みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

池田理代子さんの旧作×3

2014-11-29 18:34:50 | 漫画
池田さんの旧作を読んでみました。

「おにいさまへ...」「春日局」「聖徳太子」それぞれの作品の第一巻。

「おにいさまへ...」全2巻
かなり以前に高橋留美子さんの名作「うる星やつら」に熱中していたころの話です。
おにいさまという単語にやたら過剰反応する女の子のエピソードがありました。
実際にもトンちゃんという弱っちいお兄さんがいるわけなんですが、
それだけではなく、これは何か原典がありそうだなと当時から感じておりました。
どうもこれがそれだったように思います。
積年の宿題が解決した思いです(^^; ←大げさ

「うる星...」のなかでは「おにいさま」を連呼することで笑いを引き出していましたが、
本作は「笑い」とは全く異なる方向のお話です。

女性の怖さ、嫉妬・陰湿さ......。
そういった要素がテンコ盛りですね(^^; 
(男に嫉妬、陰湿さが無いと言っているわけではありません)

「春日局」全3巻
埼玉県川越市に春日局ゆかりの寺があります。電車に乗れば自宅からも遠くありません。
それはさておき、同じ時代劇まんがといっても、横山光輝氏の作品群とは肌合いの違いを
感じます。当然ですが。ストーリーの構成といったあたりに最も違いを感じますね。
一方、人物(女性)の感情の動き、揺らめきの描写などは流石と思わされます。
2巻目に入るころにはかなりお話が盛り上がって、目が離せなくなってきます。
春日局については左程の知識がなかった自分ですが、今回はいい勉強になりました。

「聖徳太子」全5巻
山岸凉子さんにも同じく聖徳太子をテーマにした作品「日出処の天子」があります。
ただ山岸さんの聖徳太子は、太子=女性という設定となっているなど、
作者のイマジネーションがより強く出た内容になっています。
そういう意味では池田さんの聖徳太子の方が比較的史実に忠実な作劇になっているようです。
人物の関係も一部かなりの相違が見られます。従って両作品を対比させつつ読み進めていくと
より興趣を覚えるのではないでしょうか。(というか自分はそうです)
面白くて熱中してしまった漫画作品です。
それにしても登場人物が大勢だし、その関係もややこしい。
大昔は貴人階級になるほど男女間が緩やかだったとは聞きますが....(^^;

米アニメ界の大物ふたり。

2014-11-28 11:53:01 | アニメ
いま米アニメ界での大物と言えば、ジョン・ラセター氏、そしてティム・バートン氏の
名前を挙げなくてはならないだろう。
それぞれに方法論の異なる両者だが、それぞれが大きな成果をあげ続けている。

最近お二人に関するTV特番が続いたので、今回はこのことに触れてみたい。
① ジョン・ラセター氏「魔法の映画はこうして生まれる」(NHK-G)
② ティム・バートン氏「人生を変えたスケッチ」(WOWOW)

自由な雰囲気のなかスタッフを囲んで、徹底した意見交換を通して最も良いアイディアを
探り当てよう、とするラセター氏。

これまでの経歴を飾り気なく話してくれるジョン・ラセター氏。

今回の密着取材が許可されたのは、新作「ベイマックス」をアピールするため、という面が大きかっただろう。

「アナと雪の女王」=女性観客の反応について表情豊かに語ってくれる。

宮崎駿氏との友情・交流は有名だ。

一方子供の頃からの長い年月、スケッチを描き続けてイマジネーションを育ててきた。
研ぎすまされた感性が最大の武器のバートン氏。

少年時代を語るバートン氏。

これまで描きためてきた膨大な量のスケッチ。すべて<作品>になっているのがさすが。

少年時代のアイドル、V・プライス氏。あの「肉の蝋人形」にも出演。 ディズニー在籍時に自主制作した短編「ヴィンセント」。ナレーションはプライス氏(^^;
いずれの番組も、しなびかけた自分の脳みそに多少なりとも刺激を与えてくれたと思う(^^;
アニメに関心のある方なら、一度は見ておく価値があると思う。

