みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『クリムゾン・ピーク』観ました。

2016-12-18 16:00:00 | 洋画
2015年:米ユニバーサル。 監督:ギレルモ・デル・トロ。 セルBDにて視聴。
待っていた廉価版がアナウンスされたので早速ポチりましたが、発売日までに
何ともう一段価格が下がって、大いに財布に優しいBDとなりました(^^;

 
母親はコレラに罹って亡くなる。          骸骨姿の霊となり娘に忠告。怖くて引きつってますがな(^^;

母親をコレラのために早く亡くした幼いイーディス。
ある夜に娘の将来を案じて忠告にベッドまでやってくる母親の霊。
「クリムゾン・ピークに気をつけろ」
だが骸骨姿の、いかにも邪悪な風体では、子どもに恐怖感を催させるだけと思われる。
純白の衣裳とかに身を包み、いかにも天国からやってきた優しいお母さん、といった演出が
必要だろう(^^;

 
父娘の仲はとても良い。              パーティ会場へイーディスをエスコート。

いつかイーディスも年頃の美しい娘に成長。だが中味はまだまだ子供。
働きもせずに毎日を気ままに怪奇小説の執筆などに費やしている。
母親を早くに亡くしたせいか、父親のカッシング氏は娘を溺愛し、彼女の好きにさせている。
そんなカッシング父娘の前に突然現れたのが、英国の貴族という触れ込みのルシール(姉)と
トーマス(弟)のシャープ姉弟。

 
アメリカ男のダンスはなってないとルシール。    欧州仕込みのダンスの腕を披露するシャープ氏。

はじめトーマス・シャープ氏(弟)は、カッシング氏に怪しげな機械のアイディアを売り込む。
カッシング氏から多額の開発費用を引き出そうとするのだが、まったく相手にされない。
すると姉弟は作戦を変え、娘のイーディスに近づき、細やかに彼女の機嫌をとる。
優しくされ、自作の小説を褒めてくれるシャープ氏を段々に好きになってゆくイーディス。
世間知らずのお嬢さんはしょうがないもんだ、という感じですかね~。

 
シャープ姉弟になぜか胡散臭さを感じる父親。    姉弟の身元調査を探偵に依頼する。すると....。

素性の怪しいシャープ姉弟に、胡散臭さを拭えないカッシング氏。
探偵を使って、彼らの身元調査を密かに依頼。その調査結果は驚くべきものだった。
だが何故かカッシング氏は突然に急死してしまう。
現場には目撃者もいなかったために警察は心臓麻痺による自然死と判断。
しかしカッシング家の顧問弁護士と旧知の医師はそれに納得できず、個人的に状況調査を行う。
それでも決定的に他殺と確信させるだけの材料は、やはり発見できずに終わってしまう。
父親の葬式をすませた後にイーディスは早々にシャープ氏と結婚。
彼の故郷である、クリムゾン・ピークと呼ばれる土地に向かう。

この映画、ホラーというよりもホラー風味の連続猟奇殺人事件という感じかな。
”絶対的な怖さ”という意味では、あまり怖くはないようです。
ただ絵画的な、というか画面的な美しさは可なりのモノですね。
西洋美術絵画に触れているような感覚があります。
また、このBD盤は自分にとって初のDTS:X採用盤なので、どんな音響体験が?
とか期待しましたが、これは至って普通のサラウンドでした(^^;
画質もとりたてて悪くはないけど、BD盤としては普通の画質でした。

『おにぎり通信①②③』読みました。

2016-12-16 16:00:00 | 漫画
2013~16年:集英社刊。 著者:二ノ宮知子。 アマゾンにて購入。
かつて『のだめカンタービレ』で一世を風靡した感のある二ノ宮知子さんの
(漫画による)二児の子育て奮闘記です。
まあ創作によって構成されるフィクションではなく、リアルな実生活がネタですからね~。
毎回おなじような話で、おなじような結末になってしまうのは仕方がない?
時折りお子さんの少しづつ成長してゆく部分も織り込まれていくんですが、
読者としてはそうした中から興味のもてる部分をどのくらい感じ取れるかで
本作に対する評価がかなり変わると思います。
それにしても今更ながら出産や子育てをテーマにした漫画は本当に増えましたね。
けっこう読者が見込める、というか商売になることが出版社等にも分ってきたのでしょう。
なまじっかな創作よりも、実体験に根ざすリアリティが共感を呼ぶのだと思います。
出産や子育てって世にありふれた事項のようでいて、個人の中ではそれぞれオリジナル
かつ強烈な体験として心に刻まれるからでしょうね。
まあ分ったようなコメントは出来ても自分はオトコですから、しょせん女性の
立ち入った部分は理解できてないんでしょうけど。


