イオルフの村人たち。平和に、たのしく暮らしていたのだったが....。
2018年・P.A.ワークス。 監督:岡田麿里。 WOWOWからの録画。
事前知識ゼロで観ました。
全体的には可なりの力作だし、なかなか楽しめる出来だったと思います。
ただ後に述べるように、あちこちに”?”と感じる部分があるのは確かです....(^^;
テレビアニメとは違う、”スクリーン向きの画面構成”を多用している点は
劇場版として当然なんですが、いい感じです。
その辺がテレビ版とあまり変わらない劇場作品は結構あると思いますので。
ストーリー:
不老長寿の遺伝子をもつイオルフ族の人たち。
彼らが村の外の人間と愛し合うことは滅多にない。
有限の命しかない者とむすばれても、いずれすぐに相手に先に死なれてしまうからだ。
あとに待っているのは長い長い孤独と悲しみの年月だけだ。
ある日、攻撃型ドラゴンを引き連れた メザーテ国の精鋭軍が村を襲う。
そのため村人のほとんどが殺されてしまう。
ただ僅かながら逃げおおせ、生き残った者たちが何人かはいた。
その一人が少女マキア。
逃げる途中で生まれたばかりの赤ん坊に出会う。
母親は普通人。戦争の混乱の中で殺されていた。
マキアはその子にアリエルと名づけ、実の母親として育てようと決心する。
この辺が、自分にはよく解らないです。
その場面に行きあった男が「子どもが子どもを育てるなんて出来っこないだろ」
と吐き捨てるが同感だ。
(画面で見る限り、マキア=小学生なみの幼い顔だちなので尚更だ)
赤ん坊にも自分自身にも、本当の親子だという前提で育てる。
それって何故なんだろう。
子どもには早い段階で、ちゃんと事情を話しておくべきだし
そうすれば子どもにだって分ることだと思う。
これは後々になって無用の親子問題を引き起こす原因になりそうだ。
攻撃してきたメザーテ王の狙いは、イオルフ族の若い女。
若い女を捕え、王子の妻に据え子を成せば、不老長寿の血がわが王族に加わる。
永久にわが王国が続くようにとの願望がイオルフ族の村を攻撃した理由だった。
だが結果として生まれた孫は皮肉にも不老長寿の血を引き継いではいなかった....。
そして長い年月が経過して、いまメザーテ国は激しい攻撃を受けている。
これまではメザーテ国の保有する強力なドラゴン部隊の存在が、周囲の国への
絶対的な睨みとなっていた。
(現実世界における”核爆弾”に相当しますかね~)
しかし、ドラゴンたちの寿命は尽きつつあった。
一頭また一頭と死んでいく。
それを見たメザーテの周辺国は立ち上がる。
もはやドラゴンのいないメザーテ国を恐れる必要はない。
長い年月、重い支配を受けてきた周辺諸国は一致して連合軍を編成、
攻める側に廻った。
アリエルは成長し、結婚。もうすぐ子どもも生まれる。
(血は繋がっていないが、マキアにとっては初孫だ)
自分の家族を守るためにも彼はメザーテ国の兵隊として参加する。
『あの花...』や『心が叫びたがってるんだ』の脚本で注目を浴びた
岡田麿里氏の初監督作。
ただ自分はこの人の書く脚本は、どれも構成にあやふやな部分が
感じられてしまいます。
ただ今回は長所が短所を上回るといった印象を受けました。
従って視聴後の感触はなかなか良かったです。
それで今回思ったのは、岡田作品の場合は、欠点に目をやるよりも、
全体的に見て「その作品が評価できるかどうか」という一点に絞って
対するべきなのかな、とか思いました。
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