日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

信頼に足る人物とは

2017年10月28日 09時26分34秒 | 日々雑感
 去る22日に行われた総選挙で、小池都知事が代表となる希望の党は惨敗であった。当初、民進党の全議員が希望の党へ合流する予定であったが、小池氏の仕分けに会い、無事合流できた者、立憲民主党へ移った者、無所属で総選挙に臨む者の3者に分かれた選挙となった。

 その結果、立憲民主党へ移ったものは全員当選し、無所属で立った者もほとんどが当選した。しかし民進党から希望の党へ移った者52人のうち当選したのは31人のみであった。

 25日、フランスから帰国した小池氏を交えて希望の党の衆参両議員による懇談会が催されたが、小池氏に対する不満が続出したとの話である。小池氏の言動に対する落ち度は多々あったとは言え、代表を辞めろ等の非難ばかりで、自分に対する反省がほとんど無かったようであり、真に身勝手で情けない。

 また落選した者の言い訳が更に情けない。民進党時代に安保法案に反対したのに、小池氏の人気にあやかって当選したいがため、安保法制の適切な運用などを条件とした政策協定書への署名にサインして希望の党へ合流した。その事実を棚に上げ、落選の原因は小池氏の言動にあるとして、自らの節制の無さを恥ずる者はいない。

 今回の総選挙で安倍一強体制が強化されたことは日本の国難であるが、せめてもの成果は大勢に迎合する輩の一部が表舞台から消えてなくなったことである。

 しかし、大勢に迎合する衆は、自民党にも多数いると思われる。安倍一強では、益々ご説ごっもともで首相の言うがままであり、日本の将来が懸念される。森友・加計学園問題は国民の大半が納得できていないに拘わらず、自民党の国会議員の多くは、首相の丁寧な説明に納得できたと拍手するであろう。

 もし小池氏の余計な言動が無く、希望の党の候補者のほとんどが当選した場合、政権交代が実現出来たであろうか。万が一小池氏が首班指名を勝ち取り、総理大臣に指名されたとしても、すぐに政権運営に生き詰まったことであろう。民進党の出身者は憲法改定賛成から反対まで幅広く、一本にまとまる筈が無い。また、民進党が従来通り、希望の党と関係なく、総選挙を迎えたならば、結果は惨敗であったであろう。

 民主党の政権時代に何も決められない政権と揶揄されたが、その体質は何も変わらなかった。この点、今回の総選挙ではそれぞれの立ち位置が明確化されたため、野党連合等と安易な統合が無ければ、体質を整える絶好のチャンスである。前原氏の最大の功績は、この機会を与えたことである。

 小池氏に代わり、今回の総選挙では立憲民主党を立ち上げた枝野氏に注目が集まっている。枝野氏は、前原氏の口車に乗って、一時は希望の党への合流に合意したが、希望の党の小池党首の仕分けに反発し、立憲民主党を立ち上げた。信念を曲げない姿勢が好感を得て、立憲民主党が大躍進した。

 石原慎太郎元東京都知事は16日のツイッターで、衆院選の直前に新党結成に踏み切った立憲民主党の枝野幸男代表を称賛した。「今度の選挙では候補者達の卑しい人格が透けて見える。戦の前に敵前逃亡、相手への逃げ込み、裏切り。まるで関ヶ原の合戦の時のようだ。その中で節を通した枝野は本物の男に見える」と投稿した。石原氏の上から目線には反発するが、この意見に対しては賛同する。

 一度カラスが白いと言ったならば死んでも白いと言い続ける位の気概は欲しい。自分が一度口にしたことを曲げないことは、時代遅れになり、現状に合わなくなることもあるだろう。しかし、それでも言い続けることは偏屈とのそしりから免れないだろう。従って、最初の発言に余程の慎重さが求められることであり、一語一語が大切になる。この点ペラペラとしゃべる政治家は信頼が置けない。今後、憲法論議が盛んになるのは必須である。第2次世界大戦前、国内の疲弊を海外にはけ口を求め、戦争へと拡大していった原因の一つは、政治家が現状のみに目を奪われ、将来を見通す力が無かったからである。

