みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『子供なんか大キライ!』読みました。

2018-09-12 16:00:00 | 漫画
図書館でたまたま出会った育児エッセイ漫画です。全9巻です。
これまで何人もの漫画家さんによるそれぞの育児エッセイ漫画に出会いましたが、
どれひとつとして凡作はなかったと思います。
この作品でも、作者である井上きみどりさんの実体験をベースに
二人の娘さんの成長の記録、そして同時にきみどりさんご自身の成長があれこれと描かれています。
連載時は一定以上に読者の人気を得ていたようですし、自分にとっても非常に面白い漫画なのですが.....。
ここでなぜ育児エッセイ漫画ってこうも良作が多いのかという疑問がふとわいてきました。


図書館からお借りした『ニッポンの子育て』と『子供なんか大キライ!➈』です。
①~⑧は煩雑になるため撮影省略しました。


でもすぐに結論というか、解答らしきものが心に浮かんできました。
育児とは、やり直しの利かない人生の真剣勝負だからなのでしょう。
必死に育児に向いあっているだけに作品から余計な要素は削ぎ落され、
読む者に対して強い説得力を生じさせるのだと思われます。

文庫本全巻を読み終えたとき、非常に充実した読後感と同時に、
「ああ終わってしまった...」というちょっと寂しい感覚がきました。
まあ良い漫画を読み終えてしまったときの、いつものパターンですけどね(^^;
あと関連作品として『ニッポンの子育て』。
ちょこっとテーマの方向は変えてますが、こちらもなかなか読みごたえのある内容でした。

好奇心から、その後のきみどりさん(きみどり家)の様子をちょこっとネットで
覗いてみましたが、相変わらず漫画家として活躍されているようですね。
なんとなく安心しました。余計なお世話ですが(^^;
それと長女さんは既に結婚されているらしい....年月の流れる速さに唖然としたりして。

『おやすみ、プンプン』読みました。

2018-07-15 16:00:00 | 漫画
2010年・小学館刊。全13巻。 著者:浅野いにお。
はじめて読む漫画家さん(の作品)なので、事前情報はほぼゼロ。
NHK-Eあたりで、たいへん人気のある作家さんだとチラと知ったくらいです。


巻数が多いので、第2巻~第12巻は割愛しました。

それで実際に読んでみると、とても重い”読み味”に驚いてしまいました。
まあこれもボーイ・ミーツ・ガールのストーリーとして有り得るんでしょうけど。
ある日、転校生として新しくクラスにやってきた女子、田中愛子さん。
彼女の可愛さに打たれ、ほとんど一目ぼれしてしまった男子、プン山プンプンくん。
当時二人はまだ小学生。
この二人は自然に両想いの関係となる。
だが人生はなかなか単純に運ばない。
長い年月の経過を経て、さまざまな運命にさまざまに翻弄されるも、
二人はある意味究極の愛の関係を成就させる。

確かにこの漫画は興味をひかれます。
思わず引き込まれるような力量には尋常ではない著者のパワーを感じます。
しかし読んでいて楽しい気分になれる漫画では決してないですね。
ブラックでヘヴィーな印象がハンパないです。
さきほど”究極の愛の関係を成就”と言いましたが、
それは別にハッピーエンドを意味するわけではありません。
ある種の無常観を感じさせつつ、この物語は終りを迎えます。

読後かなりボディブローを喰らって、もの哀しい気分になりました(^^;
この漫画家さんの他の作品も機会があれば読んでみたいですね。

『イシュタルの娘』 読みました。

2018-01-25 17:00:00 | 漫画
2000年~2017年:小学館刊。 著者:大和和紀。
10巻までを古本で求め、以降は新刊が出るたびに1巻ごとにネット購入。
なのでラストに辿りつくまでに結構な時間が経ってしまいました。
それって割とイライラするんですよね。
出来れば全巻揃えで古本をポチれれば一番ラクなんですが。
それはともかく16巻で完結してホッとしました。


『イシュタルの娘』第一巻。全16巻の長丁場なのにヒロインはほとんどトシをとりません(^^;
 
