日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

プラスティックが人類の敵になるか?

2018年10月31日 10時18分53秒 | 日々雑感
 外食産業のスターバックスやマクロナルドが相次いでプラスティック製のストローを紙製に替えるとの話題が一時マスコミを賑わせた。

 また、環境省は10月19日、中央環境審議会の専門委員会で、プラスチック製レジ袋の有料化の義務付けを含んだ使い捨てプラスチックの削減戦略の素案を示した。

 これらの動きは、プラスティック製品が投棄された結果、環境を汚染していることが顕著になっているからである。

 日本国内では年約900万トンのプラスチックごみが排出されており、そのうち約400万トンが包装容器やペットボトル、レジ袋といった使い捨てプラスチックで、家庭などから出る一般廃棄物の比率が約8割を占めるのだそうだ。

 プラスティック製品は実に便利である。家庭の至る所にその存在が目に付く。しかも水にぬれても腐ることなく化学的に安定した物質であるが、この性質が裏目に出ているのだ。水中や土中にあっても分解することないため、長期に亘り災いとなるのだ。

 合成高分子をベースとしたプラスチックの生産が本格化したのは1950年頃、プラスチックは発明されてからまだ100年くらいしか経っていない。本格的にプラスチックの製造が始まったのは第2次世界大戦後であるので、まだ50年ほどしか経っていないことになるが、早くも地球を汚染する元凶となりつつあるのだ。

 そのため環境省は素案の中で、遅ればせながら使い捨てプラスチックの削減目標を2030年までに25%減らすとしたのだ。

 スーパーやコンビニエンスストアなどの買い物では、消費者はレジ袋1枚当たり数円払うことになりそうだ。あらかじめ買い物袋を用意しておけば出費が増えないので、消費者の協力は得られそうだ。

 海外ではレジ袋について、既に禁止や有料化といった対策を始めている。フランスは2016年に禁止し、オランダやポルトガル、インドネシアなどでは有料とし、オランダでは2016年に袋1枚当たり34円程度を課したとのことである。日本は相変わらず動きが遅いが、間違いなく実行されることになろう。

 プラスチックが地球環境を汚している事態が次第に深刻化してきた。ペットボトルやレジ袋が河川や海岸を汚す風景はよく目にするが、それらはまだ回収可能なだけにまだ救いようがある。しかし、マイクロプラスチックは質が悪い。

 大型のプラスチックは、一般に紫外線や波等の外力を受けて粉々になり、微小化するそうだ。これがマイクロプラスチックと呼ばれるのだ。マイクロプラスティックは水に運ばれて世界中に拡散し、回収しようが無い。

 マイクロプラスチックは既に鳥、魚、クジラの体内から発見されているが、化学的に安定しているため、生物には影響を与えないようにも思えた。大型であれば消化器官を詰まらせることは想像できるが、微小化すると汚染物質を吸着して体内に運ぶ懸念もあるとのことだ。

 数年前、海塩からマイクロプラスチックが初めて見つかり、世界の食塩の9割にマイクロプラスチックが含まれているというショッキングな結果が最近報告されたそうだ。

 それがついに人間の中からも見つかったのだそうだ。10月23日に欧州消化器病学会で、ある予備的研究に協力した8人の糞便から発見されたのだ。人間に入る経緯や人体に及ぼす影響に関しての研究はこれからだそうだが、人類の味方と思われたプラスティックが敵となるかも知れない。2018.10.31(犬賀 大好-490)

メタンガスは地球温暖化の伏兵か?

2018年10月27日 09時29分27秒 | 日々雑感
 温室効果ガスの内二酸化炭素は放出量が格段に多いことから地球温暖化の最大の原因と見なされているが、メタンガスはその陰に隠れた悪者だが実体はよく分かっていないようだ。

 米環境保護団体の環境防衛基金(EDF)は今年4月、世界の主要なメタンガス発生源の観測を行うため、人工衛星を打ち上げると発表した。発生源には、産出量全体の約80%を占める50カ所の油田・ガス田地域に加え、家畜肥育場やごみ処理施設などが含まれるそうだ。まず実態を把握することが最優先であろう。

 大気中のメタンガス濃度は1.7ppm程度で、炭酸ガスの350ppmと比較すると遥かに低いが、1分子当たりの温室効果で比較すると、炭酸ガスの約20倍の影響力を持っているとの話しだ。

 それでも、温暖化に対してまだ1/10程度の影響力しかないが、炭酸ガスが植物や水に吸収されるのに対し、メタンガスを吸収するものがない。その上メタンガスの大気中寿命は12.4年で、一旦放出されると少なくとも10年間は大気中に留まり悪さをする化学的に安定なガスである。

