日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルス対策に北朝鮮が国境封鎖とは

2020年02月29日 09時56分27秒 | 日々雑感
 北朝鮮は新型コロナウイルスの国内での感染拡大を恐れ、外国人観光客の受け入れを先月22日から禁止、また28日には中国との貿易を全面的に停止する措置を取ったそうだ。コロナウイルス騒動以前から北朝鮮は各国の経済制裁によりかなり困窮していた筈であるが、自ら貿易を全面的に禁止するとは金正恩委員長も随分思い切った対策をせざるを得なかったのか、追い詰められている感である。

 このウイルスの北朝鮮国内での現時点での発症状況は不明だが、農業の不振で飢餓に苦しむ人民は新型肺炎に対する抵抗・免疫力が弱く、誰かが発症すれば感染は急激に広がると思われる。そしてその犠牲者は1994年から96年の餓死者(300万人)を上回り、それは金王朝の存続を揺るがす事態になることを金正恩委員長も予想した苦渋の決断だったと伺われる。

 世界中に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、北朝鮮は中国との往来を遮断する措置をとったためか、2月15日付けの党機関紙「労働新聞」は、北朝鮮では患者は全く発生していないと宣言したとのことだが、逆に単なる強がりだと勘繰りたくなる。

 このコロナウイルスは、元々家畜や野生動物に寄生するウイルスが突然変異し人間に感染するようになったと推測されている。北朝鮮では食糧事情は悪く、野生動物を日常的に食していると推測され、発症者が全くいないとは到底信じられない。

 この報道が本当であれば、鎖国は金委員長の大英断であるが、貿易の9割以上を中国に依存する北朝鮮経済にとっては経済的には大打撃であり、このままでは経済的に破綻するのではないかと他人事ながら心配になる。

 また金正恩委員長も自ら新型コロナウイルスへの感染対策を指揮していると国営メディアが報じていることからして、国内感染者ゼロはまやかしで既に国内で蔓延していることを伺わせる。

 そんな最中、朝鮮労働党国際部の金成男第1副部長が、今月初めに北京を訪問したそうだ。北朝鮮政権の内部情報筋によれば、金氏の使命は中国を説得し、国家間の密貿易を再開することだったという。

 国家間の密貿易とは不思議な言葉だが、要は国連安全保障理事会の制裁決議で輸出入の禁じられた品目も含め、両国家が承知の上で取り引きしようということのようで、経済的な苦しさを推測させる。石炭の密貿易等北朝鮮が制裁破りを行っているのは周知の事実だが、この要求に対し中国側が色よい返事をしなかったと言われているが本当のところは不明だ。

 一方アメリカ国務省は先日13日、新型コロナウイルスの発生に対する北朝鮮の脆弱性を深く懸念している旨の声明を発表した。アメリカ国務省がコロナウイルスの北朝鮮での感染状況をどう把握しているか不明であるが、北朝鮮が独自に国内での感染拡大を抑えることができるのか疑問を呈し、封じ込めのための国際的な援助や保健機関の活動にアメリカは強く協力する準備が出来ていると強調している。

 WHOの発表では、北朝鮮に限らず、アフリカ諸国や中南米諸国でも発症が見られ始め、今後先進各国はこれらの国での対策に追われることと懸念する。東京五輪も風前の灯の感がする。2020.02.29(犬賀 大好-578)

新型コロナウイルスの流行から見えてくる中国の影響力の大きさ

2020年02月26日 09時45分36秒 | 日々雑感
 昨年12月8日、中国湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が発症し、後にそれが新型のコロナウイルスによるものと判明した。2月26日現在世界中に猛烈な広がりを見せているのは、中国の初期の対応遅れがあったからと言われている。近年中国は世界の工場とか世界第2の経済大国と言われてきたが、今回の騒動ではっきり思い知らされた感である。

 日本国内にある大手自動車工業も中国からの部品が滞っているため休業を余儀なくされたり、中国から輸入されるの野菜に頼る外食産業も国内野菜に切り替える為値上げを余儀なくされた等、日本での影響が報道されるが、世界経済にも多大な影響を及ぼし始めているようだ。