 代議士の先生方、周りの意見に左右されることのない、憲法に対する自分の考えを良く熟慮し、判断をお願いしたいものである。益して選挙に有利になるからとの迎合はまっぴら御免である。2017.10.28(犬賀 大好-385)

大都市でしか開催出来なくなった五輪にオリンピズムの復活を

2017年10月25日 09時26分22秒 | 日々雑感
 国際オリンピック委員会(IOC)は、9月13日、第131次総会で、2024年夏季オリンピックをパリに、2028年はロスアンジェルスと正式に決めた。二つの開催都市を同時に決めるとは異例のことであるが、この背景に開催費の高騰があり、立候補する都市が激減する中、今から担保しておこうとのIOCの心配性の背景がある。

 オリンピックは、これまでに開催されたことの無い都市の開催が魅力であった。単にスポーツだけでは無く、色々な文化に接することが出来たからだ。クーベルタン男爵のオリンピズムは、スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する、という理想である。

 ところが、2020年の東京は2回目であり、パリやロスアンジェルスは共に3回目だ。大都市での開催がこの理想に反する訳では無いが、異なる文化の地で競技する人以外の多数の参加もあって、理解が一層深まる。

 2020年東京五輪・パラリンピックの準備状況の監督役となる調整委員会のジョン・コーツ委員長は、大会経費について今後の五輪のためには10億ドル(約1000億円)の削減を目標とすべきだ、と努力を求めた。巨額な大会経費を住民が敬遠して世界各地で五輪離れが進む危機にコーツ氏は、経費を削減すれば、招致を検討している都市の住民などが受け入れやすくなると思う、と述べ、五輪存続のための至上命令と位置づけた。

 コーツ氏は、東京五輪の具体的な見直し対象として、会場に入場する際の・セキュリティーチェックにおける仮設施設の規模、・五輪ファミリーと呼ばれるIOC委員や国際競技団体の役員に向けた食事の量、・会場におけるバスの待機所の広さ、・ボランティアや大会役員の数、・IT関係の費用、などを挙げたらしいが、余りにもみみっちい。調整委員会の委員長としては仕方ないのかも知れないが、IOCとしてはもっと抜本的な対策が必要である。

 例えば大会規模の縮小、競技種目の削減等である。オリンピック種目のほとんどが、毎年世界のどこかで、世界大会やワールドカップの形で開催されている。テニス、ゴルフやサッカー等が典型であり、テニスやゴルフは、賞金が出ないため、出場を辞退する選手もいる位だ。それであるならば、競技種目から外せばよい。

 オリンピックは、テレビ放映権がIOCの主たる収入となる為、すっかり見世物化してしまった。テレビ局は視聴率を稼ぐために、開催国の開催季節、開催時間をないがしろにしてしまった。東京五輪は真夏の最悪の季節での開催である。また、米国での視聴率を稼ぐために選手は早朝や深夜に競技しなくてはならない。これでは、テレビ視聴者第一主義で、選手は二の次である。

 プロ選手が参加できるように変更したのが見世物化の最たるものであるが、オリンピズムにおいては、スポーツは世界平和のための手段に過ぎない。ところが最近のオリンピックはスポーツが国別対抗の競争とすっかり目的化してしまった。

 折しも、世界各国で自国第一主義の機運が高まっている。オリンピズムを思い出しオリンピックのあり方を改めて考えるべきであろう。文化・国籍など様々な差異を超えるためには、勝負にこだわらない、何らかの工夫が必要だ。例えば、国籍を超えた合同チームを編成し、5大陸対抗戦等を考えたらどうであろうか。

 小池都知事は、何を思ったのか突然希望の党を立ち上げ、安倍一強体制を打破すると宣言し、国政に参加し、挙句の果て安倍一強体制を揺ぎ無いものにした。小池氏は他人を批判するのは得意であるが、創意工夫するのは苦手かも知れない。しかし、小池氏は名誉挽回の為にも、東京五輪において、オリンピズムを思い出さる新たな試行を行い、将来のオリンピックの形を示して欲しいものである。新たな創造力が小池氏の象徴となれば、政治生命は復活するかも知れない。2017.10.25(犬賀 大好-384)

