みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』観ました。

2017-09-29 16:00:00 | 洋画
2015年:英・米。 監督:ビル・コンドン。 WOWOWからの録画。
これは良さげな映画かな?という予感がして視聴してみましたが、当たりでした。
派手さは無いですが、晩年のホームズ老を味わいのあるタッチで描いていて、
雰囲気的には好きな作品ですね。

 
すっかり田舎暮らしに馴染んで。         家政婦のマンローさん。賢いロジャーは彼女の息子。

現役から退いて、すでに年月が経過し、いまではサセックスの農場でミツバチを
飼う生活を送っているホームズ氏。
住み込みの家政婦マンローさんの息子ロジャーは賢い子で、なにかと彼の手助けとなってくれる。
かつてホームズ氏は、ファンだという梅崎氏によばれ日本を訪れたことがあった。
記憶力の増進に卓効があるというサンショウを贈られるが、梅崎氏の本意は別のところに。
「駐英外交官だった父は、生涯日本に戻らなかった。あなたの忠告がそうさせたと聞いている」
と責められる。だがホームズ氏は梅崎氏の父親に関する記憶を思い出すことが出来なかった。

 
梅崎氏の要請に応えて来日したが....。      夫・ケルモット氏から相談を受ける。

すでに昔のことで詳細は曖昧になってきているが、彼に引退を決心させた最後の
アン・ケルモット夫人の事件が元助手のワトソン氏によって小説となり、それは映画化もされた。
だが映画を観て事実とは微妙に違っていると感じた彼は正確な記録を自らの手で残そうと決心。
しかし痴呆症の傾向が進行してきているホームズ老。
記憶をたどって事件のあらましを正確に記そうとするが、それは大変に難渋する。
初めは夫のケルモット氏からの依頼が発端だった。

  
気分転換のため、アルモニアの練習。       ホームズ氏はアン夫人を力づけようとするが。

流産により二人の嬰児を続けて亡くしたアン・ケルモット夫人。初めは妻の気持ちを
引き立たせようと夫はアルモニア(ガラス管構造の楽器)の練習をすすめてみた。
すると夫人は直ぐに異様なほどに練習にのめり込んでしまい、これではむしろ害があると
思い、ケルモット氏は妻の練習を禁止する。
また別の時は二人の亡き子と自分のために三つの墓石の準備をしてほしいと夫に懇願。
夫人の精神状態が正常ではないと判断してケルモット氏はその願いを聞き入れない。

 
亡き子たちのことが片時も頭を離れないようだ。  敗北感に打ちのめされるホームズ氏。

ホームズ氏はアン・ケルモット夫人を尾行。そして頃合いを見て彼女に近づき話しかける。
ホームズ氏は彼女の深い悲しみを知り、力づけようと説得する。
しかしすでに彼女の心は理屈や説得では動かないところへ....。
アン夫人の悲しい事件により、時には世の中、理屈や説得ではどうにもならないことが
有るのだと知らされるホームズ氏。そのことが”名探偵”引退の理由だった。

なかなか良い映画でした。そして終盤の締めくくりも”なるほど”と納得のいくものでした。
蛇足ですがホームズ役のジェフリー・ラッシュ氏、最近では『キング・オブ・エジプト』で
太陽神ラーを元気に演じています。
いまさらですが俳優さんって色んな役をこなすんだなあとちょっと苦笑い(^^;

『ダゲレオタイプの女』観ました。

2017-09-26 16:00:00 | 洋画
2016年:仏・白・日。 監督:黒沢 清。 WOWOWからの録画。
わりと評判作のようなので観てみました。
ですが、これは観る人によって評価の別れそうな作品だと感じました。

 
写真家エグレー氏宅を訪れる。          幸いアルバイトとして採用になる。

ジャンはアルバイト(カメラマン助手の働き口)に応募するため、エグレー家を訪問。
中途半端に写真を齧っている人間よりも、何も知らない素人の方が却って使いやすいと
いう理由でジャンは運よく採用となる。
応対に出た男が雇主エグレー氏を呼んでいる間、奥の方から人の気配がする。
見ると少し謎めいた女性が階段を上って行くところだった。

 
階段を上っていく謎めいた女性。         ダゲレオタイプカメラによる写真。

雇主エグレー氏はダゲレオタイプカメラによる独特な写真を個性とする写真家だった。
いまどき巨大なダゲレオタイプカメラを使用する職業カメラマンなどまずお目に掛れないが、
逆にそれが強い個性となって、今でもそれなりの人気を博しているようだ。
エグレー氏にはダゲレオタイプカメラこそが本物であり本来の写真だとの信念があるようだ。
ただし、その極端に長い露光時間に合わせるためモデルには長時間のポーズの固定が要求され、
そのためのさまざまな手法・器具などが必須という、恐ろしく面倒なカメラではあるようだ。