 中国人旅行者の減少によって各国の観光業が打撃を受けている他、中国からの部品や原料の供給が滞って生産活動にも影響が出ている現象は世界中に広がり、アメリカでもアップル社が中国でのiPhoneの生産台数の激減で、ことし1月から3月までの3か月間の売り上げが当初の見込みを達成できなくなったとのことだ。

 コロナウイルスの一つSARSが流行した2003年、中国経済が世界全体のGDPに占める割合は4%余りであったが、去年は16%程度にまで拡大しており、中国経済の冷え込みは2003年をはるかに上回る規模で世界経済に影響を与えるとの予想だ。

 先日24日閉幕した主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済の新たなリスクになっているという認識を共有し、世界経済の下振れリスクに対処するため、各国がすべての政策を使って対応していくことで一致したそうだ。

 日銀の黒田総裁は、”新型コロナウイルスの問題が日本経済や金融市場に与える影響には最大限の注意を払っていく必要があるし、必要な時に必要な措置がとれるように万全を期していく”と述べたそうだが、具体案は示されておらず、消費増税10%対策の後でどのような対策が残っているか素人ながら懸念される。

 新型コロナウイルス発症国は各国機関やWHO等からの発表を見ると全世界に及んでおり、中国と世界の国々の交流の活発さが伺える。ただアフリカ大陸や中南米にまで及んでいないが、中国が進出していない筈は無く、その地域における検査体制が整っていないだけだとの論調に説得力がある。

 このウイルスに感染した場合、最初に鼻水、喉の痛み、せきなど風邪のような症状が現れ、更に進行する場合発熱や体のだるさが続き肺炎と重症化するそうだ。ただ健康な方が罹っても重症化する可能性が低く、致死率も高くない感染症だとのことで間もなく終焉し、中国経済や世界経済も急激に回復するとの楽観論も聞こえてくる。

 しかし、インフルエンザと区別がつきにくく、見逃されている場合も多いと思われ、また感染されても症状が出ない場合が多く、片や無症状でも感染させる能力があるため、感染は世界中に蔓延する可能性が大と思われる。特にアフリカや南米に広がった場合、衛生環境や栄養状態の悪さから重症化の割合が多くなり、世界経済の回復は遠のくかも知れない。

 これだけ世界中への中国の影響力は大きくなっており、中国の政治体制も変わらざるを得ないであろう。2020.02.26(犬賀 大好-577)

新型コロナウイルスの正体は?

2020年02月22日 09時35分40秒 | 日々雑感
 新型コロナウイルスが連日マスコミを賑わしている。このウイルスの特徴は発熱や咳の他極度の倦怠感に襲われるとのことであるが、一方感染が確認されてもこれらの症状が出ない人も結構いるようであり、大きな謎だ。

 我々の周辺には様々な病原菌が無数にいるが、それでも病気にならないのは自身の体に備わっている素晴らしい免疫システムのお蔭た。免疫システムは体内で病原菌や異常な細胞を認識し、それらを殺滅することによって私たちの体を病気から守ってくれる強力な防衛機構であり、生まれつき備わっているものと、後から人の手によって与えられるものがある。

 新型コロナウイルスは、中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの仲間だそうだが、突然変異しているため人類が初めて遭遇するウイルスとのことであり、この免疫システムが上手く対処できないからだとの話だ。

 MERSやSARSは重症化することで恐れられていた。今回のウイルスも高齢者や持病持ちの人は重症化するらしいが、感染しても発症しない人が居るとはどういう現象であろうか。発症しないのは一言で言えば抵抗力があるからであろうが、この抵抗力はワクチンのように人為的に与えられたものでは無く、生まれつき備わっている能力であろう。

 健康な人や子供に無症状な人が多いと言うことは、新型コロナウイルスの生命力はMERSやSARSに比べてあまり毒性が強くないようだ。コロナウイルスは野生動物の体内で長年住処を確保していたようだが、何かしらの切っ掛けで人間にも住処を見出したようだ。折角見出した新天地で長く存続するためには、人間に余り害を及ぼさない方が得だとの判断があるのかも知れない。

 人間にとって発症しないのは大変結構であるが、発症しない保菌者は無意識のうちに他の人に感染させる恐れがあるとのことで、新型コロナウイルスにとっては、仲間を増やすための絶好の戦略であるのかも知れない。

