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子どもや若者たち自身に「将来、子どもなんて欲しくない」と思わせてしまう国に未来はあるのか?

2023年05月11日 | 生活

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

YAHOOニュース(個人) 5/9(火)

「子どもなんて欲しくない」

日本に限らず、先進諸国の出生率は軒並み低下している。家族関係政府支出予算をあげようが、世界各国何の効果も出ていない。

→「異次元の少子化対策」を検証する~子育て支援は出生率に影響するのか?

結果としての出生率低下だけではなく、そもそも今の子どもや若者が「子どもを欲していない」という状況があるのだろうか。

内閣府が継続調査している「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」から紐解いていきたい。

この調査は、日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンの計7か国の13-29歳までの若者男女に対して行われている。その中で「子どもの希望人数」について聞いた質問に対して「子どもは欲しくない」と回答した割合で比較した。

データは、2013年と2018年の調査データと、2020年時点での各国の合計特殊出生率(TFR)実績もプロットしている。2020年の実績としたのは、調査対象が13-29歳であり、まだ結婚出産が不可能な年齢も多く含まれているため、後ろ倒しのデータを採用している。

7か国の比較

図1(図はてんさいできませんでした)

これによれば、2013年時点では、日本も韓国も他の欧米諸国と同様に「子どもが欲しくない」という解答は1割程度だったが、5年後の2018年調査では、日本が+5.9ポイントの16.7%、韓国に至っては+10.8ポイントの21%と倍増してしまっている。ドイツとスウェーデンも「子ども欲しくない」率はあがっているものの、それでも1割程度に収まっている。

当然、「子どもは欲しくない」という割合が高ければ高いほど、2020年の合計特殊出生率の実績値は低い。その相関係数は▲0.9519であり、限りなくMAXに近い強い負の相関となる。

出生率増減との相関

「子ども欲しくない」率と合計特殊出生率の5年間増減率を比較したグラフが以下である。

図2(同様)

全体的に、「子ども欲しくない」率があがっていればいるほど出生率は下がっているが、米国と英国は「子ども欲しくない」率が下がっている(=「子ども欲しい」率があがっている)にもかかわらず、出生率は下がっている。「子ども欲しくない」率に変動のなかったフランスでも出生率は下がっている。

むしろ、60%近くも若者の「子ども欲しくない」率があがっているにもかかわらず、出生率はそれほど低下していない日本は、少子化とは言え、今は30代の既婚女性が健闘しているといえるだろう。

つまり、すでに結婚した女性は子を産んでいるのであり、これから懸念すべきは、2人目や3人目の子の産み控えがあるというより、子ども0人→1人が減っていることでの全体の低出生率なのである。

2018年段階の13-29歳が、最終的に子を産む時期は、この対象者の上限が49歳となる20年後の2038年に判明すると思うが、少なくとも13-29歳の子どもや若者のうち16.7%が「子ども欲しくない」と回答し、しかも、2013-2018年の5年間で「子ども欲しくない」率が6割も上昇していることの方が深刻だろう。

もちろん、13-29歳のうち10代はまだ子どもを持つことの実感がない割合も高いと思われるが、それでもこの若い世代が20年後の出生を担うのである。子どものうちから「将来、子どもなんかいらない」と思わせてしまう社会はどうなんだろう。

日本と韓国の急激な上昇

日本と韓国だけが、なぜ2013-2018年の間にこれほどまでに若者の「子ども欲しくない」率が高まったかという点はいろいろ解釈があると思うが、この両国において、子どもの教育費(特に公的な教育費ではなく学校以外でかかるもの)の負担が大きいと親たちが嘆いていることと決して無縁ではない。

→「子どもにお金がかかりすぎ」少子化が進む日本と韓国だけ異質な教育費負担

子どもは親のことをよく見ている。

親が家計のやりくり、特に子どもである自分へのコストに頭を悩ませている姿を垣間見た時、子どもは「自分は迷惑な存在なのだ」と自分を責め、そんなことであれば「子どもなんていらない」と思ってしまう子がいないと断定できない。

また、20代に関していえば、奨学金の問題もあるだろう。就職したとしても、運よく都会の大企業に就職できた恵まれた3割の層は別にすれば、7割は中小企業勤めである。想像していたよりも少ない給料と思うように手取りが増えないという経済環境が存在する。「子どもが欲しい」とか以前の問題として、日々の生活に精一杯な若者も多い。

「なんとかなる」という希望すらない

しかも、昭和の高度成長期のように「今は貧しくても10年後、20年後には必ずなんとかなる」という先輩モデルすら存在しない。今の40代の先輩社員を見ても、ちょうど氷河期世代先輩たちは「給料が全然あがらない」と嘆き続け、いまだに独身のままの中年が多い。

それで、若者が自分の将来に夢や希望を持てなくても、彼らを責められようか。

このままいけば、韓国のように子どもの時から2割以上が「子ども欲しくない」と思い、出生率も1.0を切るような事態になることも否定できない。

何度もいうが、もし本当に少子化対策を真剣にやろうとするならば、今結婚していて子どもを育てられる環境の親に対する「子育て支援」では的外れだ。女性の平均初産年齢が30歳を超える時代で、これから一人の女性が3人も4人も出産することは年齢的に苦しくなる。母親が全員3人産めば、少子化は解決などという鉛筆なめなめの大嘘は本当に害悪なのでやめてほしいものだ。

→「2人産んだ母親がもう一人子どもを産めば少子化は解決」などという説の嘘

それよりも、子どもたちが、「自分のせいで親が苦しい思いをしている。生まれてこなければよかった」などと思うことがないよう、また、若者たちが「どうせ頑張ったところで先は変わらない」などと諦観しないよう、子どもと若者たちへの希望をもたらすとともに、今子育て中の所得中間層の親も日々眉間に皺をよせることのない「全体的な景気の底上げ」こそが必要なのではないか。

それゆえに、今この時期に、子育て支援の体で、結局増税や社会保障費の増額などにつながる政策は論外なのである。

東京中央区の出生率トップ「結婚も出産も豊かな貴族夫婦だけが享受できる特権的行為」となったのか?

荒川和久

独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。


おまけにキナ臭い話満載だ。
せっかく産んでもいじめを受けたりじさつされたのではたまったものではない。
高教育費、奨学金返済、ひも付き研究、自衛隊に入ろう、これでは産みたくなくなるのはよ~くわかる。

寒い日が続いている。
明朝の予想最低気温、0℃、1℃です。
アメダス地点でしょうから、現地はもっと下がります。
さらに石油ストーブ1台をもって行き今日は3台点灯です。

明日は札幌へ行ってきます。
更新できないかもしれません。



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