鈴木海花の「虫目で歩けば」

自然のディテールの美しさ、面白さを見つける「虫目」で見た、
身近な虫や植物の観察や飼育の記録。

夏は終わっても、虫さがしは終わらないのだ

2012-09-02 18:10:20 | 日記

 ルリボシカミキリ。ハッとする青。





 夏休みも終わり、暑さは残るものの、季節はもう秋となりました。
8月はセミ、カブトムシ、クワガタなど大き目の花形昆虫を探すにはいいけれど、
それより小さい虫を見るには、ちょっと暑過ぎて不向き。
野外を歩くのが気持ちいいこれからの時期は、5,6月と並んで
一年のなかで虫さがしになかなかいい季節です。

 8月の末には、猛暑の合間をぬって、いつもより短めの時間で虫さがしをしました。





クサギカメムシの成虫と、2齢くらいの幼虫。
成虫は羽化したばかりなのか、傷一つないきれいな体をしています。





大好きなカラスウリの葉っぱを食べるクロウリハムシ。




このまあるく葉を齧って食べるにはわけがある。
カラスウリの葉は、虫に食べられるのを阻止するために、
食べられそうになると苦みやべとつく粘性の物質などの、摂取阻害物質というのを出します。
この物質を遮断するためにクロウリハムシは、
食べる前にまず葉に傷をつける。
このクロウリハムシの行動を、トレンチ(溝の意)行動といいます。

 クロウリハムシがまあるく葉に傷をつけると、
その部分から白いゴムのような物質がにじみ出てくる。
これが摂取阻害物質。
そして、これがかたまったころ、クロウリハムシは
その輪ゴムのような物質の内側の、苦くない部分だけを食べるのだ。
(ちなみに、ある人がカラスウリの葉がどのくらい苦いのかと食べてみたら・・・・
まったく苦く感じなかったそうです。人間とクロウリハムシの味覚の違い?)





ミカドフキバッタは、入れ歯が自慢?





アザミの花にヤマトシジミのオス2頭。




足元を見ると、モンクロシャチホコ。
頭部にはつやのある白い毛が密生している。




なんだかとっても穏やかな表情のコチャバネセセリの、これはオスかな。






きらっと、青く光るのはマダラホソアシナガバエ。6ミリ。





気持ちよさそうに葉にとまったツマグロヒョウモンのオス。
南国のチョウだったのに、すっかり関東に溶け込んでいるもよう。



薄い色の目が、なにやら狂気っぽい。






つぶらな瞳がかわいいコフキコガネ。





銀色の地に濃い茶のスジ模様のオオシロカネグモ。




このくっきりした3本の褐色条は、刺激を受けると太く変化するという。






キバラヘリカメムシ。



横から見ると、名前の由来が納得できる。
チャコールグレイと黄色の配色が美しいカメムシ。



そばに5齢幼虫もいた。




 
 9月30日には、山梨県のオオムラサキセンターで
女性の虫好きのための、観察会と講演会の計画が進行中。
詳細が決まり次第、お知らせします!