 元々ウイルスは細胞を持たず、他の生物の細胞の中でしか生きられないと言われ、知性などあろうはずが無いが、自然には不思議なことがいっぱい残されており、もしコロナウイルスを統括する神様もどきがいたら素晴らしい戦略を考え出したとSF小説が書けそうである。

 さて、英国のエクセター大学の公衆衛生を専門とする講師、バーラト・パンカニア氏によれば、突然変異によってウイルスの感染力が強化される傾向はないということだ。SARSの研究では、突然変異は実際、感染能力の縮小をもたらしたことが示唆されているとのことだ。そして、豚インフルエンザが終息し、2005年以降にSARSの発症例が見られないのはそのためであると説明し、新型コロナウイルスもこのような運命をたどると予想しているとのことだ。

 生物の進化は突然異変の積み重ねであろう。常に突然異変が感染能力の縮小をもたらすとは限らないと思うが。新型コロナウイルスは自然淘汰される運命であろうか。

 新型コロナウイルスに対する治療薬は現時点では無いが、何とか治癒した場合、体内のウイルスは完全に死滅したのであろうか、それとも人間の免疫力によって単に押さえられているだけなのであろうか。自然には分からないことが沢山ある。2020.02.22(犬賀 大好-576)

赤字国債発行は過去のつけを払うために必要

2020年02月19日 09時26分14秒 | 日々雑感
 財務省は昨年5月、国債や借入金を合計した国の借金は2019年3月末時点で1103兆3543億円だったと発表した。この借金は毎年着実に増加しており、これを懸念してか政府も財政健全化のためのプライマリーバランス(PB)の必要性に言及しているがその実行に真剣味は感じられない。PBをゼロに出来たとしてもこれまでの借金が消えるわけでは無く、財政健全化のための第1歩に過ぎないが、それすらやる気を感じられないのだ。

 さてPBをゼロにするためには歳入の増大、歳出の削減が必要である。歳入の増大には、景気拡大に伴う法人税収等の増大がもっとも相応しい。そのために景気拡大を図るべく安倍政権に限らず歴代の政権は成長戦略を掲げてきたがこの二十数年間上手くいったのは外人観光客の誘致位であろう。ただこの戦略成功も政府の努力が実を結んだというより、周辺各国の経済発展があったためであり、最近の新型コロナウイルス騒動による来日客減少で底の浅さを感じさせる。

 通産省の統計によれば、実質国内総生産(GDP)の成長率は2019年の日本は0.9%であるが、米国は2.7%、中国は6.4%であり、世界の主要国の伸び率は日本の2~3倍あることからして、日本の成長戦略は概して的外れだったのだ。

 経済成長が振るわない時の歳入の増加は消費税の増額である。2010年、旧民主党の当時の菅直人首相は消費増税を言い出し、次の選挙で大敗し民主党没落の切っ掛けを作った。この裏には財務官僚の財政健全化に対する強い危機感が菅首相を押したとのことである。

 最近、財務官僚の中からも財政健全化の必要性の声が聞かれないのは、情報統制が厳しいのか、現代貨幣理論に染まったのか、政府への忖度が効いているか、どれもであろう。もっとも財務官僚のトップの麻生財務大臣の発言からして、財政健全化などあさっての話となっているのかも知れない。

 歳出に関しては、最大の歳出である年金や健康保険等の社会保障費の34兆円の次に大きな歳出は、国債費の24兆円だ。これは、過去に発行した国債の償還や利払いの費用だから、社会保障費以上に削減が難しい。これを削っては国債の信用がガタ落ちとなり、財政破綻に直結するからだ。

 国債は借金証書と同じでありいつかは利子を付けて買い戻さなくてはならない。国債に関する歳出は2019年度23.3兆円で、新規国債発行額は当初32.7兆円であったから、ほぼ7割が過去のつけ払いの為である。

 国債に関する歳出の詳細は非常に複雑でわかり難いが、国の借金総額が増えれば当然増えていくことは間違いなく、その内過去の国債つけ払いの為に新規国債発行をしなくてはならない自転車操業状態になるだろう。

 国債に関する麻生財務大臣の言い訳に呆れ果てる。曰く、国債は、ほとんど円で賄われているから、いざ満期になったときどうすればいいかって、日本政府がやっているんですから、日本政府が印刷して返すだけでしょうが、と。

 この超能天気な考えが日本の国の財政破綻になると懸念する。財務官僚は他の省庁の官僚に比べて特に優秀とのことであるが、財務大臣に意見する人はいないのか。2020.02.19(犬賀 大好-575)

韓国の文大統領は眠れぬ日々を送っているか?

