みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『冬の小鳥』観ました。

2018-10-17 16:00:00 | アジア映画

友だちのスッキが去り、気落ちするジニ。いっそ自らを埋めようとするが。

2006年:韓国・フランス。 監督:ウニー・ルコント。 WOWOWからの録画。
本作の監督、ウニー・ルコントという名前を聞いて、真っ先に思い浮かべたのは、
あの仏映画『髪結いの亭主』のパトリック・ルコント監督のことでした。
ひょっとして父娘ともに監督業やってる??とかじゃなくて、実はまるっきりの赤の他人なのでした(^^;
ウニーは幼いころフランス人夫婦に養女として引き取られ育てられています。
つまりこれは監督の半生とあるていど重なる部分のある、自叙伝的な映画だと思われます。

 
父親に連れられてジニは養護施設に。        新入りに対して周りの子どもたちも興味津々。

父親に連れられて小さなジニは養護施設に。すぐまた迎えに来るから、といい聞かされるが
その約束が果たされることはなかった。
経済事情もあったかもしれないが、後妻とその連れ子に父親が遠慮したというのが本当のようだ。
このあと一家はすぐに転居。ジニが父親と再会することは二度となかった。
この父親役がいかにも生活力の無さそうな、それでいて結構ハンサムなのには笑えました(^^;
まあこの人も仕事(演技)でやってるんだしね~とか思って観てましたが。

 
周りと打解けようとしないジニ。          甘えるなとジニを叱るスッキ。

いつまでも父親を待つジニ。周りの子どもたちや世話役の大人たちとも打解けようとしない。
そんな彼女を少し年上のスッキが叱る。わがままも程々にしなさい。
子どもたちには皆それぞれの事情を抱えている。あんただけが辛いんじゃない。
スッキは何かにつけてジニを気にかけてくれる。
だんだんジニはスッキをお姉ちゃんと思うようになる。

 
養子希望の米人夫婦に、スッキは猛アピール。    養子に選ばれスッキは米国へ。

ときおりアジア人の養子を欲しがる夫婦が施設を訪れる。今回も米国人夫婦がやってきた。
スッキは彼らに猛アピール。知っている英語を全部しゃべってみせ、笑顔で夫婦の関心をひく。
生きていくためには積極性が大事だと信じているかのようだ。
その甲斐あってスッキは夫婦の気持ちを捉え、めでたく養子縁組がなる。
だがそうなるとジニはまたひとりぽっちだ。

  
雨の日の施設。暗欝な気持ちのジニ。        彼女は施設裏の林に向かう。

雨の日の施設。暗欝な気持ちのジニ。大好きなスッキはもうここにはいない。
いっそ死んでしまいたいと思い、施設裏の林に向かう。
彼女は自分で自分の身体に土をかけ、埋めようとするが....。

数年以上まえに録画して、そのまま塩漬けになっていたんですが、
なかなか深みのある良い映画でした。
WOWOWで彼女の第二作『めぐりあう日』が放映されました。
録画したので、そのうちに観ようと思います。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』観ました。

2018-10-12 16:00:00 | アジア映画
2016年・韓国。 監督:ヨン・サンホ。 WOWOWからの録画。

『ソウルステーション・パンデミック』(アニメ)の視聴記を9月3日に載せましたが、
本作はその後日譚的な位置にあります。もちろん製作、公開はこちらの方が先なわけですが(^^;
韓国でも記録的なヒットだったようですが、実際に観て納得でした。
はじめのうちはゾンビたちの動き(演技)に少々ぎこちなさが感じられました。
そのせいで観ていてこちらの方もイマイチな感じがしまいましたが、
映画が進むにつれて、そうした感覚は吹き飛んでしまいました。
まあ何といいますか、人海戦術そのもの。
怒涛のごとく次々に押し寄せる大量のゾンビの群れ、というか山というか津波というか。
これほど切れめなしにゾンビの大集団を見せられると正直圧倒されてしまいますね。
映画は終盤までだれることなく進行していきます。
終わり方もわりとまとまっていて良かったと思いました。