アマゾンでポチりました。③のみ新本(^^;

それで作風というかギャグのパターンなど、これはやはり二ノ宮さんだなと分ります。
ファンである自分には楽しめましたが、同じパターンで3冊続いてしまうと、
流石にチョット飽きるかな.....、といったあたりで3冊目の最終ページ。
巧いねどうも(^^;
この作品を読んで、二ノ宮さんの他の漫画本をまた読んでみたくなりました。

『黄金のアデーレ』観ました。

2016-12-14 16:00:00 | 洋画
2015年:英・米。 監督:サイモン・カーティス。 WOWOWからの録画。
以前からちょっと気になっていた映画です。本日ようやく観ましたが....
とても面白かったです!

 
仲の良かった姉の葬式。              遺品の中に気になる手紙が。

最近、姉ルイーゼを亡くしたマリア・アルトマンは、姉の遺品の中から気になる手紙を発見。
ぜひ信頼できる専門家に相談したいと、旧知のバーバラ夫人に打ち明ける。
弁護士の息子をもつ彼女は、さっそく息子ランドルに電話してマリアの件を知らせる。
姉の手紙には、かつてナチによって没収された絵画や美術品の返還にむけて、ようやく
オーストリア政府が動き始めたようだと記されていた。

 
クリムトの画を元にした絵ハガキ。         美術品返還法の改定に望みを託すマリア。

マリアはナチスによるユダヤ人狩りから逃れ、夫と共に故国オーストリアからアメリカに
やってきた過去をもつ。
ナチによって無法に没収された美術品を、裁判で何とか取り戻せないかというのがマリアの言い分。
で、その美術品の評価額だが、何と一億ドル以上!

  
忌まわしい過去の地、ウィーンへ飛ぶ。       まずは政府の審問会に申請する二人。

ランドルはマリアと共に、絵画の返還を求めてオーストリア・ウイーンに飛ぶ。
地元の雑誌ジャーナリスト・チェルニン氏と知り合い、友人として様々な助力を得るが、
結局オーストリア政府には本気で美術品を返還するような気はないことが見えてくる。

 
ウィーン市内。美術館ではクリムト展。       結局オーストリア政府に美術品返還の意思はなさそうだ。

あまり知名度のない、ニ級の美術品ならば、割とすぐに返還が認められる。
だがモノが一級品となれば、態度はがらりと変わる。
特に”ウイーンのモナリザ”とも言われる、クリムトの傑作『アデーレの肖像』とも
なると、文字通りの別格扱い。
まず裁判を起こすだけでも180万ドルの預託金が必要になる。到底そんな金はない。
あれやこれやで形勢不利と見たマリア、ランドル側はいったんアメリカに帰国するが....。

 
ナチスドイツのオーストリア併合。         同胞ユダヤ人が痛めつけられていても何もできない。

第二次欧州大戦勃発直後、ナチスドイツは直ちにオーストリアを併合。
ドイツ本国と変わらぬユダヤ人排斥の嵐がオーストリアにもやってきた。
両親の見通しの甘さからアルトマン一家は逃げ遅れ、故国からの脱出は
文字通り、命がけの逃避行。当然ながら可なりの緊迫感が連続するシーンとなります。
年老いた両親は、娘夫婦の足手まといになることを恐れて、そのまま家に残ると決意。


かつてナチが強奪したクリムトの傑作『アデーレの肖像』。

現在と過去がたびたび入れ替わってストーリーは進んでいきます。
ところでヘレン・ミレンの高齢からくる問題なんでしょうかね~?
なにかフッと演技の緊張感の途切れを感じる瞬間が時々あって、ちょっと気になりました。