 メタンガスは、無色、無臭で有機物が腐敗することによって生じ、濃度が高ければ自ら燃焼し、水と炭酸ガスになる。石炭や石油と同じように植物や動物が材料となって生成されるので化石燃料と見なすことも出来るが、今なお植物、動物から生成されている点で大きく異なる。

 米国ではシュールガスは1990年代から新しい天然ガス資源として重要視されるようになった。当初シェールガスは石油、石炭より温室効果ガス排出量を減らすことができると希望を持たせたが、その後従来の天然ガスや石油よりも影響が大きくなるとの指摘が学会から上がるようになった。

 メタンガスは油田・ガス田から多く排出されるが、自然湿地からのメタンの発生量も多いとも指摘される。しかしその量をどう推定するかという問題がある。人為的な発生や密度の高い発生源については評価は比較的正確であるが,自然湿地からのメタンの生量の推定値には不確定さが大きい。

 理由は、湿原からのメタンは単位面積当たりの発生量は少ないけれども全面積が膨大であるという特徴を持っているからである。
更に、季節はもちろんのこと、数m離れた測定点で発生量が数倍異なるなど、個々の測定から全体量を推定することが難しい状況にある。そこで大気中濃度を測定することにより,平均的な発生量を求める手法が有効ではないかと考えられ、衛星打ち上げとなったのであろう。

 また、水は高圧下でハイドレートと呼ばれる氷状の結晶になり、その結晶中にメタン分子を含む物をメタンハイドレートと呼ばれるが、シベリア等の永久凍土や世界各地の海底に広く存在するのだ。

 日本は、石炭、石油などの地下資源が乏しいが、メタンハイドレートは日本周辺水深1キロメートル程度の深海底、地層内に分布し、四国沖、御前崎沖なで膨大な量の存在が確認されている。

 地球温暖化により凍土が緩んだり、海水温度の上昇により海底のメタンハイドレートが融解すると、メタンガスが放出され温室効果を加速する懸念が生ずる。これは温室効果の正のフィードバックと呼ばれる最悪の筋書きである。

 以上は、過去に蓄積され埋蔵されたメタンガスであるが、今なお作り続けられるメタンガスもある。日本のメタン発生量は2015年で3300万トンであり、その中で割合として最も多いのが稲作で44.4%、牛のゲップの23.4%などであり、あわせると農業で75%を占めるそうだ。日本が発生する温室効果ガスの中での影響力は現時点ではさほど大きくないと思われる。

 しかし、羊や牛といった反芻動物が出すゲップ中に含まれるメタンガスが、地球温暖化の大きな原因となっているとの、ニュージーランドの研究者がまとめた報告もあるとのことであり、今後メタンガスが大きな問題となりそうである。
2018.10.27(犬賀 大好-489)

LGBTに対する社会学的な勝手な考察

2018年10月24日 09時37分25秒 | 日々雑感
 人間の性は受精直後に決まり、男女の体形は胎児におけるホルモンによって決まるとのことだ。しからば心はいつ、どうやって決まるのであろうか。

 サイモン・ルベイという科学者は、遺伝子、ホルモン、ストレス、脳、認知心理学、行動学的心理学、精神分析など、性的指向を扱う科学理論を網羅的に取り上げ、その中で非遺伝性の要因すなわち生後の環境要因(胎内でのストレス、養育に関する親の態度、幼少期の条件付けのパターン、幼少的の性的体験など)について考察したが、はっきりとはわかっていないと結論づけた。

 しかしLGBTとなるからには何処かに原因があるはずである。直接LGBTには関係しないが、性に関する社会学的な興味深い話がある。深いところで繋がっているかも知れない。

 動物の世界では通常オスは、メスをめぐって争い、好戦的な存在である。そこで社会的な動物のコミュニティでは、過度にオスらしいオスは協調を乱す存在として嫌われる傾向がある。

 このため社会的な動物であるヒトのオスは、他の個体と協調しなければならず、更に育児行動などに積極的に参加するなど、メス化するのだそうだ。

 実際に、チンパンジーの群れに同性愛の個体を入れたところ、群れの協調性が増したという研究報告もあるそうだ。

 男女共同参画社会が叫ばれる昨今、オスらしい男性は必要とされなくなっている。LGBTとなる原因は明確ではないが、将来これも原因となるかも知れない。

 また、争いの無い平和な世の中では男性の精子の数が減少しかつ活動が不活発になる傾向にあるそうだ。2018年2月のNHKクローズアップ現代によると、去年、欧米男性の精子の濃度が40年で半減したという衝撃の調査結果が発表されたそうだ。

