日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地方活性化の起爆剤はあるか?

2018年07月28日 09時34分39秒 | 日々雑感
 先日、“タダでもらえる家だけ不動産 0円ハウス” と称するテレビ番組をみた。空き家問題が深刻化する中、日本各地で0円で家を譲ってもいい売主と、お金が無いけれど一軒家に住みたい人をマッチングする不動産バラエティであった。

 バラエティであるのでどこまで真実か分からないが、物件は何れも魅力的であり、即座に譲り受けたいものばかりであったが、その後の維持管理や自身の生活を考えると、二の足を踏まざるを得ないと感じた。

 小川のせせらぎ、小鳥のさえずり、竹林を渡る風等、地方農村には心癒される要素がふんだんにある。しかし、健康や日常生活に困らない金があって初めて味わえる情緒である。

 最近、町興し、村興し等、地方活性化の運動が盛んである。その一つである鯖江市の取り組みが有名である。鯖江市は眼鏡のフレーム作りで有名であるが、それ以外は目だった産業が無い。そこで町の再生プランとして、眼鏡を鎖状につなげるギネス記録挑戦イベントの開催、中国と鯖江の交流、JR駅前にカフェとライブ会場を併設した図書館の設立などで町を盛り上げ、地域再生大賞の受賞もした。

 しかし、その後鯖江市に新たな産業が起こり、若者が住み着き、人口が増え、町の再生がなされたであろうか。永続的な町の活性化のためには若者が生活費を得るための産業が必須である。イベント開催や話題つくりの施設の建設は一時的な賑わいでしかない。
都会の喧噪さに飽き、効率化や便利さを優先しない若者が増えているようであるが、彼らが田舎を目指しても、長期に安定した生活が可能なのは、健康な若い時に限られる。

 情報通信の発展により、地方でも仕事が可能なのは、デザイナーのような才能ある極一部の人間でしかない。2年前、政府が東京一極集中の弊害に目を向け、官庁の地方移転の話を勧めた。

 しかし、全面的な移転は文化庁の京都府への移転のみで、その他、広島県に移転済みの酒類総合研究所と大阪府が提案した国立健康・栄養研究所だけだった。京都府は地方といっても大都会だし、国立健康・栄養研究所は、2018年7月時点で、東京にあり、ホームページを見ても移転のいの字も出てこない。

 中央省庁の地方移転は当初、地方活性化の起爆剤になるとの期待があった。北海道と兵庫県が提案した観光庁、大阪府と長野県が手を挙げた特許庁、大阪府が誘致を進めた中小企業庁、三重県が希望する気象庁は移転が見送られた。

 移転反対の理由は、いくら情報通信が発展したと言っても、関係機関との意思の疎通が難しくなるからとのことであったが、一番の理由は職員とその家族の反対が強かったからであろう。何と言っても東京は文化の中心であり、勉強、就職、医療等、何事も便利である。

 若い時に都会で稼ぎ、引退後地方でのんびり暮らす生活は幻想である。男性の平均健康年齢を70歳とし、60歳で定年退職すれば、10年間は田舎暮らしが可能であるが、問題はその後である。

 医者、買い物等、交通手段が必須であり、地方での居住は高齢者には無理と言わざるを得ない。国が音頭を取った省庁の地方移転でも、地方と言っても片田舎では無く、しかもわざわざ国が仕事を用意してくれているのに上記の有様だ。

 地方は、これまで農業、漁業、林業のいずれかで、それなりに栄え、人が住みついてきた。経済のグローバル化が押し寄せる昨今、これまで通りの手法では、地方の活性化は望めない。

 若者が将来の夢を託せる地方は、いかにあるべきか? アイドルのイベントによる活性化とは全く別次元の命題である。答えは簡単に見つからないが、地方の疲弊は刻々と進む。2018.07.28(犬賀 大好-463)

スポーツ選手が移民政策を促進する!

2018年07月25日 09時17分44秒 | 日々雑感
 先日、大相撲の名古屋場所で優勝した御嶽海の母親はフィリッピン人だそうだ。最近、スポーツの世界において、両親の内どちらかを外国人とする二世選手、いわゆるハーフ選手の活躍が目に付くようになった。

 テニスの大坂なおみ選手や100m競走におけるサニブラウン・ハキームやケンブリッジ飛鳥選手等、枚挙にいとまない。国際化が進み、国際結婚は珍しくなくなった。柔道、サッカー、ラグビー、バスケットボールにバレーボール、ハンドボールなど、各日本代表の候補にハーフの選手が1人や2人はいる。世代が若くなればなるほど、その割合は高くなるそうだ。