 
ソウル発プサン行きの特急列車。          発車間際に乗り込んできた女性だが....。

プサン行き特急列車。発車まぎわに一人の女性が駈けこむようにして乗り込む。
いくらもたたないうちに女性は苦しみ出し、それに気づいた車掌は声がけをするが....。

 
具合の悪そうな彼女を見て声がけする車掌。     ゾンビ症状が剥き出しになり車掌を襲う。

いきなりゾンビ症状が現われて車掌を襲う女。これによって車掌もまたゾンビとなってしまう。
これを発端としてつぎつぎに車内の乗客を襲い、被害を受けた順々にゾンビ化してゆく。

 
ゾンビは連鎖的に増えて車内は満杯に。山のように積み重なり、それでも未感染者を追いかける。

しかしこのような悲惨な状況は、この列車内に留まらない。大都市や各鉄道路線など軒並み
ゾンビの群れに襲われて、韓国内はさながら戦場の焼け野原のようである。

 
当局の虚しいアナウンス。実際の市街地は壊滅状態。 大田駅で乗客たちの見た悪夢のような光景とは?

この映画を観て、ふと思い出したのは数年前のSARS騒ぎのときのこと。
いささか脆弱な韓国の防疫態勢が露呈してしまいましたね。
あれからなにかが改善がされたとも聞かないし、正直喉元すぎれば何とやらの感じですかね。
国境を越えた人間の往来がさかんな現代では、あっという間に周辺の国にも感染が広まる恐れが
ありますから地道でもしっかりした対応策を普段からお願いしたいものです。

『密偵』観ました。

2018-08-17 16:00:00 | アジア映画
2016年・韓国。 監督:キム・ジウン。 WOWOWからの録画。
好きな俳優ソン・ガンホ氏が出ているようなので観てみました。
なかなか凝縮度の高い、デキの良いドラマという印象を受けました。
韓国で評判をとった映画だというのも頷けます。

 
義烈団の大物を追いつめる警察。          東部長㊧から義烈団のボスを捕えよと指示が出る。

かつて日本が韓半島を統治していた時代。
イ・ジョンチョルは朝鮮人でありながら日本の警察組織に奉職をしている。
東部長の引きたてもあって、職場では警務として重用をされている立場だ。
そんなイに抗日独立運動を進める義烈団首領チョン・チェサンの指示により
リーダーのキム・ウジンが近づいてくる。
日本側に押されがちな状況を挽回するべく、イを寝返らせて義烈団の密偵に
仕立てようと画策したのだった。
まずは酒で歓待し、酔ったところを朝鮮人同士の感情に訴えてくる手管だが、
少々ためらいを見せつつも、案外イは乗ってくる。
内心では、同胞を抑圧している自分の立場を苦しく思っていたのかもしれない。

 
左からウジン、首領、イ警務。           首領から懐中時計を贈られる。

チョン・チェサンから懐中時計を贈られ、それを受け取るイ警務。
これでもう仲間だと思われても仕方のない立場となる。
このあと義烈団は活動の方針を変え、これまでの活動拠点を上海から
京城に移すことになる。極秘の裡にコトを進めねばならない。

 
たびたびイに会いに来るウジン。          左からウジン、高橋、イ警務。

船で移動すると見せかけて、実際は列車を用いる義烈団たち。
何かあるたびに直ぐイに会いに来て情報を欲しがるウジン。
ウジンの行動は人目につきやすく、危険極まる行動だとイは諭すが改まらない。

イは食堂車に行き、ビールで一息つく。
またもウジンがやってくる。
そこにキレ者の警察の同僚・高橋がやってくる。
勘の鋭い高橋はウジンを見て不審な奴と思い、身分証を見せろと要求。
もう限界だ。
食堂車内で日本警察と義烈団の間で突如銃撃戦が始まる....。
もちろんイは義烈団の味方として行動する。