 
ダゲレオタイプカメラによる撮影。        マリーへ就職面接の通知がくる。

エグレー氏の妻の存命中には妻が、亡くなってからは娘のマリーがモデルを務めている。
ただ時にはポーズ中に気絶してしまうほどダゲレオタイプカメラのモデルは厳しい仕事なのだった。
それでもエグレー氏のモデルに対する要求には容赦がない。
ある時トゥールーズの植物園から就職のための面接通知がマリー宛てに届く。
彼女にとっては植物の世話をしている時が一番心が安らぐ時間。
できればパリから遠く離れたトゥールーズの植物園で働きたい。
父親のそばでモデルをしているよりも、その方がずっといい。

 
人生を語り合うジャンとマリー。         亡き妻の霊に怯えるエグレー氏。

同じ屋根の下で若い男女が惹かれあうのは自然なことだったのか。
ジャンとマリーはいつか親しくなり愛し合うようになる。
時にはカフェで将来や人生について語りあったりもする....。

中盤以降、物語にはお金の絡む生々しい要素が出てきます。
それと共にしだいにストーリーにスリラーめいた色彩が加わるようになります。
そこをあまり書いちゃうとネタバレになるので控えますが、
その部分をどう考えるかでこの映画への評価はかなり変わると思います。
ですが本作のストーリーには現実と虚構の境目に相当に曖昧なところがあり、
少し視聴者に判断をまかせ過ぎじゃないですかと監督に言いたい気もします(^^;

『キング・オブ・エジプト』観ました。

2017-09-23 16:00:00 | 洋画
2016年・米。 監督:アレックス・プロヤス。 WOWOWからの録画。
一部にこの映画に対して、アンチな意見の方が結構いらっしゃると聞きます。
実際にはどんなものかと思いつつ視聴しましたが、全く問題を感じませんでした。
だってコレって単純に娯楽として作られた映画でしょう。
白人俳優が多すぎるとか、過度に史実的な正確さなど求める方が間違っています。
嫌なら観なきゃいいだけの話ですから。
本作には色んな要素がまぜこぜになっていて確かにその辺はいい加減かも(^^;
でも娯楽作なんだし面白きゃ構わないと思います。
そんなことよりも、テンポよく仕上げられた面白い映画だと感じましたし、
その点が一番重要でしょう。

 
これは古代エジプトの神話時代の物語。      母なるナイルの流れ。

古代エジプト~神話の時代。この頃は神と人間が共存して暮らしていて、
その距離には非常に近いものがあった。

 
父王からホルス王子への譲位の式典。       国民からも盛大な祝福。

長く善政をほどこし、広く国民から愛されていた現王が引退。
代わりに王子ホルスが王となる。全国民が新しい王を祝福。

 
叔父セトは力づくで王位を奪う。         セトに恐れをなして周囲の者は皆ひざまづく。

そこに現れたのがホルス王子にとって叔父にあたるセト。
彼は実力で王位を奪う。いきなり王を刺殺。呆然とする王子。

 
セトとホルスは死闘を演ずるが....。       敵の矢を胸に受け絶命するザヤ。㊧ベック。

ホルスはすぐさまセトに挑んで死闘を演ずるが、なにせ若輩者。
場数を踏んでいる老練な叔父には叶わず、両眼を抜かれ哀れ追放の身となる。

さてホルスを自分にとっての最高神として熱心に信仰しているザヤ。
恋人のベックを焚きつけて王の宝殿の中からホルスの片眼を盗み出させることに成功。
しかし見つかって逃げる途中に敵の矢を受け絶命してしまう。
ザヤの死を受け入れられないベックは、ホルスを探しだして彼の神通力で彼女を
生き返らせてほしいと懇願するが....。

面白い映画でした。ただし観たあとに何か深いモノが残るかと
いうとそんなことは有りません。
逆に言うと難しいことを考える必要のない、肩の凝らない映画だと
いうことです(^^;
最後に、ザヤ役のコートニー・イートンが結構可愛いです。
『マッドマックス:怒りのデス・ロード』にも出てるらしいけど....
BD買ったまま塩漬けになっていますので確認できていません(^^;

『ゴシカ』観ました。

2017-09-20 16:00:00 | 洋画
2003年:米ワーナー。 監督:マチュー・カソヴィッツ。 WOWOWからの録画。
公開当時、けっこう話題になった映画ですが自分は観ていませんでした。
ですから、かなり期待しての視聴となりました。

 
多忙な妻を元気づける夫・グレイ医師。      強い雨の夜、帰宅するが通行止めに。

ある女子刑務所の精神科病棟に勤務する精神分析医ミランダ。
夫のグレイ医師は同じ職場の責任者を務める。人格者であり、夫婦仲も抜群だ。
ある日帰宅途中で警察の通行止めにあう。強い雨のために道路が陥没していて通れないという。