2020年02月15日 09時11分09秒 | 日々雑感
 最近の文在寅韓国大統領は眠れぬ日々を送っているだろう。今年4月の国内総選挙、2022年春の大統領選挙を控え、国内外共に八方塞がりであるからだ。

 文大統領の司法改革は長年の夢だったとのことであるが、側近だった曺国(チョ・グク)前法相の辞任で頓挫したままだ。韓国のソウル中央地検は、昨年末チョ氏を娘の不正入学疑惑などに絡み、虚偽公文書作成や収賄などの罪で取り調べているそうだ。大統領の長年の信頼できる親友からも足を引っ張られるとは情けない話だ。

 しかし、これは大統領にとって些細な問題であり、国内外の問題を見ると解決は並大抵ではない。

 今年も薄氷の上を歩く状況のようだ。経済成長率は2018年(2.7%)と昨年(2.0%)に続いて今年も2%台にとどまると予想される。3年連続の2%台成長は朝鮮戦争後初めてで、経済の屋台骨である半導体の市況悪化で輸出や設備投資が冷え込んでいるからだそうだ。

 韓国貿易額が減少しているのは、日韓の相互不信の影響があるかも知れないが、それよりも米中貿易戦争がらみで対中や対米の貿易額の減少が大きいと思われる。またここに来て新型コロナウイルス騒ぎで追い打ちをかけられている。踏んだり蹴ったりの有様だ。

 文大統領は、今年の新年の辞で開城工業団地及び金剛山観光の再開を含む様々な南北の協力を提案した。韓国政府は朝鮮半島の問題に関連して、”米朝関係は前輪、南北関係は後輪”と称し、相互の依存的関係を重視しており、これも南北融和の一提案である。

 この提案は北朝鮮にとっても渡りに船の筈であるが、北朝鮮は文大統領の提案を無視しただけでなく、韓国政府を対話の相手としないとまで明らかにした。北朝鮮と韓国は同一民族で仲良くすることはにお互いに多大なメリットがあると思われ、北朝鮮のこの態度の意外さに驚かされる。文大統領の個人的な思いは友好であろうが、韓国の北朝鮮対策はすべからく米国の認可を要し、文大統領の一存では何も出来ないと金委員長は分かっているのだ。

 一方肝心の米国のトランプ政権からは今年以降の米軍の韓国駐留経費を前年度の5倍以上と増額を要求されており、怒りを何処にぶつけてよいやらストレスは貯まるばかりであろう。

 韓国の文大統領はやはり新年の演説で、日本は最も近い隣国で、未来志向に進化させていく、と日韓関係の改善に意欲を示した。また、同時に日本の輸出管理を巡る措置の撤回を改めて求めたが、新たな提案は無く、改善に対する強い意欲が感じられず、日韓和解が進む気配は無いようだ。この煮え切らない姿勢も国内支持層に対する配慮からであろう。

 日韓和解が進むとすれば、韓国国会の文喜相国会議長の動きに期待がかかる。議長は日韓関係の懸案となっている元徴用工問題解決のため、慰謝料の支給対象を拡大する新たな法案を作成し、昨年12月13人の国会議員とともに提案した。

 しかし、その後法案が成立したとの報道も無く、どのようになっているのか不明である。恐らく賛否両論入り乱れ、文大統領の姿勢もはっきり示されていないのであろう。

 文大統領は色々な難問を抱え眠れぬ日々を送っているものと思うが、テレビで拝見する限りにおいては以前とさほど顔色は変わらない。他人、しかもよその国の人が考えるほど深刻な問題では無いのかも知れない。2020.02.15(犬賀 大好-574)