日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

オバマが起業家を潰す?

2009-06-10 | その他
という刺激的な名前の記事が日経ビジネスに掲載されていました。

・オバマ政権が、民間金融機関の監視を強化する政策提案を公表したが、そこには銀行やヘッジファンドなどに加えて、ベンチャーキャピタルの資金活動を政府機関が監視し、米証券取引委員会(SEC)への登録を求めることが盛り込まれていた。

・ベンチャー企業が上場した際に、ベンチャーキャピタルが受け取る成功報酬について「キャピタルゲイン扱いをやめ、通常所得として課税する」案も政府で議論している。これが通れば、2倍程度の大幅な増税につながる。
⇒確か、キャピタルゲイン課税だと15%程度、所得税だと30-34%だったと記憶しています。これは、VC事業が投資をして、投資先の株式公開、またはM&Aで売却した時の利益獲得が目的の事業主体として考えれば、本来所得税扱いにすべきかと思います。

 まぁ、その場合、投資家のリターン(見込み配当金)が減るので投資家にとって魅力が減るという事になりますが、証券投資全てに適用するならば、大きな影響があるのかな?とも思います。税制の違う海外に逃げるとか色々出てくるでしょうけど。

・全米ベンチャーキャピタル協会(470社加盟)で4月まで会長を務めたディクソン・ドール氏(投資会社DCM代表)は猛反発しており、VCとその他の投資ファンドは別だと主張する。

・大手ベンチャーキャピタルは、投資家の匿名性を保つことで、膨大な資金を集めてきた。シリコンバレーでヤフーやグーグルといった急成長企業が育ったのは、豊富な資金が支えた面も大きい。そこに情報開示や課税の規制がかかると、投資意欲が落ち、経済成長のエンジンを減速させかねない。

・特に今、米国のベンチャー市場は金融危機の影響などから低迷している。2008年のベンチャー企業の新規上場はわずか6社。今年に至っては、レストラン予約サイトを運営するオープンテーブルが上場した5月まで、上場企業が出ていなかった。「規制強化は低迷を長引かせる」(ドール代表)との危機感は強い。

・今後オバマ政権の主張する、環境関連の産業を育てる「グリーンニューディール政策」に対しても、資金供給を絞ると、その芽を摘む可能性がある。「投資効果の見込みが難しい環境関連には資金が集まりにくい」(シリコンバレー在住のコンサルタント、渡辺千賀ブルーシフトグローバルパートナーズ社長) http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090528/196032/

 て内容ですね。

 VCって本来は非常に重要な機能を持つ存在だと思います。日本ではバブル崩壊中の1995年頃からその存在が話題になるようになっていました。バブル時代はいくつかのVCは実は不動産融資とか不動産会社への投資が多くて消えちゃった所もあるんですけど。

 でも、日本のVCって大半は歴史が10年程度なんですよね。その間にネットバブルがあり、ネット系への投資が色々あり、そしてネット関連やバイオ関連の企業が株式公開したら、何時の間にかVC事業を展開してしまった。

 ハイテクベンチャーと、サービスモデル系ベンチャーで投資手法とか当然変わってくるのですけど、その辺の区分が明確なのかな?ハイテク系になった場合その技術と市場ポテンシャルを見れる人って、日本のVC業界を含む金融業界に人材は何人いるのだろう?アメリカのVCの成功話のみ話題になり、その形だけを真似したVC系って沢山見聞きしました。最近多少掃除されていますけど。

 政府系VCって本来重要なんですけど、その投資姿勢がかなりルーズだというのは業界では有名になっており、不良資産の山を築くだけとも聞いています。

 本来きわめて重要な存在ですけど、まだまだ日本のVCは中途半端なんじゃないかな。もちろん例外はいるでしょうけど。

 そして、投資を受ける側の姿勢もどうなのかな?アメリカでは、事業に失敗しても再生が簡単だといわれています。デモ、四敗した事業家の復活事例はメディアに出るんですけど、復活しなかった人がその後どうなっているかって言うのは、全く表に出てこないですよね。

 日本で自分が実際に見聞きした例では、自分の研究開発を進めるために詐欺に近い真似して投資を受けた所が有りました。でも類似した話は90年代にも聞きました。投資を受けたお金を全てその研究開発に使うならよいんですけど、全然ピンとはずれな事に使ったり、酷い場合は銀座で使いまくったり。企業家といいながら、会社が赤字の癖に、投資を受けたお金で年収1500万円とか確保している企業家って結構いるんです。

 最近は日本のVC投資の契約条件の中に、投資株式の買い取り条項が盛り込まれて、融資と変わらないと零す人が沢山います。確かに、それはその通りで、何がVC何だという気もします。

 でも、投資を受けた方々に上記のような方が沢山いる限りやむを無いですね。銀行を含む金融機関から借り入れができないから、その分VCが融資していると考えても良いと思うんですよね。融資であろうと、投資であろうと、他人様のお金を使って自分のやりたい事をやるんです。

 其処には、何らかの責任感という物が必要ではないかと、古い日本人である私は思います。もちろん、最終的に事業に失敗して返済を迫られる事もあるでしょう。そして自己破産という路を歩まざるを得なくなるかもしれません。

 問題は、社会としてそうなった企業家を救済できるかじゃないのかな?一生懸命頑張った人ならそれなりに、企業に入っても何か貢献できる物を持っている筈なんですよね。

 でも、どうかな。2000年以降ちょっとVC投資という物が、不必要なまでに安易になっていたと思います。無事に公開できた企業を含め、感銘を受けるベンチャー経営者って少ないような気がします。何故なんでしょう。

 「商売は10銭で買って、11銭で売ることだ」と松下幸之助さんが仰っていたそうですね。本当にそうだと思います。10銭で仕入、製品を作る。11銭で作った物、買ったものを売る。その為にマーケティングや、製造管理その他様々な経営手法があるはずなんです。でも、こういう基本を理解しないで、綺麗な言葉だけに踊らされている方が何と多い事か。

 商売は綺麗事じゃない、絶対に利益を生まなければならない。そして、成長を続けなければ商売は永続しない

 と硬く思います。

 まぁ、自分がそうできるかは置いといてなんですけど。。。言うは安く行うは難しなんですよね。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中国副首相、品質管理「日本... | トップ | 中国人は自然、韓国人は都会... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

その他」カテゴリの最新記事