東京五輪に向けて小池都知事は地道な努力を

2017年10月21日 09時56分03秒 | 日々雑感
 総選挙もいよいよ明日に迫った。また超大型台風も日本列島に迫っている。総選挙の結果は世論調査の結果で大体のことが分かっており興味半減である。また、台風の影響で甚大な被害が予想されるが、選挙の結果にも想定外の影響を及ぼさないであろうか。

 さて、2020年東京五輪開催へ向け、国大体の際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会が準備状況を確認する事務折衝が10月3日、2日間の日程で行なわれた。この中で、経費削減のため仮設施設などの追加工事をせずに利用することや、主に陸上が行われるメイン会場の新国立競技場でサッカーの実施も話し合われたそうだが、大会終盤の過密日程が懸念されている点も議題に上がったそうだ。

 組織委は各国際競技団体と協議を継続すると報告したそうだが、八方美人の森会長は経費削減を前提にうまく調整できるであろうか。会長は経済拡大時に活躍した人だ。予算を膨らますことは得意であろが、縮小することは憎まれ役になる覚悟が必要だ。

 経費を抑えるためには、競技をなるべくまとめて短時間に同じ場所で行うことが有利であろうが、東京大会は過密日程に対する天候上のリスクが懸念される。連日猛暑日となる異常気象、毎年恒例の台風到来、集中豪雨、あるいは逆の異常渇水、などである。これらのリスクに対し、どちらかと言えば余裕のある日程の編成が必要である。今から、知恵を絞り対策を講ずることが必要となるが、小池都知事は国政にうつつを抜かしている場合ではない。

 また、東京都と組織委員会は、トライアスロンなどの競技会場となるお台場海浜公園で7~9月に行った水質調査で、国際競技団体が定める基準値の最大約21倍の大腸菌が検出されたと4日発表した。

 東京都の大半は、雨水と汚水が同じ下水管を流れ、まとめて処理場で浄化されるのだそうだ。普段はこれで十分処理されるが、大雨が降り下水施設の処理能力を超えると、処理場を迂回して海に放出されることがあり、大腸菌が増える原因の一つという。大都会の東京で汚物が垂れ流しにされることがあるとは思いもよらなかった。

 抜本的な対策は、雨水と汚水を別々の排水管で流すように設備を更新することであるが、費用的にかつ時間的に無理との話である。2020年の夏に今年のような長雨が続かないことを願うばかりである。

 次善の策は、競技水域をビニールフェンス等で仕切ることのようであるが、どんどん自然的な環境から人工的なものに置き換わっていく。トライアスロンは自然環境の中で争われる競技の筈だ。自然環境が過酷になればなるほど選手は闘志を燃やし、観客は興奮する。台風や異常高温は自然環境の一つの現象であり選手の頑張りが期待されるが、大腸菌の出現は人工的な現象であり選手も鍛えようがない。

 さて、大会経費の内、都外の競技会場の輸送や警備などの運営費350億円の財源が未定であった。そこで、この費用は五輪宝くじの追加発行で財源を賄うことに関係自治体は合意したそうだ。今年9月に実施された第727回全国自治宝くじは、東京2020大会協賛くじとして既に行われているが、どのくらいの収入があったのであろうか。

 宝くじは、普通、販売総額のうち賞金や経費などを除いた約40%が収益金として、発売元の全国都道府県及び20指定都市へ納められ、各種サービスの財源として使用されるが、協賛宝くじでは五輪に為にのみ使用されることになるのであろう。

 第727回全国自治宝くじの販売実績は分からないが、一昨年行われた第691回での販売実績は421億円であったとのことである。大雑把に見て、200億円程度が財源となるのであろうか。しかし、運営費350億円とするためには追加発行を少なくても2回は行わなくてはならない。一方宝くじの売り上げは年々下がっているとのことだ。宣伝上手な小池都知事に期待したい。
2017.10.21(犬賀 大好-383)

