みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『さよならの朝に約束の花をかざろう』観ました。

2019-01-27 16:00:00 | 劇場用アニメ

イオルフの村人たち。平和に、たのしく暮らしていたのだったが....。

2018年・P.A.ワークス。 監督:岡田麿里。 WOWOWからの録画。
事前知識ゼロで観ました。
全体的には可なりの力作だし、なかなか楽しめる出来だったと思います。
ただ後に述べるように、あちこちに”?”と感じる部分があるのは確かです....(^^;
テレビアニメとは違う、”スクリーン向きの画面構成”を多用している点は
劇場版として当然なんですが、いい感じです。
その辺がテレビ版とあまり変わらない劇場作品は結構あると思いますので。

ストーリー:
不老長寿の遺伝子をもつイオルフ族の人たち。
彼らが村の外の人間と愛し合うことは滅多にない。
有限の命しかない者とむすばれても、いずれすぐに相手に先に死なれてしまうからだ。
あとに待っているのは長い長い孤独と悲しみの年月だけだ。

ある日、攻撃型ドラゴンを引き連れた メザーテ国の精鋭軍が村を襲う。
そのため村人のほとんどが殺されてしまう。
ただ僅かながら逃げおおせ、生き残った者たちが何人かはいた。
その一人が少女マキア。
逃げる途中で生まれたばかりの赤ん坊に出会う。
母親は普通人。戦争の混乱の中で殺されていた。
マキアはその子にアリエルと名づけ、実の母親として育てようと決心する。
この辺が、自分にはよく解らないです。
その場面に行きあった男が「子どもが子どもを育てるなんて出来っこないだろ」
と吐き捨てるが同感だ。
(画面で見る限り、マキア=小学生なみの幼い顔だちなので尚更だ)
赤ん坊にも自分自身にも、本当の親子だという前提で育てる。
それって何故なんだろう。
子どもには早い段階で、ちゃんと事情を話しておくべきだし
そうすれば子どもにだって分ることだと思う。
これは後々になって無用の親子問題を引き起こす原因になりそうだ。

攻撃してきたメザーテ王の狙いは、イオルフ族の若い女。
若い女を捕え、王子の妻に据え子を成せば、不老長寿の血がわが王族に加わる。
永久にわが王国が続くようにとの願望がイオルフ族の村を攻撃した理由だった。
だが結果として生まれた孫は皮肉にも不老長寿の血を引き継いではいなかった....。

そして長い年月が経過して、いまメザーテ国は激しい攻撃を受けている。
これまではメザーテ国の保有する強力なドラゴン部隊の存在が、周囲の国への
絶対的な睨みとなっていた。
(現実世界における”核爆弾”に相当しますかね~)
しかし、ドラゴンたちの寿命は尽きつつあった。
一頭また一頭と死んでいく。
それを見たメザーテの周辺国は立ち上がる。
もはやドラゴンのいないメザーテ国を恐れる必要はない。
長い年月、重い支配を受けてきた周辺諸国は一致して連合軍を編成、
攻める側に廻った。

アリエルは成長し、結婚。もうすぐ子どもも生まれる。
(血は繋がっていないが、マキアにとっては初孫だ)
自分の家族を守るためにも彼はメザーテ国の兵隊として参加する。

『あの花...』や『心が叫びたがってるんだ』の脚本で注目を浴びた
岡田麿里氏の初監督作。
ただ自分はこの人の書く脚本は、どれも構成にあやふやな部分が
感じられてしまいます。
ただ今回は長所が短所を上回るといった印象を受けました。
従って視聴後の感触はなかなか良かったです。
それで今回思ったのは、岡田作品の場合は、欠点に目をやるよりも、
全体的に見て「その作品が評価できるかどうか」という一点に絞って
対するべきなのかな、とか思いました。

『SING/シング』観ました。

2019-01-05 16:00:00 | 劇場用アニメ

2017年・米ユニバーサル。 監督:ガース・ジェニングス。 WOWOWからの録画。

米国でもヒットした評判作ということで、観てみました。
ですが序盤から有りがちな世知辛い展開で、やや肩透かし。コス辛い劇場主の登場など
リアルと言えばそうなんでしょうけど、そういうものをわざわざ見たくはないです。

潰れかかった劇場のオーナー、ムーン氏。銀行からも最後通牒を突きつけられ、絶対絶命。
なんとか打開策をとヒネリ出したアイデアが賞金を出して素人を集め、ショウに仕立てること。
ただ賞金額はセコくて、わずか千ドル。これでは集まる人間のレベルが知れようというもの。
そこは多少ホンキー・トンク(=ガタピシ)ぎみな老秘書。
金額の桁を二つ上げて、十万ドルとしたビラを大量に作って、街中に撒く。