 恵まれた体躯、反射神経、瞬発力等、日本人の常識を打ち破るプレーは、日本のみか世界を驚かせるに十分であり、彼らによる東京五輪でのメダル大量獲得も期待される。

 ハーフ選手におけるように、異人種の血が混ざるメリットは統計的にも証明されつつあるそうだ。スポーツ遺伝子に詳しい順天堂大学准教授の福典之氏によると、アメリカのスプリンターの遺伝子を解析した結果、最もいい成績を出していたのは父方がアフリカ系、母方が非アフリカ系という混血だったそうだ。つまり瞬発系運動能力については混血という要素が与える影響は少なくないと考えられるとのことだ。

 さて、世界を熱狂させたサッカーワールドカップが終了した。優勝したフランス代表メンバー23人中、19人が移民か移民の子供だったそうだ。移民と混血は別物であるが、元々フランスは植民地が多かった歴史があり、移民の中でも混血の割合は多いと想像される。

 しかし一方、移民と言う特殊環境が優秀な選手を生んでいるのかも知れない。概して移民は自国での生活に困窮し他国へ移ってきた人々であろうので、異人種の中で一段の努力が要求され、そこでのハングリー精神が才能を開かせるのかも知れない。

 日本では移民政策はとられていないが、法務省がまとめた2017年末の在留外国人数は256万人だそうだ。1年前に比べ約18万人も増加したそうだ。厚生労働省に事業所が届け出た外国人労働者は約128万人で、これも過去最多を更新している。

 在留外国人が増えれば、当然日本人との結婚も増え、ハーフとなる子供も増えるであろう。先述のようにスポーツ選手にハーフが目立っているが、ハーフであれば活躍できると結論づけるのは早計である。もっと幅広い統計的な調査が必要だろう。

 しかし、人権に絡む問題であるので、軽率に統計を取る訳にもいかないだろうし、まして実験するなど問題外である。しかし、最近の遺伝子解析の発展は目覚ましい。これにより混血による何かしらのメリットが見出されれば、積極的に応用しようとする人間も出てくるはずだ。

 日ごろファッションモデルや芸能人にハーフが多いと感じていたが、しかし、スポーツ系に比べ、感性に関わる要素が多いので、混血による特殊な才能と言うより、単なる物珍しさかも知れない。

 ファッションに限らず、どこかの分野において、科学的に混血が有利となることが証明されれば、世界的な婚活サイトが盛んになり、また移民政策にも影響するかも知れない。移民政策は、言語、文化や習慣の違いが関係するため、日本では二の足が踏まれている。それらの違いを乗り越えるメリットが見いだされれば、積極的な移民政策が取られるかも知れない。
2018.07.25(犬賀 大好-462)

怪我人続出の大相撲は今こそ神事に回帰せよ

2018年07月21日 10時08分19秒 | 日々雑感
 明日が千秋楽の 7月場所、 3横綱に引き続き、新大関栃ノ心が7日目から休場した。前日の玉鷲戦で右足親指付け根を痛め、日本相撲協会に約1カ月の加療を要する見込みとの診断書を提出したのだ。八角理事長は、栃ノ心の休場はお客さんに対して本当に申し訳ないとコメントした。それでもお客さんの大入りは続いているようで、相撲人気は高い。しかし、この状況が続けば、人気は下がって来るであろう。

 けが人続出の原因として、相撲は一場所15番、年間6場所で計90番あり、その間に地方巡業があって、体をケアするひまがないがある。しかし、巡業は本場所と並ぶ協会の二本柱であり、しっかり勤めるのは力士の義務であり、個人個人で考え、けがと向き合うしかないと自覚を促す親方の声もあるとの話だ。この個人個人で考えよとの言葉は、手加減せよとも聞こえ、意味深長の言葉だ。

 巡業日数よりも、相撲の在り方に問題があると指摘する親方もいる。幕内の平均体重が160キロを超えたそうだ。年間90番ある試合で160キロ以上の巨体がぶつかり合えば、怪我をするのは当然だ。しかも、地方巡業で体を休める暇もないとくる。

 何のスポーツであれ、選手にとって怪我は大敵だ。以前、八百長相撲が問題となり、ガチンコ相撲が必須となった。相撲をスポーツと捉えれば当然である。

 ガチンコ相撲推奨の筆頭は、貴乃花親方であろう。親方は寡黙であり、本心を諮りかねるが、少なくとも伝統を重んじ、神事であることに執着している。相撲は神事であるからには神様を喜ばせなくてはならない。神様を喜ばせるためにはまず一般大衆も喜ばせなくてはならない。神様も一般大衆があってこそ神様でいられる。一般大衆が喜ぶためには、ガチンコ相撲もその一つであろうが、エンアタ-テイメントの要素も必要だ。

