起業家の本質英治出版このアイテムの詳細を見る |
今回の旅行中に読んだ本です。For Entrepreneurs Only, 起業家だけが読め、と副題がついていますが、VCとか金融系の人も読むべき本ですね。
本書の中で起業家とは、所謂中小企業のオ-ナ-ではなく、自己実現の為に、常に急成長を目指し、仕事本位のハ-ドワ-カ-という提議がされています。著者がインク(1990年代後半、ベンチャ-企業の紹介をしている本としてアメリカではネット企業仲間に読まれていました。2000年のネットバブル崩壊で、本が年々薄くなってきましたが、まだ日本の洋書屋にいっても見れます)の発行者ですが、元々は自分で代理店事業を展開していたそうです。
起業から、会社の成長過程における起業家(経営者)に求められる能力、それにどう対応するかなどが書かれており、興味深いです。解説にも書いていますが、日本に関しては随分ネガティブな考えを持っており、一方中国人は将来の企業家と高く評価しています。初版が90年代初頭に発刊されていますので、日本の将来に対する予測は正しかったのですが、個人的に嫌な思い出をしたのですかね?
また、今後伸びる分野としてアウトソ-シングが挙げられていますが、アメリカにおけるインドへのオフショア業務が急拡大した事を考えると慧眼と言わざるを得ません。
尚、起業家を買収できるか、という項目があり、私自身が直面している問題の回答が提示されています。できるわけないんです。起業家の提議の中で、こういう人材は世界でもコンマ数%しかいないとかかれていますが、所詮サラリ-マンと自分で事業をしている人には大きなギャップがありますし、特に本書で提議されるような起業家の会社を買収したところで、起業家自身の心を買えるわけがありません。といっても日本人には理解しがたいかもしれません。義理だ人情だの非常に古臭い考えかたを未だに抱いている人が大企業には多いのですが、そんなのんびりした事いってたら、食われちゃいますよね。
私自身は結構若くは無い年齢になってしまいましたが、本書を読むとやはり刺激を受けます。超大企業で安定した生活を送るのであればそれはそれで割り切れるものもあると思いますが、中小企業や現地採用的の不安定な身分だと、雇われ仕事を続けるよりはやはりチャレンジをすべきだろうと感じました。