 
いきなり車の前に少女が。            気がつくと精神科病棟に収容されていた。

仕方なく普段は通らない道で迂回するが、いきなり道路の真ん中に一人の少女を目撃。
少女をよけようとして車を大破させたミランダは、意識を失う。
ベッドの上で意識を取り戻すが、衝撃的事実を告げられて驚く。
なんと彼女は夫であるグレイ医師を殺した犯人として逮捕されたという。
抗弁も空しく、ミランダは自分が働く精神科病棟に患者として収容され……。

 
誰も彼女の言い分を本気にしない。        ミランダが担当していた患者、クロエ。

どんなにミランダが必死に訴えても、誰も本気で聞いてくれない。
そんなとき、そばに近づいて話しかけてきたのは彼女の担当していた患者クロエだった。
”解ったでしょう、ここではどんなに真実を訴えても誰も気に留めてくれないのよ”
言われてみれば自分もクロエの言葉をいい加減にしか受けとめていなかった。

 
しばしば”あの少女”の幻影を見る。       ガラスの扉に浮かぶNOT ALONEの文字。

拘束された室内で悪霊に襲われることもある。
だが監視モニターに映るミランダは独りで大騒ぎをしているようにしか見えない。
モニターに”霊”は映らないのだ。
彼女の精神は極度の混乱状態にあると決めつけられ、監視がいっそう厳しくなっていく。

ときどき例の少女の幻影を見る。少女はミランダに何かを訴えたいのかとも思えるが。
そして拘束室のガラス扉に勝手に浮かびあがるNOT ALONEの文字。
”NOT ALONE=一人じゃない”これは何を意味しているのか?
やがてミランダは自分の潔白を証明するためにも病院側の一瞬の隙をついて脱走を試みるが。
中盤過ぎくらいまでは中々先の見えない展開で、どきどきしますね。
ですがあのラストに自分はちょっと違和感を覚えました。
期待させた割にはラストの充足感が小さめというか....(^^;


『最終兵器 ムスダン』観ました。

2017-09-14 16:00:00 | アジア映画
2016年:韓国。 監督:ク・モ。 WOWOWからの録画。
韓国と北朝鮮との軍事境界地域で複数の兵士が惨殺されるという怪事件が発生。
状況査察のため、急ぎ調査隊を派遣する命令が下る。
だが韓国軍上層部は当事件について何がしかの極秘情報を掴んでいるようでもある。

 
事件解明のため調査隊が急ぎ組織される。     早朝に出発。作戦時間は24時間。

早朝6時集合、出発。作戦に与えられた時間は24時間。
隊員全員に緊張がみなぎる。
トラックで現地着。以後は徒歩で森の中に入っていく。

 
死体発見。軍服を見ると北朝鮮兵のようだ。    シン中尉。上層部から別途の命令を受けている。

やがて窪地の中に死体発見。北朝鮮兵のようだ。
調査隊の任務とは別に密命を受けているシン中尉。
付近のウィルスを採取したり、湿地の化学調査などを行う。

 
警戒しつつ歩を進める韓国側。          一方、北朝鮮側からも調査隊が出ていた。

だが調査の途中で犠牲者が出る。死角から襲われ、瞬殺の憂き目を見る。
隊員たちに緊張が走る。
この辺りには用済みになった古い倉庫がある。その付近に犯人が潜んでいるのではないか。
調査隊はその古い倉庫に向かう。
いっぽう、北朝鮮の方でも調査隊を繰り出していた。
韓国側と調査の目的は異なるが。


ムスダン。体じゅうが著しく変形を遂げている。

韓国軍上層部の掴んでいる情報とはこうだ。
北朝鮮側では最近人間を戦闘用野獣(ムスダン)に変容させるウィルスを発見したようだ。
その特殊なプロセスを通して平凡な人間を強靭な野獣に改造できる。
そんな野獣たちで戦闘部隊を編成できれば無敵の軍隊というべきだろう。
いわば”最終兵器”というわけだ。
それは利用しだいで韓国側にとっても非常においしい情報となる。
シン中尉に与えた別命には、可能ならばムスダンを射殺の後に死体を持ち帰る
という事項が入っているのだが、それは果たして可能なのか。
なにしろ敵(ムスダン)は恐ろしく素早い動作と凶暴さを兼ね備えているのだ。

観終わって、B級映画という印象を受けました。良いところもあるんですが、
全体に中途半端さを感じてしまい、残念ながら自分はあまりノレませんでした。

また映画には直接関係ないことですが、”ああ、韓国の人たちって
こんな顔だちだったんだなあ”とかボンヤリ考えながら画面を見ていました。
同じアジアの人間とはいっても、やはり別の文化圏なんだなあとか思いました。
あたりまえか(^^;