民進党の前原代表の読みの浅さ

2017年10月18日 16時27分39秒 | 日々雑感
 民進党は9月1日、東京都内で臨時党大会を開き、新代表に前原氏を選出した。しかし、そのわずか1か月後、民進党は瓦解した。瓦解の原因は、安倍首相の突然解散が切っ掛けであったかも知れないが、起こるべくして起きた現象と思う。

 安倍首相は、森友・加計学園の隠ぺいを狙い、民進党の混乱に乗じて解散を決断した。小池都知事はこの状勢に乗り遅れまいと若狭議員の立ち上げた日本ファーストの会をリセットし、希望の党を立ち上げ自ら党首となった。前原代表は、小池人気にあやかり ”名を捨て実を取る”と宣言し、民進党全員が希望の党に合流すること目論んだ。

 小池氏も当初、民進党を取り込み、自身も都知事を辞任して国会議員に立候補すれば圧倒的多数で勝利し、初の女性首相になれると思ったに違いない。そこで首相になった場合をはたと想像したのであろう。民進党には憲法改定賛成論者から、反対論者まで様々である。直ぐに政権運営が行き詰まると気が付いたのであろう。そこで民進党全員が合流するとの前原代表との口約束を覆し、仕分けを始めたに違いないと勝手に想像する。

 小池党首は、安倍首相が今年7月に決めた安全保障関連法案(安保法案)に賛成である。一方民進党はこれに反対した。仕分けの判断材料の一つはこの安保法案への是非である。民進党の議員は党議拘束があったとは言え、反対した筈である。恐らく、真意は賛成であったと自己弁解し、希望の党に参加させてもらったのであろう。

 本心は、安保法制に反対・賛成に関係無く、国会議員に選出されたい一心であろう。いくら党議拘束があったとは言え、一度は公に反対した身だ。”武士に二言は無い”の精神は何処に行ったのか。一度カラスが白いと口にしたならば、死んでも白いと言い続ける位の気概が欲しい。民進党の多くの議員がこうも風向きに敏感だとは真に情けない。

 民進党議員に拘わらず、自民党議員の多くも同じであろう。森友・加計学園問題で、安倍首相は国会で丁寧に説明してきたと胸を張ったが、国民の大半は納得していない。自民党員の多くも納得していないのであろうが、声に出す者はほとんどいない。官邸が怖くて何も言えないのだ。官邸から睨まれれば、選挙の際公認も得られないからだ。国会議員は国民の代表と言われながら代表の役目を果たしていない。

 これで民進党は、希望の党、立憲民主党および無所属に分かれて総選挙に臨むことになった。前原代表は無所属で立候補し、地元の人気で当選するだろう。希望の党の小池代表は、政権選択の選挙と言いながら、立候補しなかった。

 最近のマスコミによる世論調査では、希望の党が失速しているお蔭で、自民党が圧倒的に強いとのことだ。小池氏はこの状態を予感し立候補しなかったのであろう。また、立候補しなかったことがじり貧状態を加速させている。小池氏は女王バチとの週刊誌の見出しもある。女王バチは実務に口を出さずに、働きバチの担ぐお神輿の上に乗っておればよかった。

 選挙で当選したいが為に、希望の党へ移籍した民進党議員は、この状況を歯ぎしりして悔やんでいることだろう。当選すれば名誉挽回の機会があるかも知れないが、落選でもしたら政治生命は断たれる。前原氏の責任は大きい。

 当初前原氏は民進党全員が希望の党へ合流し、希望の党の過半数を制すれば、小池氏に代わり希望の党の党首にもなれるとの野望があったかも知れないが、それであるならば、読みの浅ささが非難されるべきだ。小池氏は民進党を吸収・合併したと思っている。社長はあくまでも小池氏だ。

 読みの浅ささでは前原氏には前科がある。偽メール問題では、すっかり踊らされ、貴重な人材を失った。八ッ場ダム問題では、華々しく中止を訴えたが現在では何事もなかったかのように工事は進んでいる。今回は小池氏の掌の上で踊っている感もする。2017.10.18(犬賀 大好-382)

内部留保の活用は可能か?

