日中越境EC雑感

2008年に上海でたおばおに店を作るところから始めて、早もうすぐ10年。余りの変化に驚きの連続

息子の転校と移民問題

2017-06-22 | 日本・日系企業

日本では、少子化問題とそれに伴う若年労働者の不足から、移民受け入れの検討が色々な分野で行われています。移民については国内でも賛否両論、どちらかといえばネガティブな意見が強いように思います。

最近でもフィリピンから介護人材にとどまらず、家政婦さんを受け入れるようになったという報道をテレビで見ました。

 

現実には特別永住者を含めると現在日本に滞在する外国人は約230万人。永住者と特別永住者を合わせるとうち100万人になります。人口比でいえば1-2%。

そして、近年国際結婚比率は下がってきているようですが、それでも結婚の中に占める国際結婚比率委は3%もあります。最近もダルビッシュ選手をはじめ、陸上のケンブリッジ選手、テニスの大阪選手、サッカーの酒井選手、大相撲の高安関等

スポーツの分野で活躍する混血の子は増えているように感じます(そういえば大鵬関も混血ですね)。

 

まぁ私自身としては、遺伝子の発展を考えれば私や妹同様国際結婚は悪いことではないと思いますし、移民も必要なら受け入れるべきだとは思うのですが、一方で業務を通してみる限り無差別な移民受入には反対ですし、日本では簡単に移民受入なんて言えないよと思います。また、気軽にそういう話をされる方についても、その本音はどこかに疑問を持っています。

2年半前に帰国してから私は単身で、愛媛の松山、大阪、そして今の千葉の新浦安と移動してきましたが、その間に息子と娘を体験入学という形で居住地の学校に受け入れてもらいました。最終的にこの5月から息子だけ新浦安の学校に転校させていただいております。

 

なお、私自身が小二と小四の時に転校した経験があり、正直自分自身の人格形成に大きな影響があったと思っています。まず息子が最近経験したことを記しますと。

 

息子は転校早々二人友人ができ、毎日遊びに行っている。上海で経験できなかった事なのでとても安心している。

先日私が不在時にそのうちの一人の家による8時までお世話になって食事もいただいたという事でお礼に訪問したところ、先方のお母さまから「ずっと遊んでくださいね、という言葉をいただき素直に感謝と共に違和感があった。

後で息子から聞いたら、その子は学校でいじめられて一週間くらい不登校になったことがあるらしい。もう一人の友人は昨年夏までは上海日本人学校でクラスは異なる」が同窓生。レスリングの関東大会で優勝するなかなかイケメン子なんだけど、その子も転校してからいじめられたとの事。

まぁ息子は上海でも浮いていたし、俺と異なり性格が優しいのですごく心配をしていたのだが、いじめられっ子3名が仲良くしているんだ。たった50人程度、二クラス、半分は中学受験をする環境だからまぁもうそれなりに存在感があるのだとは思う。

まぁ僕も小学校2回転校し、今でいえばいじめなのだろうか、とにかく毎日のように喧嘩をしていた記憶しかないのだけど、やっぱ日本は子供の世界でも外部からの流入者には厳しいのかな。この辺は新興住宅地で比較的親の所得レベルとかは同質だし、転校転入も多い(今年の6年も息子で3人目)ので平均よりは部外者受け入れになじんでいるはずなんだけど。

 
子供の発言のいじめという言葉が、メディアなどで取り上げられるいじめ問題のいじめと同じとは思いません。ちょっと変わった子、外からの新規参入者、まぁどこに行っても異分子として扱われるのは人の世の常だと思います。不登校というのも、そこまでひどかったのか、その子や親に問題があったのか、その場で実際位見極めないとなんとも言えないと思います。この学校に関しては、息子曰く、進撃の巨人に出てくる巨人みたいな顔をした子供がいる。でもいつも先生がそばにいて守っているという話をしておりましたので、おそらくその子の容姿は病気から来るものでしょうし、学校としてもちゃんとケアをしているという事でまぁ常識的というか、僕らの時代に比べればずいぶんと対応が良くなったのではないかと思います。
 
 
が、この異分子に対する対応に関しては、私自身も広島から東京に転校した経験、社会に出て転職したときの経験、30代後半から20年近く米中韓に滞在した経験などを踏まえて考えると、日本は特に異文子アレルギーが強いと感じます。まぁ、狭い国土の平地に人口が密集した島国ですし、わずか100面前までは小さな藩という準国家がたくさんあったわけですから、やむを得ない気質とも思います。母の強度でもある松山を含め仕事で地方の方と接しますと、必ずあなたは○○のご出身ですかと聞かれます。そして違いますと答えると、そこで一気に距離が開くようにも感じます。東京や大阪ではそういう経験はありませんが、たまたま以前からの知人のいた大阪でもやはり仲間内に入るか外かで随分と対応が異なるとの事。東京はさすがによそ者が集まった街ですので、地元意識は希薄ですがそれでも転職や転校、いや社内の転勤で新たな組織になじむところで苦労されたことがある方は結構いらっしゃると思います。
 
