みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『世界は今日から君のもの』観ました。

2018-11-15 16:00:00 | 邦画

真美は母親からの束縛から自由になり、自分の力で人生を歩みはじめる。

2017年:クエールフィルム製作。 監督:尾崎将也。 WOWOWからの録画。
あまり派手さは感じませんが、なかなか丁寧に組みたてられた映画、という気がしました。
かつて引きこもりだった女性の、心の成長の物語。
ヒロイン小沼真実(こぬま・まみ)は高校の途中で引きこもり状態となり、以来5年が経過。
最近になって父親の探してきたバイト先で働くようになる。
なんとか娘に社会との接点が出来たことに少し安心する父親だが、
(父娘と別居している)母親の見かたは少し違うようだ。
この人は何かにつけて否定的な物言いをする。
性格なのかもしれないが、結果的にそれが娘を追いつめていることに無自覚だ。

バイト先はゲーム制作会社、仕事内容はデバック作業。
ゲームプログラムのミスをチェックする単調な作業だが、真面目に勤める真美。
ある時ひょんなことから彼女のイラストが上司の目にとまり、制作の中枢部署に抜擢される。
だが趣味で描くのとは違い、仕事となればさまざまに厳しいハードルがある。
プレッシャーに負け何も描けないまま仕事から逃げ出してしまう真美だったが....。

観たあとに中々いい印象が残りました。事前知識も無くて期待はしていなかったんですが。
終りまでダレることなく観れて、つまりそれだけでも水準以上の作品だと言えるでしょうね。
退屈で画面見つづけるのが苦痛って映画わりと多いですから。
ヒロインの門脇 麦さんは注目の新星のようですが、個人的にはちょっとタイプじゃない(^^;
でも演技はちゃんとこなしていると感じました。
母親役のYOUさんは、こういう役を振られることが多いですね。そういう意味では安定の役柄?(^^;

『トリガール!』観ました。

2018-07-12 16:00:00 | 邦画
2017年・Showgate。 監督:英 勉。 WOWOWからの録画。
毎年琵琶湖で開催される”鳥人間コンペ”については、多少ボンヤリとながら
自分も聞いたことがありました。
まあそういうモノ(人力飛行機)にいくらかの興味はありまして、
それを題材にした映画のようなので、観てみることにしました。

鳥山ゆきな(ヒロイン)役の土屋大鳳さん、てっきり名前からして男子なのかと
思ったら可愛い系の女子でした(^^;
そしてちょっと無愛想な相手(坂場太志)役を宛てられた間宮祥太郎さん。
この二人を主軸として雄飛工業大学・人力飛行機サークルの全員が一丸となり、
琵琶湖・鳥人間コンペでの優勝を目指していくことになります。
まあお話としては王道というか、有りがちなスポ根的というか青春ロマコメ的
というか....(^^;
映画はおおよそ予想通りにストーリーが進んでいきます。
なので肩が凝らずに観ていられる映画....というかちょっと”軽い”?(^^;
まあ時間つぶし的に軽い気持ちで観るならばこの映画はアリですかね。


ゆきな・太志のコンビで飛行機は無事にスタート~順調に湖面上を進んで行く。

自分がかつて現役だったころ、部署は違いましたけど琵琶湖の鳥人間コンペに
参加していたグループが職場内にありました。
好きでやっていることとはいえ、曲がりなりにもレースですから、とてもお金が
かかって大変みたいでしたね。

『湯を沸かすほどの熱い愛』観ました。

2018-05-26 16:00:00 | 邦画
2016年・クロック・ワークス。 監督:中野量太。 WOWOWからの録画。
評判がいい映画のようなので観てみました。
自分的には宮沢りえ(本作のヒロイン)、といえば飛びきり
美少女のイメージしか残っていませんが、改めて今回の映画を見せていただくと、
本物の女優さんに成長されたなあと感じいるモノがありました。
夫の蒸発や娘の養育などのさまざまな悩みに加え、突然癌の余命宣告を受けた
ヒロイン・幸野双葉が、めげずに家族の再建に懸命に取り組んでいくさまを、
感動的に綴ったドラマです。
ただテーマがちょっとてんこに盛りすぎじゃないかなとは感じました。

