日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

日本経済は崖っぷち

2022年10月19日 09時28分26秒 | 日々雑感
 昨年の「文藝春秋」11月号に財務省事務方トップの矢野事務次官が、10月末の総選挙に向けて与野党ともにバラマキ合戦のような経済政策をアピールしていたことを痛烈に批判した。この矢野発言に対し、自民党の高市政調会長は困っている人を助けないのは馬鹿げた話だ、と非難したそうだが、その近視眼的な発想が今なお政界ではまかり通っているようだ。

 すなわちコロナ禍で困っている人を助けないのは馬鹿げた話だとばかり、個人向けや事業者向けに助成金や補助金をばらまいているのだ。事業者向けコロナ補助金では、雇用調整助成金や新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金、等多数ある。

 雇用調整助成金では、今年9月までに不正受給が総額135億円になることが厚労省への取材で分かったとの新聞記事があった。不正が多発する原因として、コロナ下で解雇が急増することを懸念して手続きを簡素化したことが考えられるとあった。数多くの助成金に応募が殺到したため事務手続きの人手不足もあり審査が甘くなり、不正が増えたようである。人は誰でも金が欲しい。簡単な手続きで金が入るとなれば誰でも応募する。行政も、原資は税金であり国の負債が1千兆円を越している現状を鑑みて、今更多少倹約したところで無駄だとばかり大判振る舞いしたのでは無いかと憶測する。

 また、この冬に向けて電気料金やガス料金が更に高騰する見込みであり、岸田首相は値上げの半分程度は国で補助するつもりだと表明した。一般庶民にとって非常にありがたい話ではあるが、原資は国の税金であり、いつかは返さなくてはならないことを忘れてはならない。

 野口悠紀雄氏は著書「2023年、日本の金利上昇は必至! 円安と補助金で自壊する日本」の中で主張している。現在の異常な円安は、日銀が国債の金利を低く抑える金融緩和政策を続けていることによるが、物価上昇率が2%を超える経済下で、長期金利が2%以下とは考えられない。このまま円安が続けば、国内の資金はよりよい投資先を求めて外国へと流失し、日本の国力は衰えていくと、現在の日銀と政府の施策の問題点を指摘している。

 日銀の黒田総裁は今国会の予算委員会でも大規模金融緩和を続行すると表明している。。ゼロ金利政策を止めると、国債が暴落すると共に、中小企業の資金繰りが悪化し倒産が続出するとの恐ろしい予測もあり、日銀は怖くて実施出来ないが本音のようだ。ぬるま湯に浸かったカエルが外に飛び出すのを怖がっている体だ。

 政府も日銀も1千兆円を越える国の借金も今後の経済成長により、何とかなると楽観しているようだが、経済成長を目指さなかった政権は無いが、成功した政権もない。困っている人を助けないのは馬鹿げたことだと、国の借金を増やすことは、将来に大きなつけを返さなくてはならないことを意味している。2022.10.19 (犬賀 大好ー856)