私自身の過去を思い前しますと、小二から小4までの学校では、ほぼ毎日のように喧嘩をしたり、漫画のようですが同級生の兄を含む上級生3人に体育館に呼び出されて殴られたり、正直ろくな思い出がありません。小4からは中学卒業まで同じ学区の学校にいたこともありだいぶ様相は変わりますが、転校時点ではやはり同じようにけんかばかり。こちらが強いと思われると5人がかりで両手両足を抑えられて殴られたりしました。まぁ7年もいると子供の世界で、あの時はこうだったよな、汚いよ、などとかわいい思い出話で終わって適当に仲良くはしていましたが、思い返してみるとひどい話だったなぁとも思います。転職や転勤も日本企業同士だとなかなかに難しく、一定の年齢とポジションを伴った場合はこちらから呼びかけることでまだ入っていけるのですが、下っ端だった最初の転職だけは未だに公開しています。
 
私の場合海外に接したのは、35歳で外資勤務、38歳でアメリカ、それ以降は日本企業に属しながら韓国を経由したのち2004年からもっぱら中国にいたのですが、こちらが年を重ねたこともありますが、様相はだいぶ異なるというのが正直なところです。中国や韓国は同じアジアの国であり、日本という国の地位が高いのでその分割り引く必要がありますが、それでも日本に比べれば転職というのが当たり前の世界です。日本は近年だいぶ状況が変わってきたと思いますが、なぜこれほど転職が少ないのだろうと思います。もちろんその背景には、会社のブランドが確立し、会社の名前や役職=その個人の価値という概念や、年功序列式給与制度や、社会保険制度などで同一組織にいたほうがメリットが多いという事はあると思います。
 
ですが、それに付け加えて外部からの参入者に対する組織的な防護意識が極めて高い民族なのではないかと思うところもあります。アメリカや中国などでは、外部人材についてはまずは受け入れるだけ受入、やらせてみてダメならさっさと切り捨てる。まぁ結果オンリーに近い文化がある。一方日本はなんでも和気あいあいと皆一緒になって進めていこうとし、それが美徳とされる。絆とかのスローガンを見るとどうにもそういう意識が強いなと思わされます。逆にその絆の中に入ってしまうといごごちが良い、優しく温かい世界だなと。
 
この最後の部分は、近年の日本の大企業における経営問題などの一面は解き明かせるように思います。、一度組織に入り同じ釜の飯を食った人間同士はお互いに傷をつけ合うようなことをしてはいけない。そしてそういう仲良しこよしの組織として目標に向かって一丸となる。そして組織のリーダーは目標を立てて皆を走らせるタイプではなく、まずその組織を仲良くまとめることができる人がなる。概ねオーナー企業以外はこういう組織が官民問わず多いのではないでしょうか?近年急にこのような組織になったのではなく、昔から日本ではこういう形態の組織が作られていたのではないかと思います。そういう意味では天皇陛下がその代表ですが、旧藩主家、オーナー家などがお飾り=バランサ-として組織の長にある方がまとまりが良いのかもしれません。人で作られた組織という表現ができると思います。
 
一方アメリカの民間企業では、まず組織として結果を求める人材を要求し、その結果を出せるか否かで組織に適合するかどうかが問われる。あくまでも組織が第一であり、組織の機能の一部として使えるか使えないかが個人の存在意義になる。
 
 
正直どちらが組織と個人の在り方として良いのかを論じてもあまり意味はないと思います。それは受け止める個人の意識の中の問題であり、選択肢があるならばいずれかを自分で選ぶとよい。正直私にはアメリカ型の方が性に合うのですが、それは日本人としては若干ずれているともいえるでしょう。
 
さて、日本人ですらこのように思うのですから、外国人はこういう社会に来た場合、このような社会になじめる人となじめない人が必ず発生するはずです。で、おそらくなじめない人の方が比率的には高いのではないかと思います。フィリピン人メイド受け入れに対する意見をテレビ報道で見る限り、言葉が通じない、もしくは全くの部外者だから家庭内の会話などで気を使う必要がないという意見がありました。ここは私も同意することで、日本人同士の噂話などで家庭内のことが外に漏れるのは日本人としては懸念するのでしょう。でもそれってその家政婦さんはあくまでも外国籍一時滞在者だからだよね?もしその人が完全に日本社会になじんだらどうするの?と思います。
 
 
若年層労働者がいないから移民受入。こういう主張をしている人も多くはこの程度なのじゃないかと思います。確かに閉塞した日本社会において、文化の異なる外国人が増えて池袋のチャイナタウンの様にベトナムタウンやタイタウンなどができれば、私的には面白いし遊びに行くと思います。でも圧倒的多数の日本人は、表に出さなくても陰湿に避けるか嫌うのじゃないのかなと思います。
 
日本でも海外通という人が結構います。でも数的には多くは海外に旅行に行ったり、2-3年滞在しただけ。正直まだお客様扱いの段階で終わっています。私の少ない中国経験でも、日本向け、日本人向けの経験と、中国人向けの経験では体験したことがあまりにも異なります。現地に留学し現地採用で働いていた日本人と、駐在で赴任した大企業派遣者とでは見る世界も全く異なるでしょう。そして私が見る限り意見の大きい移民受け入れ派の多くはこの表面しか見ていない人が多い。つまりリアル、ファクトを見ていない人が多いと思う事です。
 
少子化による人不足は確かに大きな課題でしょう。でも日本の組織や社会を徹底的に見直しタラ、多分違う問題が出てくるだろうと思います。移民受入は必要かもしれない。でもどういう人をどの位、どうやって受け入れるのか、もっと議論が進むことを望みます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 米空母ロナルドレーガンのス... | トップ | AIが政治や経済を救う時代が... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本・日系企業」カテゴリの最新記事