小野於通(おのの・おつう)といえば、それなりに知られた人物ではあるものの、
歴史上の超有名人というわけでもなく、無位無官の、言ってみればのタダの一般人。
なので、まとまった形の記録は残っておらず、そのため一時期は実在した人物かどうかの疑念も
持たれていました。
ただ書画を始めとして和歌の創作にも優れた業績が知られており、広い審美眼を具えた女性としての
足跡が断片的に残っているのみ。
その才能が多岐にわたるため、実は複数の人物を繋ぎ合わせた存在ではないかとの説も。
近年その実在がようやく裏付けられたようですが、その人物像には、依然ナゾの部分が
残っているようです。
本作は大和和紀(漫画家)さんが、断片的な史実に大いなる創作を加え紡いだ大河歴史漫画。
読んでいてこれって事実はどうなのよ?と思う場面は多々あるものの、
読み物としては大変面白く描けているので、まあいいかな?と思いました。
それにしても信長~秀吉~家康三代の天下人に親しく仕えたというのは盛りすぎかな?(^^;

個人的に注意を引いたのは、三代将軍・徳川家光の乳母=春日局の部分でした。
かつて池田理代子さんの歴史漫画、『春日局』全三冊(文庫本)を読んでいたので、比較してみて
同じ人物でも描く人によって、かなりの違いが見受けられるのだなあと面白かったです。

『山本耳かき店』読みました。

2018-01-10 16:00:00 | 漫画
2010年:小学館刊。 著者:安倍夜郎。 アマゾンで中古をポチリ。
漫画ファンにとって、安倍夜郎氏といえば何といってもあの『深夜食堂』が
一番にあげられれるでしょう。
テレビドラマや映画化もされているので、特別に漫画ファンではない人でも
知っている作品かもしれません。
自分の場合も安倍夜郎氏の代表作といえば、やはりこの『深夜食堂』ですね。


久々に『山本耳かき店』を読みました。

ただ彼のデビュー作品となると、この『山本耳かき店』ということになります。
もうずいぶん以前の話になりますが、ビッグコミックO誌で初めて本作を目にした時は
独特の個性、その鮮烈さに接して、軽いショックさえ受けたのを憶えています。
ただ自分はその頃から漫画週刊誌を定期的に購読するようなことはなくなっていきました。
なので第一作以降どうなっているのかは全く知らないままで時間が推移していました。
あれからも作品はポツリポツリとながら描き続けられていたこと、
一冊の単行本として出されていたことなど今回初めて知りました。

それで久しぶりに読んでみました。第一作は、いま読んでも可なり高水準な作品と思いました。
しかし話数を重ねるにつれ、徐々に<普通の漫画>水準にパワーダウンしていると感じます。
言ってみればあの『深夜食堂』の水準なんですね。もちろん『深夜食堂』は大好きだし
(単行本を全巻もっているくらいです)否定的な意味でもないんですけど、
第一作のような”独特に不思議な世界”をみせてくれた高いレベルには届かず、
言わばありふれた世間話レベルだなと感じてしまいました。
ちょっとした良い話、ストーリーというか。
特別な傑作をパワーダウンせずに出し続けることを期待されても、そうそう出来ることでもない
でしょうから、ある意味仕方ないんですが、やはりちょっぴり残念でしたね。
『山本耳かき店』=2004年~2010年、ビッグコミックオリジナル誌に掲載。

『謎のあの店』 読みました。

2017-12-23 16:00:00 | 漫画
2012年:朝日新聞社刊。 著者:松本英子。
タイトルの怪しさ?と、レビュー記事を読んで興味をひかれて購入。
なんというか、もう先行イメージそのままな漫画でした。(^^;

街中で、風変わりなお店を目にしたら、誰しも「この店の実体って?」
というか好奇心が起こってしまうのは有りがちなことと思います。
この漫画は、そういう視点で、実際はどうなの?と作者自身が行動して
結果を報告してくれるものです。
有りそうで実際は無さそうな、こんな作風の漫画も成立するんだと思いました。
今さらながら、漫画世界の発展というか専門化を感じさせられましたね~。


イメージ通りの漫画でした。こんな好奇心って誰にも有るのでは?

探訪先の一例として、◎山奥の不便な場所に建つ喫茶店(客は稀にしか来ないと思われます)
◎超レトロな美容院◎銀座の明朗会計キャバレー◎退行催眠術による生前の自分探しetc。
どの話も自分には面白く、エンタとしてちゃんと成立しています。
なので買って損はないという感じの漫画でした。まあ万人向けとは言えないかもですが。
続刊②③もあるのですが、こちらも購読すべきか、目下思案中(^^;

追記:
結局5分ほど前に、アマゾンでポチってしまいました(^^;