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見放されるプーチン

2022年05月19日 | 社会・経済

プーチン追放クーデター進行か…ウクライナ軍が目指すロシア軍“8.24完全撤退”の可能性

日刊ゲンダイDIGITAL  2022/05/17

 ロシア軍のウクライナ侵攻が、近く重大局面を迎えそうだ。英国防省は15日、「ウクライナ東部ドンバス地方でロシア軍が勢いを失っている」との分析結果を公表。ドンバス地方からロシア軍が撤退を始めたという情報もある。一方、ロシア国内ではプーチン大統領を追放するクーデターも進行しているとされる。国内政変と戦況悪化で、プーチン・ロシアは“完全撤退”を強いられる可能性がある。

 ◇  ◇  ◇

 プーチン大統領へのクーデターについて「すでに始まっている」と明言したのは、ウクライナ国防省の情報総局を率いるキリロ・ブダノフ准将(36)だ。英スカイ・ニュースのインタビューで語っている。

 クーデターの詳細や戦況の展望については明かさなかったが、「最終的には指導者交代につながるだろう」「止めることは不可能だ」と断言。その上で、「8月後半に重大局面が訪れる」「今年中に戦闘の大部分が終了する」と話した。

「8月後半」といえば、8月24日はウクライナの「独立記念日」だ。1991年に旧ソ連から独立を果たした日で、昨年はちょうど30周年。首都キーウで軍事パレードが開催され、ゼレンスキー大統領がスピーチしていた。ウクライナ国民が「8.24」を重視していてもおかしくない。

 ちなみに、ブダノフ准将は今年初めの時点でロシアの侵攻時期を正確に予測した人物だ。スカイ・ニュースのインタビューでは感情を表に出さず、淡々と話していたが、ただ一度だけ笑みを浮かべ「私は楽観的です」と自信ありげに語っている。

 実際、ロシア軍は苦戦続きだ。これまで幾度となくウクライナ軍に撃破されている。英国防省は13日、ルガンスク州の主要都市西方の川を渡ろうとしたロシア軍部隊をウクライナ軍が撃破したと公表。ロシア側は少なくとも、1個大隊戦術グループ(800~1000人規模)を失ったという。3カ月後の「8.24」にロシア軍は“完全撤退”に追い込まれる可能性があるのではないか。キーウで取材し続けるジャーナリストの田中龍作氏はこう言う。

「ロシア軍はキーウ近郊のブチャやイルピン後方の村に『弾薬基地』を設置していたのですが、3月下旬にウクライナ軍の砲撃によって文字通り壊滅されてしまった。『弾薬基地』は森に囲まれ、ちょっとやそっとで見つかる環境ではありませんでした。ところが、ウクライナ軍は正確に位置を把握していたそうです。大量の弾薬に“引火”し、約6時間にわたって大爆発が起きたといいます。ウクライナ軍は陸、空から相手の位置を正確に把握し、少ない武器弾薬でロシア軍を効率的に攻撃している。ブダノフ氏の言葉通り、8月に重大局面を迎え、年内に大部分の戦闘が収まる可能性は十分考えられます」

 追い詰められたプーチン大統領が“暴発”しなければいいが。


結局はロシア内部からの崩壊劇で終わらすしかないだろう

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