 昔ながらのちょんまげ姿、勝負前の行司の格式ばった作法等、場を盛り上げるための雰囲気作りはここかしこに見られる。そしてガチンコ相撲となれば、大衆は大喜びであろうが、けが人続出では話にならない。

 相撲を神事と捉えれば、ガチンコ相撲の真似をすれば事足れる。昔、五穀豊穣を祈り神前相撲が行なわれた。そこでは、大衆が一番喜ぶように勝負が組まれた。それでよいのだ。

 大相撲においても、神事であることに徹底すべきである。神事であるからには、様式美が尊重され、格式が重んじられ、勝敗は二の次になろう。貴乃花親方の主張するガチンコ相撲もあくまでも演技としてなされるべきだ。

 裸でぶつかり合う試合にはプロレスもある。そこでは年間90試合も無いだろうが、1試合の時間ははるかに長く、一見激しい。しかし、選手寿命は相撲より格段に長い。あの有名なジャイアント馬場選手は60歳まで試合をしていた。プロレスは筋書きに従って、勝負が行なわれるからである。それでも観客は狂喜乱舞する。

 相撲協会は、貴乃花親方の主張を正論とし、真剣勝負を前面に出したり、格式や伝統を主張するのであろうが、怪我の為余儀な引退をした若者も数多くいるだろう。

 筋書きに沿った試合と八百長相撲は大違いである。そこでは手抜き試合は許されない。神事に徹した大相撲は能や歌舞伎のようにそれなりに人気は出るだろうし、選手寿命は格段に長くなる。

 年間90試合も、その中にどんなストーリが隠されているか、推理しながら見れば、連日満員御礼も夢ではない。2018.07.21(犬賀 大好-461)

技能実習制度に名を借りた移民政策

2018年07月18日 09時25分57秒 | 日々雑感
深刻な人手不足に対応して、政府が外国人受け入れ政策を大転換することを明らかにした。これまで単純労働とされる分野での外国人就労は原則禁止されてきたが、新たな在留資格を創設して、そうした分野でも労働者として正式に受け入れる方針とのことである。

現在、日本は空前の人手不足状態である。厚生労働省が4月に発表した3月の有効求人倍率1.59倍だったそうで、相変わらず高い水準を維持し、売り手市場となっている。

安倍首相は少し前までは折に触れて、アベノミックス政策のお蔭で有効求人倍率が高くなっていると誇っていたが、人手不足の弊害が目立ってきたからであろうか、最近では余り聞かれなくなった。

日本は、少子高齢化で当面生産人口が低下する一方であり、片や日本人の働き過ぎが問題となっている。「働き方改革」関連法案が今国会で成立すれば、長時間労働の是正に向け、来年4月から大企業に残業時間の上限規制が適用され、人手不足状態が加速される。

これを補うために労働生産性の向上が叫ばれているが、これまでのしきたりもあり簡単には解決できない。そこで、手っ取り早い解決法が外国人労働者の受け入れとなる訳だ。

これまで、外国人労働者の受け入れは、主として技能実習制度によっており、日本で習得した技術を本国に持ち帰り、自国の発展に役立ててもらうとの高尚な目的の下になされていたが、労働力不足に追い付かず、単純労働まで広げようとの転換である。

新制度は、日本人の就労希望者が少なく、慢性的な人手不足に陥っている・建設・農業・宿泊・介護・造船の5分野を対象に、新設する「特定技能評価試験」に合格すれば就労資格を得られるようにするとの内容である。

こうした分野ではこれまで便法として技能実習制度を使った事実上の就労が広がっていたが、現実との齟齬が目立ち、真正面から労働者として受け入れることにしたのだ。今年秋の臨時国会で法律を改正し、2019年4月から実施したい考えだという。

また、就労期間に関しても変更があった。技能実習生として最長5年滞在した後、新たな就労資格を得れば、10年にわたって滞在できるようになるとのことだ。ただし、移民政策とは全く異なる。移民政策とは、外国人に日本国籍を与え日本人と同様に処することであろうが、技能実習生には永住権は無く、家族の帯同も認められない。

しかし、移民政策でなくても、企業からすれば長期雇用が実質的に可能になり、技術やノウハウの教育に力を入れられる。また、大学を卒業した高度人材の日本での就職も後押ししていく方針で、日本の職場に本格的に外国人が流入してくることになりそうだ。

制度の内容を現実に合わせ、どんどん変えていくのが日本のやり方だ。世界の経済はグローバル化がなされる一方、それとは反対のトランプ大統領を始めとする保護主義政策で、世界の経済は今後どのように変わるか予想できない。しかし、今の経済状態が続けば、技能実習制度は実質的な移民政策に変貌していかざるを得ないであろう。