 先述のオスのメス化は外観的な行動上の話であるが、それが肉体的にも現れたのであろうか。日本人も対岸の火事ではないとのことだ。

 最新研究でも、ある年齢を境に、受精卵の細胞分裂を促す力がない精子が急増する可能性があるというのだ。WHOによると、不妊の原因は、半数が男性側にあるという。精子の数の減少もさることながら、精子自体に元気が無いのだ。

 昔から、貧乏人の子沢山の言葉がある。これは、種の保存の原則から、貧乏で食事も十分に摂れず生存が脅かされると精子の活動が活発になり、妊娠しやすくなるとの説である。

 出生率が1位の沖縄の県民所得は最下位で失業率は最高であり、そして、出生率最低の東京は一人当たり県民所得が最高だそうだ。所得と貧乏は強い相関関係があるだろうから、先の説は尤もであると言うのは、言い過ぎであろうか。

 精子減少の主原因は、睡眠不足だそうだ。寝る時間が一定でない、深く眠れない日が続くとこの原因になると言う。最新の研究でも、睡眠時間が6時間半未満だと、7時間以上の人より、精子の数が2割も少ないと報告されている。貧乏人は他にすることが無いから寝てばかりいると言うことかも知れない。

 現代社会では、睡眠不足は働き盛りの男性ばかりでなく、塾やゲームに熱中する児童にまで広がっており、精子不足予備軍は確実に増えている。

 オスのメス化と男性の精子不足は直接関係ないように見える。精子不足は睡眠不足が主原因であるかも知れないが、メス化による性欲不足、強いては精子不足にも関係ありそうな気がする。

 ダーウィンは、”体の大きな、強い動物が生き残ったのではない。環境に適応した動物が生き残ったのだ”と主張した。この言葉の意味するところは、時代や環境の変化に対応していくことが生存の条件であるとのことだ。

 男女協調社会、平和な世の中、睡眠不足、と現代の社会環境は、少子化の方向、更には一億総LGBT化の方向に向かっている。2018.10.24(犬賀 大好-488)

自然現象で何が起こるか分からない

2018年10月20日 11時22分40秒 | 日々雑感
 今年の夏は猛烈に暑かったが、10月の中旬ともなると最高気温が20℃を下回るようになり、早くも夏の暑さが恋しくなってきた。人間とはいかに勝手なものかつくづく思う。

 2018年に入って猛烈台風にまで発達したのは10月20日現在、台風25号を含め6個目で、1983年に並ぶ最多タイだったそうだが、台風の発生回数で見ると、最多は1967年の39個で、次は1994年と1971年の36個だそうで、今年はまだ25個と少ない。

 台風の発生数だけの比較では地球温暖化の影響が現れていると判断できないが、北極海の氷の減少等、様々な現象から地球温暖化は間違いなく進行している。

 地球の環境を支配する要因は多い。その要因とは、大気の組成、地球の公転軌道の変化、プレートの動き、太陽の活動変化、地球-月系の軌道の相互関係、火山活動の影響など、様々である。

 さて、地球温暖化を主張する人がいる一方、地球寒冷化を主張する人もいる。実際地球が過去に氷河期を迎えた証はヨーロッパアルプスの氷河等にその名残を見られるが、その原因に関しては確固たるものがない。

 ここ10数年の太陽は100年に一度くらいの黒点数の少ない時期となっており、今年は、昨年の同時期と比べて、黒点の数が6割少ないことが判明し、これが太陽が本格的不活発な周期へと変わる準備をしているためだと考えている人がいる。太陽活動の不活発は地球への放射熱の減少となり、地球寒冷化へとなるのだそうだ。

 2017年末にロシアの科学アカデミーも太陽活動周期が極小期に突入した、と発表しており、またNASAの調査でも太陽の活動状態を示す黒点がゼロ状態になっていたとのことであり、最近の太陽活動の不活発なことは間違いない。

 これを根拠に英国の研究チームが、新たな算定方法で、太陽の活動周期をもとに、ほぼ100%の確率で2030年に地球にミニ氷河期がやってくると警告しているのだ。

 更に、この太陽活動の周期と同様に、現在地球は火山活動の活発期に入ったと主張する学者もいる。火山活動は太陽活動とも連動している傾向が見られるそうで、数年前からの太陽活動の低下に伴い、火山活動が活発になっているとの説である。

