴

 

 交尾はこんな感じで

 

近寄ると、ころっと落ちて、お得意の死んだふり。

 

そのまま眠くなったのか、ごろごろ。

 

 あれっ!これはもしやトリノフンダマシでは。

ずっと見たかったクモです。基本的に夜行性らしいので、なかなか見るのが難しいのですが、きょうは昼間から葉の表にいました。 大きさは5ミリ。

 ええっー、こっちにも、また違う種類が!

 トリノフンダマシは、名前のとおり鳥の糞に擬態しているクモで、したばかりの糞のように体表がぬれっとしています。これがチョコチョコ動く様子は、なかなかキモカワイイ。

 このクモのようにフンそのものに擬態したり、フンを背中にしょったり、体に塗りつけたり・・・・と虫はフンがらみの擬態がけっこうある。ということは人間以外の生物たちも、フンを見ると「フンッ、なんだフンか」、と思うということなんだろうなあ。

 2種類もトリノフンダマシを見ることができて、きょうはなんていい日だろう、とさらに歩いていると、ストライプ模様がさわやかな、かわいいハムシに出会いました。

 きりっと小粒で、粋な縞模様の装いが涼やかな江戸小町といった感じ。

 

 いっぽうこちらは、いつも正装しているというのでテレビにも出演したことがあるラミーカミキリ。

汗まみれの人間のそばで、きょうもきっちりタキシード風の正装で決めています。

 

 このふさふさした羽飾りのようなものをつけているのは、ハゴロモの幼虫。

まるでオシリに孔雀の羽を飾ってふりふりしている宝塚歌劇団のダンサーのよう。

 そして、これは???

この意味がわからないほど変わった形のものは、イノコズチカメノコハムシ、というハムシの幼虫でした。成虫になるとピンバッヂのように平べったい体をしたカメノコハムですが、http://members.jcom.home.ne.jp/0822894712/kamenokohamushi.htm

幼虫はこんな形をしています。 ああ・・・・・・不思議すぎるこのカタチ。

 バッタは苦手目の虫ですが、この半透明のミント色のバッタには目をうばわれました。脱皮したばかりなので、こんなきれいな色をしているのかな?

 

 横じまの胴体に水玉の翅というファッショナブルなカノコガは、 交尾姿もどこか美しくて。

 ところで、きょうも3時間くらい、木や草のある場所を歩き回ったのに、一度も蚊に刺されなかった。もちろん虫除けスプレーはばっちりしているけれど、それでも例年に比べ、今年は蚊が少ない、と思う。春の低温のせいか虫も少なめな感じだけれど、覚えている限り、もっとも蚊の少ない夏なんじゃないか、という気がしているのは、わたしだけなのか、それとも虫除けスプレーの性能が年々進化しているのか・・・・・・どっちにしても虫目歩きにはありがたいことです。


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