2017年10月14日 09時12分43秒 | 日々雑感
 小池都知事が党首を務める希望の党の選挙公約では、株高・円安・失業率の低下などアベノミクスの成果を認めるものの、2019年10月からの消費増税は、一度立ち止まって考えるべきだ、として凍結する方針を明記した。その中で、財源は300兆円に膨れ上がった大企業の内部留保への課税なども検討して、基礎的財政収支の改善も図るべきとした。

 内部留保の多さは以前から指摘されている所であるが、選挙公約で課税すべきとしたのは希望の党が初めてであろう。自民党は大企業に依存するところが大きいため選挙公約で内部留保云々を声高に言えないであろうが、野党各党とも余り問題視していないのはなぜであろう。

 財務相が9月1日公表した法人企業統計は、2016年度末の内部留保(企業の利益余剰金)が過去最高の約406兆円に達した事を示している。2015年度の内部留保は313兆円であったので、1年間で何と約100兆円も増えたことになる。消費税10%化による増収分の見込みが年間5兆円との話であるので、如何に大きいかが分かる。

 アベノミクス景気で企業は儲かり、配当や役員報酬も増加したが、従業員1人当たりの賃金は減少しているのだそうだ。国内の設備投資は勢いを欠いたままであり、企業は人手不足対策など必要最低限の設備投資しかしておらず、将来予想される不況のためにため込んでいるのが現状らしい。

 安倍首相は”経済の好循環”を実現するために、経営者らに対して、過去の内部留保や利益の増加分を賃上げや設備投資に回すよう協力を求め続けている。その典型が官製春闘であろう。本来賃上げ要求は労働組合が行なうべきであるが、近年、政府が主導して賃上げ要求をする逆転現象が起きている。

 企業が儲かったと言って、それが給与の引き上げに結びつかないのは、日本の場合、いったん月々の給与を引き上げると、景気が悪くなった場合、引き下げることが難しいという現実があるそうだ。そうであるならば、ボーナスを弾めば良いだろう。

 さらに給与を引き上げた場合、それに付随して年金保険料や健康保険料など社会保険の会社負担分が上乗せされるという現実問題がある。社員も給与が増えても社会保険料の自己負担や所得税、住民税が増えるので、恩恵を感じにくいばかりか、企業にとっても負担が大きい。しかも、年金の保険料率は毎年引き上げられる傾向にあるのだ。

 内部留保を社員の賃上げに出来ない別の理由として、内部留保は株の発行や借金と同じく資金の調達方法を意味する言葉であって、内部留保を取り崩して給料に使うという表現は意味をなさない、と主張するエコノミストもいる。単なる言葉使いの問題か、会計上の問題か、この説明では全く理解できない。企業が儲けた金であれば、それをどのように使おうと自由の筈だ。

 内部留保分を課税の対象にするとの小池都知事の案に対して、税金の二重取りと批判する人もいる。元々企業は法人税を払っているので、二重取りとなるとの理屈である。それであるならば、法人税の税率を上げればよいが、現実は企業活動を活発化させるために下げる方向だ。

 そうであるならば、法人税を引下げ、企業活動を活発化させ、企業が儲け過ぎた分に改めて課税するのも、一つの方法ではなかろうか。企業の儲け過ぎの分は社会に還元するのが当然だ。

 リーマンショック以降、大企業でもつぶれることが明らかになったせいか、会社がつぶれてしまっては元も子もないと、労働組合も保守的になった。そこで内部留保は不況の際に会社が生き延びるための準備金とのことで、遠慮しているのに違いない。

 国の財政が借金漬けになっているのに、財政再建の話は、またしても先送りされた。安倍首相は国難と称し、北朝鮮の他に少子高齢化社会の到来を上げている。少子高齢化の問題は今に始まったことではなく、取って付けた感もするが、心底そう思うならば、この膨大な借金を少しでも減らす策を講じ、将来子供たちが安心して暮らせる社会を目指すべきであろう。
2017.10.14(犬賀 大好-381)