 火山活動により空中に火山灰が放出されると太陽光が遮断され寒冷化するとの説だ。20世紀には大規模な火山活動によって地球の平均気温が数度下がる現象が何回も観測されたのも証拠だそうだ。

 素人目には太陽の黒点の数と地球の火山活動には何ら関係ないと思えるが、自然には不思議なことがいっぱいある。

 地球上の大陸の形がジクソーパズルのように当てはまる原因が、単なる偶然と長年思われてきたが、プレートテクトニクスにより説明できるようになったのはごく最近である。大陸が移動するなんて、とても想像できないが、いづれ誰か天才が解き明かすのだ。

 さて地球寒冷化とは真逆な地球温暖化が暴走を始めたとの懸念もあり、この暴走を止めるためにも、氷河期の到来が期待されるが、寒冷化は即食糧危機に繋がるため、これはこれで困ったものだ。
 2018.10.20(犬賀 大好-487)

LGBTとなる原因は結局のところ解っていない

2018年10月17日 09時50分28秒 | 日々雑感
 LGBTとなる原因には、先天性要因と、後天性要因があるそうだ。先天性とは、生まれながらにそのような素質を持っていることであるが、決して遺伝的なものではなく、母親の胎内にいるときに、遺伝子等に外部から何らかの影響を受けた結果であると考えられている。

 人間の赤ちゃんは、受精直後に性が決まるのだそうだ。そして胎児が成長するにつれ、遺伝子に従い男性には男性ホルモンが分泌され、骨格や筋肉がやや多く発達し、脳も男性らしくなり、精巣や精管が形成される。女性は、体つきや脳はそのまま発達し、卵巣や子宮ができるとのことだ。

 受精直後に男女の性が決まると言っても遺伝子上での話であって、男女を特徴づける性器は直接的にはホルモンが決めるのだ。そのホルモンも遺伝子に従い内部で分泌されるものと、外部から入り込むホルモンもどきもあるので話は複雑になる。結論的には今もってよく分かっていないとのことだ。

 サイモン・ルベイという科学者は、性的指向に関するあらゆる学説や研究を検証し、『クィア・サイエンス』という本にまとめた。性的指向とは、性欲や恋愛の方向を表す概念であり、LGBTもその中に含まれる。

 この本の中で遺伝子、ホルモン、ストレス、脳、認知心理学、行動学的心理学、精神分析など、性的指向を扱う科学理論を網羅的に取り上げ、その限界と意義が検証されているとのことだ。

 その中で非遺伝性の要因すなわち生後の環境要因(胎内でのストレス、養育に関する親の態度、幼少期の条件付けのパターン、幼少的の性的体験など)については、はっきりとはわかっていないとの結論だ。

 昨年、イギリス保守党の元幹事長、ロード・ノーマン・テビット氏86歳が、汚染された空気に触れる時間が長いと、自然現象として性同一性障害になってしまうとの持論を披露したそうだ。しかし、化学物質と性同一性障害との関連性について、一切科学的な根拠を示さずにいるとのことで、老人の一方的な思い込みと思える。

 ところで、生まれる前の内分泌学的な出来事が性的指向に影響を与え得るとする一般的な仮説は次第に確実化されており、特に環境ホルモンの影響が色々研究、議論されている。

 昨年7月、英紙「Daily Mail」が、トイレに流されたピル(経口避妊薬)や、下水に流された洗剤、プラスチック、化粧品などに含まれる化学物質には女性ホルモン”エストロゲン”と似た働きをする物質が含まれており、川魚のオスがこれに曝されると、メス的な特徴を持つようになる、と報告した。

 すなわちイギリス・エクスター大学の研究チームが、イギリス国内50の河川を調査したところ、オスの川魚の20%で精子が減少し、卵子が生成されているなどしていると明らかにした。

 また、米ワシントン州のポトマック環境保護団体の調査によると、化学物質が原因で、ポトマック川に生息する80%以上のブラックバスの睾丸に卵子が生成されているなど、メス的な特徴が表れているそうだ。

 更に、我が国においても同様の問題は以前から懸念されており、2004年の東京都環境科学研究所の調査報告では、下水処理水に含まれる女性の尿が魚類のメス化の主因であると指摘されている。

 以上のように人間以外の動物世界では環境ホルモンと性に関する様々な現象が研究され報告されている。人間には、人権が絡むため調査がし難く、また精神的な要因が大きく絡むのでより複雑になるが、その内因果関係が明らかにされるであろう。2018.10.17(犬賀 大好-486)