みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『サンバ』観ました。

2016-01-29 16:00:00 | 洋画
2014年:フランス。 監督:エリック・トレダノほか。 WOWOWからの録画。
ヒットした『最強の二人』(2011・仏)に続いて同じ監督・主演俳優のコンビで作られた佳作です。
役柄が違うんだから当然なんですが、オマール・シー演じる前作の ”陽気で行動的なキャラ”
とはちょっと違いますね。ヒロインはシャルロット・ゲーンズブールです。

 
ホテルでの豪勢な結婚式。             その裏方には多数の移民労働者が存在する。

セネガルからの不法移民、サンバ。コックを夢みて真面目に何年も働いてきたが
ある日いきなり当局に職場に踏みこまれて身柄を押さえられてしまう。当然仕事もクビ。

 
社会復帰の第一歩。移民相手の相談業務だ。     怪しげな連中が次々と相談窓口にやってくる。

一方、鬱病で長く休職していたヒロインのアリス。
徐々に社会復帰を果たすべく移民の相談業務から仕事をはじめる。
先輩職員からは「相談者との必要以上の接触はダメ。結局困るのはあなた自身。」
そう釘を刺されたはずだがサンバとはそこで顔見知りとなり、だんだんと親しい仲になっていく。

 
不法移民の収容施設で時間をもてあますサンバ。   なんとか正式な移民として滞在を認めてほしい。

なんとか正式に移民として滞在を認めてほしいと当局に訴えるサンバ。だが結果は国外退去処分。
そうなると当局の目を避け、非合法な身分を隠して何とか働き口を探し生きていくしかない。
アリスもサンバのそんな過酷な状況を知らないわけではないが、やはり当事者ではない彼女
には解っていないことも多い。

 
不法移民どうし助け合ううちに親友となる。     窮状にあるサンバ。 だが何もかもは話せない。

当局から逃げまわり、名前も何度も変え様々な仕事につくうちに、サンバは自分が何者なのか
自分にさえ曖昧になっていき、ついに気持ちの上で限界を迎えてしまう。
「これ以上、この国にはいられない」。
アリスに別れを告げ、叔父とともに故郷セネガルに帰ろうとするサンバ。
いよいよ出発の時間が迫ってきたその時、物語は急な展開を見せる。
女の力は偉大だ!?

だいぶ以前から、不法移民の話を映画に取り入れるケースが次第に増えています。
それだけ欧州では社会的にも大きな問題になっているということでしょう。
ただフランスの場合、国の方針として比較的移民には寛大だと言われています。
そんな国でも現実には厳しい状況がある、ということでしょうね。

それと移民問題どころか、いま大問題になっているのがシリアから大量に
押し寄せてくる難民の問題。国そのものが壊れてしまいかねない勢いでの人口流入。
単純な人道主義ではとうてい解決できませんね。答えはなかなか見えません。