モウズイカの裏庭2

秋田在・リタイア老人の花と山歩きの記録です。

君は甑山を見たか。

2024年03月16日 | 甑山・神室・禿岳

昨年末から秋田や近くの山の姿形について順次語っている。
岩手の次は山形。
山形との県境に甑山(こしきやま)という低山がある。
ご覧の通り、とても面白い姿をしている。

2022/10/16 男甑の急坂(胸突八丁)から望む女甑山



この山は登らずに、下界や途中から眺めているだけでも面白い。

その筋の写真も貯まって来たようなので、
ここらで発表陳列してみようかなと思う。

ところでこのお山について語った書物はほとんど見かけないのだが、
ウィキペディアには割と詳しい解説が載っていた。
しかもよくまとまっている。
今更私など非AIが駄文を生成してもしょうがない。
許可は得ていないが、一部を引用させて頂く。

甑山は、秋田と山形県境にまたがる丁岳山地の東端部に位置している。
江戸時代に矢島藩、本荘藩、亀田藩の各藩が交通の要衝としていた
矢島街道(殿様街道)・甑峠のすぐ南方に位置している。
甑峠は各藩主が参勤交代の折に往来していた。
山域全体が急峻な岩場を抱いた2つの岩峰の
男甑(おこしき)、女甑(めこしき)からなっている。

両山の鞍部は甑コルと言われていて、この甑コルを通じて両山に登ることができる。
男甑山頂には二等三角点があり標高は981.3m、
東南面の谷は峻険なスラブ状の岸壁をなしており、

その先に男甑のシンボルである烏帽子岩が立っている。
女甑山頂は標高974mで、男甑の方がやや標高が高い。ともに周囲の展望はきわめて良好である。
甑とは米を蒸す木桶のことで、山の形から名付けられたと考えられる。
また、男甑には・・・。

参考マップ 



甑山は秋田山形県境の奥深い地にあるので、山麓の平地からその姿を望むのは難しい。

しかしその姿は冒頭でも述べた通り、面白いので、少し紹介してみることにした。
私が知る範囲で、低地から望める場所は南側の新庄市の郊外くらいだろうか。



しかしここからは遠く小さくて見つけにくい。

比較的近くで見えるのは湯沢市の南部からだが、
マップからもお分かりの通り、かなり限定的なエリアでマニアックな角度だ。

以下、この辺りから見た甑山を四枚連ねてみる。

2016/02/12 雄勝小町インター付近から。



2014/04/01 湯沢市相川地区から。



2019/05/18 湯沢市相川地区から。



2022/10/16 道の駅おがち「小町の郷」付近から。


フタコブラクダのような山容は特徴的でよく目立つ。

私だけかもしれないが、
右側の女甑の方はゴリラの横顔のようにも見えていつも笑ってしまう。

もっと近くから眺めたいが、
この山は院内の方に向かうと、さっさと前山のかげに隠れてしまう。

再び、姿を現すのは、県境を越えて山形に入ってからだ。
ここは低地ではない。
及位(のぞき)の駅や集落を越え、
古い方の国道13号線、主寝坂の峠道を登って、もうすぐで主寝坂トンネルに入るという辺りだ。
右側の杉林が途切れた場所から、一瞬だがほぼ全容が望まれる。

2018/01/20



男甑をクローズアップ。よく話題になる烏帽子岩らしきものが見えた。




甑山の解説を再開。

また、男甑にはシンボルとなる烏帽子岩があり、
女甑には女陰のごとき「赤穴」があり、男女の名の根拠となっている。

赤穴は現在は樹木に覆われ見えなくなっている。

烏帽子岩とは⁉

男甑山頂から見た烏帽子岩
 


(右上)男甑の急坂(胸突八丁)から望む女甑



赤穴が見えないかと女甑をクローズアップしてみる。




う~ (´π`;)残念。赤穴らしきものはやはりわからなかった。

ウィキペディア解説には、赤穴に関して興味深い記事も有った。
ほぼ全文になるが、抜粋してみる。

修験道は栄えていったが、修行者を騙し金品をゆすり取る俗僧や、
強盗目的で修行者を殺害する輩まで現われ、
執権北条時頼が当地を訪れ閉山を言い渡したという言い伝えが残されている。
甑山での修業は女甑の赤穴に安置された秘仏を拝むというものだった。
修行者は二十七日の断食の後険しい山によじ登り、
鎖を伝って岩場を渡り、最後は命綱で逆さ吊りになって、

断崖にある赤穴の中を覗かなければならないという、命がけの荒行であった。
見事「覗きの行」を修めれば、修行者はより高い行者の「位」を得る。
これにちなんで覗きの行によって「及第」した位は「及位」と書いて
「のぞき」と呼ばれるようになり、

やがて修行の場となった山の付近も「及位」と呼ばれるようになったと言われる。

南山麓にある及位(のぞき)の地名の由来は斯くも深甚なるものだった。

2015/04/09 右手前に突き出した山は前森山(785m)。



2018/05/27 新緑期の甑山



2018/05/27 新緑期の男甑



2017/10/14 紅葉期の男甑、モルゲンロート



2017/10/14 紅葉期の甑山



2016/10/27 晩秋の甑山と前森山



珍しく冬場のモルゲンロートも有った。

2024/02/17



甑山は笹子(じねご)峠(由利本荘市)からも見える。
ただしここは低地ではない。

今まで見て来た甑山よりも優しそうな雰囲気で
男女の配列が逆になっている。左が女甑、右が男甑だ。


2021/04/11 



2022/04/24



同じ場所から丁岳(ひのとだけ)も見える。
丁岳(1146m)は丁山地の主峰だが、

極めて奥深い地にあるため、その姿を見ることは至難の業だ。
笹子峠はこの山の姿を間近に望める貴重なポイントだ。

2013/05/10 笹子峠から見た丁岳



2021/04/11 笹子峠から見た丁岳



甑山、丁岳、どちらも見えにくい山々だが、
出羽丘陵の保呂羽山(横手市)に登ったら、ここからは並んで見えた(詳細はこちら)。

2021/11/30 保呂羽山山頂から見た甑山、丁岳。



以上。


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2 コメント

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Unknown (ミルク)
2024-03-16 12:11:21
この山は、一度しか登ったことがなく
名前の由来など、知りませんでした(;^_^A
修験の山とは、思いましたが、逆さ吊りとは@@
男甑から逆さづり、考えただけで、うう~怖い怖い。
何度も、行っているんですねぇ。さすがです。
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ミルクさんへ。 (モウズイカ)
2024-03-16 15:30:43
コメントありがとうございます。
甑山に関するウィキペディアの解説は素晴らしいものでしたね。
甑山は眺めも素晴らしいし、山麓のブナ体も奇麗です。
何度でも行きたいのですが、途中の林道が悪路なのでクルマが心配です。
ところで今年の三月は天気好くないですね。
今日は貴重な晴天日なので、家内を連れて福寿草山に行って来ました。
まあまあの開花で、他にもお客さんけっこう来ておりました。
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