 
店主蒸発につき、当分の間休業します(^^;      取りあえず生活をしていかねばならない。

下町のとある一軒の銭湯、幸の湯
とつぜん夫(幸野一浩)が行方をくらましてしまう。以来、何の音沙汰もない。
代表者が不在のままでは湯屋の営業もままならず、
生活のためパン屋のパートに出る妻(幸野双葉)。

 
イジメに遭っている様子だが安澄の口は重い。     どうやら夫はこの辺に住んでいるようだが。

ある日、安澄の学校からパート先に連絡が入る。何も言わないが、どうやら娘の安澄は
学校でイジメにあっているようだ。
双葉は彼女を力づけたり慰めたり。しかし厳しいようだが、結局これは本人が解決して
ゆくべき問題だ。母親には見守るしか術がない。

 
久々の対面。猛烈に腹を立てる双葉。        かくて幸の湯の営業再開。

なんとか伝手をたどって夫の居場所を探しだす。
どこぞの女のアパートに転がり込んでいる夫とご対面(^^;
むかっ腹まじりに、浩一の手にしていたお玉をもぎ取って、思い切り頭を殴りつける。
かくて事態は収束~解決。かくて幸の湯の煙突から再び煙が昇りはじめる。

 
医師から末期がんを告知される双葉。        滅多にない家族旅行。安澄には旅の本当の目的は秘密だ。

双葉自身も愛には恵まれぬ境遇の中で育ってきている。
なにか次々と問題が提起されていく筋立てで、一本の映画の中でちょっと欲張りすぎだろと
言いたくなる。観ている方が消化不良を起こしそうになるよ、コレ。

それというのも泣ける映画というか、泣いてください的内容を
目指しているんでしょうが、自分的はなぜか最後まで泣けませんでした(^^;
たしかに脚本はよく練られているとは思いましたが、エピソードが多すぎるです。
じっくり落ちついて観られないため、何かあと1ミリ感動に手が届かないような
もどかしい感じがありました。
ところで出ている俳優さんたちは、どなたも演技の水準が高くて感心しました。
細かなディティールの中に深みある心情が見られたり。
そういう意味では、とても惜しいような感じの残る映画でした。
ただヒロイン(=宮沢りえ)の死に際の表情が物凄くて、正直そうとう怖かったです(^^;
あれはやっぱり生に対する執着からくるものなんですかね?

『モヒカン故郷に帰る』観ました。

2018-05-23 16:00:00 | 邦画
2016年:『モヒカン故郷に帰る』製作委員会。 監督:沖田修一。 WOWOWからの録画。

日本初のカラー映画、『カルメン故郷に帰る』(1951年・松竹)。
全然関係ないですけど何となくタイトルが似ているな~とかの程度で観てみました(^^;
主演は『ぼくのおじさん』の松田龍平。

 
扉絵。右下に連絡船が小っちゃく走ってます(^^;   船を降りると懐かしの故郷、戸鼻島。

結婚の報告を兼ね、婚約者の由佳を伴ない七年ぶりに帰郷した栄吉。
生活の当てもなく、ほとんどプーの身である彼を「なにが結婚かあ」と激怒する父・オサム。

 
実家(酒店)の壁には栄ちゃんのポスターだらけ。  久々の親子の対面だが....。

しかし現実に由佳のお腹には新しい命が育っている。これは認めるしかないだろう。
近所や知り合い連中を集めて盛大に結婚を祝う田村家。
呑み過ぎて倒れたオサム。いつものこととして家族も軽く受け止めたが、
医者からは末期癌との意外な診断結果を聞かされる。

 
音楽で稼ごうと栄吉は上京、だが現実は厳しい。   「俺、もう無理だわ」またメンバーが辞めていく。

オサムは無類の矢沢栄吉ファン。自分の子どもにも”栄吉”と名づけたくらいである。
そんな父親を見続けた幼い栄吉が成長したとき、”東京に出て音楽で一旗上げちゃるわ”と
決心したのも無理のないことだったかもしれない。
だが栄光を掴みとれるのは、どんな世界でもごく限られた少数の者だけだ。
成功の女神は、栄吉の存在には気づいてもくれなかったようだ。