今年1月1日時点での住民基本台帳に基づく総務省の人口調査で、外国人は249万7656人となり、前年より17万4228人増加したとの話 だ。都道府県別では熊本が17%と増加率が最も高いが、大規模農家による技能実習制度のためだそうだ。東京近郊の農家は既に技能実習制度により維持されているとのことであるが、いよいよ地方にまで広がっている。

新制度によって政府は2025年までに先述の5分野で50万人超の受け入れを目指すとしている。経済発展が著しい台湾やシンガポールでは外国人労働者の受け入れが盛んだという。日本もこれらの国と争って人材を確保するためには、現在の技能実習制度だけでは不十分で、移民政策に近づかざるを得ないであろう。2018.07.18(犬賀 大好-460)

オウム真理教と同じ村社会はいくらでもある

2018年07月14日 14時49分24秒 | 日々雑感
 7月6日、オウム真理教の麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚の他、6名の死刑が執行され、教団が起こした事件の死刑囚計13名のうち7名の刑が処された。

 松本死刑囚を除き、理屈を重んずる理系で高学歴の人間がなぜ麻原を信じ、彼の言いなりになったか色々な論評がある。松本死刑囚は1984年、後にオウム真理教となるヨーガ教室オウムの会を立ち上げた。彼はインドで瞑想の修行をしたことがあるとのことで、自分では悟りを開いたとの思い込みがあったのかも知れない。筆者は悟りとはとはいかなるものか知らないが、その思い込みが後日の暴走へと駆り立てたのであろう。

 オウム真理教は1989年東京都に宗教法人として認証され、彼自身宗教色を強めていった。当時、日本はバブル景気の真っただ中で、一般の人々が物質的な豊かさを謳歌する中で、一部の若者たちは、欲望の充足をひたすら追い求める高度消費社会に不安を感じていたに違いない。そして、その不安から脱出するべく、新たな価値基準を求めて未知なるものに引かれていったのであろう。

 彼らは不安の原因となる答えを合理的かつ理性的な理屈の中に見出そうとしたが、納得するような答えには出会えず、精神世界に答えを見出そうとしたのであろう。

 松本死刑囚はヨガの修行を通して、悟りを開くことが出来る、超能力が手に入ると主張し、信者を広げていった。理系の高学歴者が超能力を信ずるなんて土台おかしな話だと思うが、自然科学を勉強すると反って神秘的なものに引かれる傾向が生ずるのは確かである。すなわち科学を知れば知る程、現在の科学知識でも説明できないことが多々あることに気が付くのだ。

 例えば、宇宙誕生の謎である。現在の宇宙はビッグバンより誕生したと説明されるが、なぜビッグバンが生じたのか、なぜ無から有が生じたのか、アインシュタインもホーキングですら説明できない。

 また身近な所では生命誕生に関する謎である。生命の根源はDNAである。無機物の原子がいくつか集まり分子となり、更に分子がいくつか集まり複雑な高分子や有機物となるのは、外からの何らかの刺激による化学反応として実証もされている。その高分子らしきものが、自己複製するDNAに変化するには、更に大きな飛躍が必要であり、そのヒントを求めて、我が国の小惑星探査衛星 ”はやぶさ2” も地球外に飛び出している。

 宇宙誕生や生命誕生にしても神の登場を願えれば、一挙に解決である。自然科学の真理追及のストレスも神の存在を認めれば、立ちどころに精神の安定を得られるだろう。

 さて、タイ北部の洞窟に閉じ込められていた少年ら13人は、7月10日に全員救出された。彼らは、真っ暗な洞窟の中で瞑想することにより、心の平静を保ったとのことである。

 オウム真理教の謎を解くカギの一つが瞑想である。心を無にして静かに座っていることにより、自身に悩みを抱えている場合、何かしらの答えが見つかるのかも知れないが、それが神の登場であれば、間違いなく心の平静を保つことが出来るであろう。

 同じような仲間が集まり、一端指導者として認めてしまうと、彼を中心とする組織が出来上がり、その中で役割が決められると、居心地の良い村社会が出来上がる。

 村社会とは、集落に基づいて形成され、有力者を頂点とした序列構造を持ち、秩序を保った排他的な社会を指す。村社会にはしきたりがあり、それを破ったものには村八分などの制裁が科せられる。

 本来の村社会は農耕を目的とする共同体から生まれたものであろうが、同じような構造を持つ閉鎖的な組織や社会が日本国中存在する。日大アメリカンフットボールにおけるルール違反行為も内田正人前監督を教祖とする村社会が基にはある。

 オウム真理教の幹部が死刑に処されたことで、暴走の原因追及の道が断たれたとの意見もあるが、参考となる村社会はいくらでも存在する。2018.07.14(犬賀 大好-459)