『アーロと少年 3D』観ました。

2016-12-12 16:00:00 | 劇場用アニメ
2015年:米ディズニー。 監督:ピーター・ソーン。 セルBDにて視聴。
かなり評判が良いようなので観てみました。なるほど、これは中々のものでした。
冒頭に草食系の恐竜一家がコーンを耕作してるシーンを見て、思わずニヤリ。
むかし子どもの頃にトウキビの種をまいて育てたことがありますが、どうにも育ちが悪い。
考えた末に、道路のあちこちに落ちている馬の糞を与えたところ、グングンと急成長(^^;
ですが実が入り始めたところで雪の季節になってしまいアウト。
基本的に播種が遅すぎたってことなんですが....まあ個人的な思い出は置いといて(^^;


『アーロと少年 3D』のセル盤。

この映画に関し寄せられた多くのコメントの中には、通常なら人間が飼主で
恐竜がペット(あるいは家畜)だが、この映画では主従の関係が逆転していると
記述しているものがありました。
まあ確かに生産する側が主人という考え方なら間違ってはいないんですけど、
この映画の内容を観るかぎりアーロと少年の関係は割と対等ですね。

少年が恐竜一家の作物の貯蔵倉に入りこんで好き放題に食い散らかす。
一家の労働の結晶を台無しにする飛んでもない奴だ。
とうぜんアーロと少年はお互いを敵として戦うことになる。だが片方がケガを負うと、
もう一方の対応は思いがけないほど優しく変わっていく。
まあその辺は、ちょっと自分には甘すぎるかな~と感じてしまったんですが(^^;
だが両者の戦いのすえに、気づいた時には故郷のギザギザ山の見える地からは
遠く離れてしまっていた。
早く家に帰らなくっちゃ。
両者の敵対関係は消えて、力を合わせて故郷を目指すようになる。
最終的には堅い友情で結ばれるようになる二人?ですが....。

最後まで結構ひっぱるストーリーですね。良く練られているなと感じました。
精緻に描きこまれた大自然の3D描写はなかなか見応えありますね。
ただ幾らか人間の手が入っている現代の森林・山岳という気もしますが。
でもそれは言っても仕方がないかな?
何せ草食系恐竜が耕作をして、肉食系恐竜が牧畜を営むような仮想の世界ですからね~。
厳密には”恐竜の時代”などとは言えないかも(^^;

「ミューズの方舟」2016年度発表会に寄せていただきました。

2016-12-10 16:00:00 | オーディオ
2016年12月04日、品川区中小企業センターにて開催。
オーディオ評論家だった故・長岡鉄男氏の呼びかけにより発足した、
スピーカー自作をメインテーマに活動するオーディオ同好会”ミューズの方舟”。
ネットで2016年度発表会の開催を知り、足を運ばせていただきました。
手作りのプログラムが無料配布され、定刻間近になるにつれて席は埋まっていきます。
もちろん毎回会員の方たちの力作が発表されるわけですが、今回の発表会の目玉企画は
長岡鉄男氏設計のD-57 vs メーカー製高級スピーカー
となります。
長岡鉄男氏は生前多くの自作スピーカーを設計~発表されましたが、中でもバックロード
ホーン方式採用のD-57はマニアやメーカーなどに対して人気・注目度の高い作品でした。
またメーカー製高級スピーカーというのは、フォステクス社のG-2000aを指します。
同社にとっても技術の粋を注入した、ブランドを代表する看板商品の位置づけとなります。
もっともD-57に搭載されているスピーカーユニットも同じフォステクス製品ですから、
この勝負、どちらに転んでもフォステクス社にとっては問題はなさそうですが(^^;

 
定刻。会長さんから開会の辞。           アキュフェーズ社から無償で貸出された超高級機器類(^^;

  
トップバッターは共鳴管方式スピーカー。      こちらが設計製作をされたカノンD5氏。

トップバッターは共鳴管方式スピーカー、S-054 83Diamond。
今回は”8cmユニット使用”がお題であるため、すごく手間のかかった大きなキャビに
8cmのユニットがちんまりと納まっています。
音も悪くなかったのですが、もう少し大きな口径のユニットを使った方が音の出かたに
余裕が出たのでは?と感じてしまいました。
設計製作をされたカノンD5こと鈴木智彦氏は知る人ぞ知るスピーカー自作の達人で、
現在は自らのクラフトスピーカーメーカーを立ちあげられています。