 
破産を回避すべく、あれこれと思案。         選考会には10万ドルに釣られた行列ができ....。

十万ドルという大金に釣られて、大勢の参加希望者が劇場前に列をなす。
ムーン氏は驚喜するが、秘書の間違いで賞金十万ドルのビラを刷ってしまったためと知り、
「そんな大金、出せるワケがない!」
だが、最早そうした言い訳が通るわけもない。皆それぞれ参加する事情は違えど真剣だ。
腹をくくって運を天に任せるしかない.....。

 
カンガルー親子の素人芸。残念ながら失格だ。    一方、プロ並みの歌唱力を披露するシロネズミ。

中盤までの展開は、結構ありがちで特に評価するようなものではないですね。
ムーンの素人工事で作られた大水槽は、小さな衝撃で破裂。劇場は崩壊~水浸しになる。
これによって彼の破産は確定する。
再起の意志もくじけて、ただ無気力に毎日を過ごすようになるムーン。

 
失格の皆さんには、お帰りを願う。         素人工事による舞台の大水槽。小さな衝撃であっけなく破裂。

ただ物語の終盤になって、映画は大きく盛り上がっていきます。
ムーンはかつて選考会に参加した”素人たち”に支えられ、いま一度やり直そうと
奮起する。彼らの熱い情熱とパフォーマンスに励まされて。
もっとも映画の中では”素人”ということになっていますが、
そのパフォーマンスがちゃんと見せる・聴かせるレベルになっているのには感心します。
”SING”という映画とは関係なく、独立して楽しめる芸のレベルになっています。

 
ノリノリのデュエット・ダンス。          最後にバラードをしっとり聴かせる。

日本で同じ筋立てで映画を仕込んでも、なかなかこういう”ちゃんとした”
レベルに届かせるのはなかなか難しいかも知れませんね。
そういうわけで、終り良ければ、すべて良し という表現が当てはまる
映画のようでした。(^^;

『ファウンダー』観ました。

2019-01-02 16:00:00 | 洋画

ひょんなことでレイは貸金業者ハリーと知り合いとなり、人生が開けてくる。

2016年・アメリカ。 監督:ジョン・リー・ハンコック。 WOWOWからの録画。
いまは世界中の多くの人が知っているハンバーガーショップ、マクドナルド
これはそのマクドナルドの創業の物語。
なんか面白そうな題材なので、観てみました。期待を裏切らない映画でした。

 
足を棒にしての営業。だが成果は少ない。      1954年のセントルイス。レイに転機が訪れる。

冒頭から画面に色濃く漂う50年代の雰囲気。
”これはなかなか期待できるかも”と思わせてくれる導入部になっています。
レイは自分で考案した業務用ミキサーマシンを、飛び込みで売り歩いている社長兼営業マン。
毎日足を棒にして次々とフードショップを訪問するが、成果ははかばかしくない。
事務所に電話を入れるが、秘書からは請求書の山を何とかしてほしいと愚痴られる始末。

いえ待って、さきほどミキサー6台の注文があったようよ。
何かの間違いかとレイは直接注文してきたショップに確認する。
ミキサー自体、滅多に売れる商品じゃない。それなのにいちどきに6台の注文だなんて。
やはり注文は間違っていた。しかし6台ではなく、2台追加して8台に訂正したいのだと
注文主は言う。
これは一体どういうことなんだ?むこうは一体どんなショップなんだ?

がぜん興味がわいたレイは、実際に自分の目でその店を見てみたいと思い立つ。
その場でハンドルを握り、件のショップを目指して走り出す。

 
ミキサー6台の破格の注文に驚く。          そのフードショップを自分の目で確認。

実際に店舗を訪れて、老若男女問わず大繁盛するショップの様子や、
その優れた経営システムに大いに感銘を受けるレイ。
そして思いついたのがマクドナルドのフランチャイズ化だ。

  
そのあまりの盛況ぶりに驚く。            早速レイはフランチャイズ化を提案。

だがそのような申し出は、すでに何件もあった。そのすべてを断ってきたとのこと。
経営者であるマクドナルド兄弟の出すフランチャイズ出店の条件は大変に厳しい。
彼らのシステムの厳格で細々した一切をそのまま呑めないのなら話は無しだ。
そのためまだ成立した契約が無いようだ。
それに甘言を弄して他人を喰い物にしようとする怪しげな人種が世の中には山といる。
彼ら兄弟の警戒心・猜疑心は相当なもののようだった。

 
事業スタートのため融資の申込み。だが銀行の反応はつれない。そんな時にハリーに出会う。

なんとか兄弟を説き伏せて、フランチャイズ契約を獲得するレイ。
しかしそれからも次々と困難な状況が出現して、心が折れそうにもなってくる。
とくに資金面での苦労は大きかった。
そんな時に出会ったのが辣腕の貸金業者ハリーだった。
レイの事業計画に惚れこんだ彼は、金銭マネジメントの一切を引き受けて、
マクドナルド社が世界的な規模で成長する大きな支柱となって奮闘する。

キレイ事だけでは済まされないビジネスのダークサイドも含めて描かれている
この物語は、観ていて退屈しないですね。
年明けに観る映画としては、ちょうどな感じがして良かったです。