再放送の予定:
ティム・バートン氏「人生を変えたスケッチ」(WOWOW-3)
11/28(金)20:30~21:00
ジョン・ラセター氏「魔法の映画はこうして生まれる」(NHK-G)
11/29(土)10:05~11:20

「その土曜日、7時58分」観ました。

2014-11-26 18:56:17 | 映画
2007年・米。 シドニー・ルメット監督。 BD購入~視聴。
それぞれドン詰まり状態にある二人の兄弟。なんとか状況を打開しようと思いついたのが
自分たちの両親が経営している郊外の小さな宝石店を襲って金を奪おうという計画。
目論見では大して困難も無く、上手くいくはずだった......。

実行犯として仲間に加えた男は銃を所持していた。         勇敢に立ち向かう兄弟の母親。銃での応酬となり結局両者ともに死亡。

母親の葬儀がしめやかに行われる。                父親は事件の捜査を警察任せにせず自ら調査を行い、遂に真相を知る。

話の発端をBDケースの解説文で知って「親の店を襲うとは相当なロクデナシ兄弟だなあ。
そうか結構ギャグ調で話を進めるのかな?マジでやると洒落にならんもんね」とか思いましたが
全然違いました。
最後まで仕込みのある、複雑でちょっと重い映画でした。

「肉の蝋人形 3D」観ました。

2014-11-25 18:51:28 | 漫画
1953年・米ワーナー。 アンドレ・ド・トス監督。
米盤3D-BDをアマゾンにて購入~しばらく塩漬けの後に視聴。

購入当時は国内盤が高く、半値で買える米盤にしました。
今では国内盤も半値になり、わざわざ米盤を買う理由はなくなりました(^^;
なお「蝋人形の館」(2005)とは別の映画です。


元・彫刻家のジャロッド教授の手になる蝋人形は、どれも魂のこもった迫真のできばえ。


しかし火事によって何もかも失ってしまう。


好意的な資産家の出資を得て、人形館の再建が成る。幸い評判も上々。
ただ重度の火傷を負い、いまは車いすの生活を余儀なくされている。



一人の青年が恋人スーを伴い、蝋人形館を訪れる。資産家(右)とはすでに顔見知り。


スーは館内を見て回るうちに、ふとジャンヌ・ダルクの蝋人形に気がつく。


人形をよく調べようと思わずにじりよるが....。

1953年封切りされたという、かなり古い映画です。
しかしB級娯楽作品として、今でも陳腐化はしていませんね。
さすがに画角が4:3だとか、フィルムの解像度とか(少し甘くなる)はありますが、
3D効果もまずまず。制作年代を考えると立派だと思います。

これは観ておいてもいい映画じゃないかな。

「草原の実験」観ました。

2014-11-24 17:27:42 | 映画
2014年・ロシア。 アレクサンドル・コット監督。
第27回東京国際映画祭<WOWOW賞>受賞。 WOWOWからのBD録画。

全編セリフなし。明示はされていませんが、時代背景としては50年ほど昔のようです。
まあ話としては「どっかで聞いたことがあるような....」という感じです(^^; 

 
ある草原地帯で仲良く暮らす父と娘。                   ある夜、いきなり軍隊が家に押し掛けてきて、何やら調べまわる。

 
その後すぐに軍医がやってきて診察の後、強制的に入院となる。     ほどなくして父親が遺体で戻ってきた。埋葬。


父親亡きあと独りで生きてゆかねばならない。髪を切り少女時代に訣別。

この映画を観て、疑問に思う点が多々ありますが、まあそういう時代だったと
いうことでしょう。
それにしても「事前の警告・避難措置など一切なし」というのは乱暴すぎますね。

これ以上書くと、明らかにネタバレになってしまいますので....。
でも勘の鋭い人なら、もう解っちゃったかもしれない(^^;

お話の肉付けとして、娘に二人の求愛者が登場します。
一人はアジア系の顔立ち、もう一人は白人系のイケメン風。←腹立つなあ(^^;
おもわずアジア君にシンパしてしまいましたが、さて娘の選んだ相手は?(^^;