みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『この自由な世界で』観ました。

2016-01-16 16:00:00 | 洋画
2010年:英・伊・独・西。 監督:ケン・ローチ。 WOWOWからの録画。
社会派といわれるローチ監督の作品です。
いまの東欧には不景気が蔓延し仕事がない。そのため借金してでも
(欧州でも比較的豊かと言われる)
イギリスやドイツ・フランスなどを目指してやってくる多くの就労希望者がいる。
当然その総てを受け入れるわけにもいかず、深刻な社会問題として度々指摘されている。

 
ノルマを果たしている私がなぜクビなの?      アンジーは起業を決意。

ロンドンの職業斡旋所で働いていたアンジー。
熱心に仕事に取り組み、実績も上っているのに、なぜか突然にクビを言い渡される。
ハッキリものを言うアンジーは周りの男どもにとっては煙たい存在だったからのようだ。
社会の理不尽さに憤慨し、こうなれば自ら起業するしかないと決心するアンジー。

 
起業を思いとどまるように忠告する友人。      結局ローズは折れる。 ネット広告を手作り。

実際に起業するとなれば高いハードルがいくつもある。
とくに事業が軌道に乗るまでの資金面の問題が一番大きい。
とても無理だとアンジーに忠告する友人ローズ。しかしアンジーの決心は変わらない。
結局ローズとの共同経営の形におさまる。なりふり構わずに目標に突進してゆくアンジー。

 
知人から<巧いやり方>を聞かされる。       その<巧いやり方>とは、明らかな違法行為だった。

そんな時に知人から耳にした<頭のいいやり方>。
それはパスポートを持たない者に偽造のパスポートを持たせて、正規の労働者に
見せかけるやり方だ。これにより手間と経費を大幅に節約できる。
バレればもちろん違法で実刑だが、実際には警告どまりで、本当に逮捕された例はないと聞き
心が動くアンジー。

 
実際には逮捕された者はいないと聞かされる。    だんだん大胆になってくるアンジーが怖くなるローズ。

不法労働者たちの弱い立場を利用して、やりたいように彼らから搾取するアンジー。
初めは社会の理不尽さを憤って起業したはずの彼女だが、
気がついてみると、社会的弱者から容赦なく生血を吸おうとする立場に変わっていた。
こうした強引なやり方は一歩誤ると、当然大きなしっぺ返しを喰らうことになる。
はじめはヤクザな連中に引っかかって、当てにしていた金が入らなくなったことから
綻びは始まった....。
外国からの多くの就労希望者、それに伴う大小の社会的な波紋。
こうした問題を扱う映画がかなり以前から目立ってきたように思います。
それにしても目下の欧州にとっての大問題、シリアなどからのイスラム系難民が大量に
押し寄せて、もはやパンク直前の現状。これって最終的にはどんな結果に行きつくのか
未だ見えてきていません。