 
螺旋ダクト方式『ラミ参号』。           アルミパイプ方式『デュール・ムー』。

続いては田中博志氏による螺旋ダクト方式『ラミ参号』。
全体的なデザインはさいころ型、バスレフダクト内部の形状を螺旋形に仕上げた個性派。
というか、どの出品者も普通じゃないところを狙って設計製作されているので....(^^;
そして井上康宣氏のアルミパイプをキャビに仕立てた『デュール・ムー』。

 
なんと五角形構造の”五稜郭”。          バックロードホーン方式『チューバ・ソルデス』。

内野幸次氏の出品された『五稜郭』は、素人レベルの工作では手に余るような、難しい
五角形の構造をしたダブルバスレフ方式。
また前田好一氏の『チューバ・ソルデス』はバックロードホーン方式。
通常なら内部の折り曲げホーンに直線構造を採用するところですが、本作品の場合は
すべて曲線構造を取入れており、結果的には相当工作の難易度の高い作品となっています。
もっとも、複雑な構造だからといって、音が良いかどうかは別の問題ですが、
この場合は両作品ともに製作者の努力がうまく報われた好例と感じました。

 
アクリルの可能性に挑戦する前田好一氏。      反射の具合で白っぽく見えていますが、実際は透明。

アクリル材の音響的可能性に挑戦する前田好一氏。
すでにアクリル材によるキャビを何作か製作ずみで、音響材料としての優秀性を実感
している、といったご本人のコメントがありました。ただし非常に硬くて素人工作では
難渋を極めるため、第二作以降はプロに製作を任せているとのことです。
実際に聴かせていただくと....ん~正直なところ何か良く解りませんでした。
取り立てて悪いということではないんですが、明確に「これは良い!」ということでも
なくて....。スミマセン歯切れが悪くて(^^;
自分の部屋でじっくりと聴けるのならばともかく、聴いていきなり「アクリルは良い!」
とかはなかなか言えないです。

  
スタイリッシュな『FLAT-8』の雄姿。       いよいよ真打企画でD-57登場。

『FLAT-8』がステージ上に登場するや、その鮮やかな、スタイリッシュなカタチに痺れました。
思わずどんな音がするのかと超絶に期待。
しかしハテ?縦長のバッフル板に8連のユニットが並ぶ構造。
ふ~ん、ハコって無いんだな、すると板でつながっているだけか~。
それだと低音は出なさそうだなあ~でも理屈はともかく案外頑張ってくれるのかな?
実際に出てきたのは低音の聴こえてこない、まさに理論どおりの音で少々、いや
かなりガンガンと喧しく聴こえるのには参りました。
こんな広い会場で鳴らすのではなく個人の室内ならば、周囲の壁やモノが巧く作用して、
もっと落ちついた良い音になるのでは?
しかし製作者の内田篤志氏によれば、こんな広い場所で鳴らしたのは初めて、いつもより
良く鳴っていると思いますとコメントされたので思わずダアとなってしまった(^^;
まあ同じ音でも、人の受け取りようは様々ということで....。

 
ペア140万円の商品。設置も慎重です(^^;      僅差でD-57に勝利。同席したメーカー氏の胸中は安堵?

最後に、いよいよ本日のメイン・ディッシュ、D-57 vs メーカー製高級スピーカーのイベント。
始めにも書きましたが、メーカー製高級スピーカーというのは、フォステクス社のペアで
140万円するG-2000aを指します。
この高額商品と個人の手作りのクラフトスピーカーを同列に並べて評価しようというのですから
ちょっとだけムチャかも(^^;
3種類のCDを使って何度も鳴らしてみた結果、会場の反応ではG-2000aがやや優勢、といった
結果でした。
個人的にはD-57の音は開放的だが軽いという感じ。またこのキャラだとクラシックにはあまり
合わないだろうと思っていましたが、ソースによっては案外いけるようです。
逆にG-2000aの方はやや抑制的で、ハシャぐような音は出さないといった性格のようです。
それがオーケストラの強奏時などうまく作用して、厚みのある音といった感じになるようでした。
両者とも同一価格で自分の予算内ということならば、G-2000aを選ぶと思います。
ただ同席していたフォステクス社の方によると、G-2000aの場合、100万円クラス以上のパワー
アンプが必須で、安いアンプでもそれなりに鳴るD-57とはわけが違いますよ~とか発言されて
いました。
そのひとこと、可愛くない!かも(苦笑)。