 
珍しくおだやかに対話する父と息子。        結婚式はつつがなく進行。

オサムの死期間近。珍しくなごやかに対話する父と息子。
そして迎える結婚式の顛末が、この映画の構成上のピリオドになっています。
観た後の感じはまあまあ良かった。少なくとも不快な印象は残りませんでしたね。
松田龍平も『ぼくのおじさん』よりも表情のある演技で中々でした。

『清州会議』観ました。

2018-01-13 16:00:00 | 邦画
2003年:フジテレビ+東宝。 監督:三谷幸喜。 WOWOWからの録画。
今年のお正月に横山光輝氏の『豊臣秀吉』(全7巻、歴史漫画)を読み、
この映画を録画したままになっていたのを思い出して、それじゃあ観てみようか、となりました。
公開当時、けっこう話題になった映画でした。
まず最初に、登場人物が多すぎて混乱してしまいました(^^;
戦国歴史に詳しい人にとっては、織田信長に対する明智光秀の裏切りの話など
常識中の常識で、いちいち説明など加えては映画の流れが停滞する、
ということなのでしょうか。
けれど自分のような歴史音痴だと、せめて主要人物の名前表示(字幕)くらいは
欲しかったです。

 
光秀は本能寺の信長を襲う。            信雄を総大将に据え、光秀をあっけなく片付ける。

信長の命により中国・毛利氏を鎮定しようと秀吉はじめ多くの武将たちが国を留守して
いる間に「敵は本能寺にあり」とばかりに、光秀は信長を襲撃、亡きものとする。
戦地で悲報を受けた秀吉は直ちに敵側と和睦。電光石火の素早さで都に駈け戻り、
逆賊・明智光秀をあっさり征伐。

 
招集状を一読、秀吉は官兵衛(参謀)と密議。    清州城での評定がはじまる。

今後の織田家の行く末を決定するべく、重臣・柴田勝家の肝いりで清州城で評定(会議)
が開催されることになり、主だった実力者・関係者に招集状がかかる。
一番の議題は信長の後継者を誰にするか。当然ながらそれぞれが自分に得になる
意見を述べるのみで、会議は膠着。
場外戦というか、色々なメリットを約束して自分の意見に同調させようと各陣営は
水面下で苦心する。
後継者候補としては、小心者の信雄(のぶかつ)。そして呑気な性格の信包(のぶかね)。

 
評定の間の息抜きに旗取り合戦を開催。       秀吉は信長直系の幼子・三法師に出会う。

しかし秀吉の本音を言えば、どちらも信長の後継者の器ではない。
どうしたものかと悩んでいると、ある時、自ずと正解が転がり込んでくる。
信長と命運をともにした嫡男・信忠の遺児=三法師の存在だ。
信長直系の孫であり性格も利発で聡明。これ以上の適任者はいないだろう。
そこに気づいて以降、秀吉は三法師の推挙に全力をつくすが。

 
お市の方と勝家。                 秀吉と寧々。思いは同じではない。

お市の方には秀吉のすることは何もかもが気に入らない。
彼女には父(織田信秀)と夫(浅井長政)を秀吉に殺されたという思いがある。
戦国の習いとして、殺し殺されは日常茶飯事。
おたがい納得づくの戦争の結果であり、いちいちそれを恨んでも仕方がないのだが、
人間の感情は単純に割り切れるものではない。勝家と結んで、秀吉を陥れようとする。

秀吉の妻・寧々は「いまのままで十分幸せ」というが、
彼の本心では織田体制の長期的持続など考えてはいない。
本音はいつか自らが天下人として世に号令をかけたい。

それにしても、役者さんの顔ぶれは豪華です。ともかく大勢の有名な俳優さんが
画面狭しと続々登場。それにしてもいわゆる戦国劇らしくない。
どうしてなのかと訝っていたが、しばらくして理由に気がついた。
登場する役者さんの顔つきの多くが現代(いま)っぽいのだ。
そもそも三谷監督の狙うところも重厚な時代劇などではないようですし。
まあこういう作りの時代劇も否定はしないけど、
古い自分などは「なんか違う」と思ってしまいました。
浅野忠臣、役所広司あたりだと、流石にハズすことはなかった感じでしたが。