 
銃撃戦が開始される。               裁判で涙ながらに無罪を訴えるイ。

日本側はイ警務を除き、全員射殺されてしまう。まさに死人に口なし。
一応事情を明らかにするための裁判が開かれるが、イは涙ながらに
自分は無実だと裁判官たちに訴える。コイツけっこう役者だねえ。
そうはいっても何人も死人が出た大事件だ。
しばらくの間、彼は収監されるが結局は無罪放免となる。
同時に義烈団の大物テロリストがまた一人新しく生まれた....。

戦前の朝鮮国における抗日のストーリーなので、
確かにこれ韓国の人たちからすれば溜飲の下がる思いがするんでしょうね。
日本人の自分からすればちょっと言い分はありますが、
どこの国にしても自分の国がイチバンの思考は同じようなモノでしょうから。



『バーフバリ』&『バーフバリ2』観ました。

2018-08-14 16:00:00 | アジア映画
2015&2016年・インド。 監督:S・S・ラージャマウリ。 WOWOWからの録画。
1と2のそれぞれの上映時間が2時間半近く、合計で5時間ほどになります。
さすがにイッキ見は無理なので、二日に分けて視聴しました(^^;
長めの上映時間が多いインド映画ですが、本作はその中でも別格でしょうね。
インド映画には珍しく?ストーリーに関係なく挿入されるダンス・音楽のシーンは
ほぼ見られませんでした(それでも似た雰囲気は感じます)。
自分的にはそういうインド映画らしくない?ところも観賞しやすかったです。


シヴァ神は天女の姿を借り、マヘンドラ=バーフバリ㊨を導く。

古代インド。物語は大国マヒシュマティにおける二人の王子の王位争いに始まる。
そして一世代分の時間経過後は伯父と甥の争い。
兄弟として仲よく育ったはずの二人の王子、兄バラーラディーバと弟アマレンドラ。
だが自分ではなく弟が次期の王に指名されそうな状況をみて、兄は弟を謀殺。
弟には新妻との間に生まれた赤ん坊マヘンドラがいた。
赤ん坊は祖母シヴァガミに抱かれ辛くも国を脱出、逃げ切るがそこで祖母は力つき絶命。
偶然通りかかった夫婦が濁流に流される寸前の赤ん坊を見つけて、わが子として育てる。
赤ん坊はシヴドゥと名づけられ、立派な青年に成長。
あるとき彼はシヴァ神から啓示と導きを受け、正義を行うべき自分の宿命を悟る。
すなわち、不正に王位を手にし、恐怖政治を行う伯父バラーラディーバを倒し、
かわって自ら王となって国民に善き政治を施すこと。


『バーフバリ2』から。 甥㊨と伯父㊧の死闘。

都合5時間という長丁場ですが、まったく退屈さを感じさせませんね。
大した説得力・吸引力だと思います。
スケールの大きなストーリー構成、ビジュアルの圧倒感など美点が多いです。
これは観ておいて損のない面白い映画だと思いました。

『台北ストーリー』観ました。

2018-05-30 16:00:00 | アジア映画
1985年・台湾。 監督:エドワード・ヤン。 WOWOWからの録画。
名作との評判は耳にしていたものの、実際の視聴は今回が初めてでした。
全体に流れる雰囲気は上質で、とても”映画を観ている”という気分にさせてくれますね。
ただストーリーは結局悲しい恋の話。少々せつないものがありますかね。


何かにつけ事がうまく運ばない。いっそアメリカに移住してみては?

おさな馴染の一組の男女、アジン嬢とアリョン氏。
近々の結婚を意識して、時間を見て新居探しをしたりする幸せな仲だ。
だがさまざまな障害が時と共に立ち現われ、二人の間には少しづつ微妙な齟齬が
生じてくる。
二人の性格もまるで違う。
未来志向の現実主義者、アジン嬢。
人生のハイライトを少年野球にのめり込んでいた過去の時代に見出すアリョン氏。
誰の所為というわけではないが、二人の仲はすれ違いはじめ、次第に崩壊していく....。

観終わっての感想ですが、自分的にはちょっとだけ物足りないものが残りましたね。
作品全体を流れる映画のムードは良いのですが、少し暗い。
やはりもう少しは明るい要素がほしかったです。