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スマトラ島の森を守る、パーム油の小規模農家支援

2019年01月12日 | 社会・経済

 

2019年01月11日

インドネシアやマレーシアでは、世界一消費されている植物油・パーム油の原料となるアブラヤシの農園開発によって熱帯林が大規模に消失。国際的な問題になっています。

 
   世界一消費されている植物油であるパーム油。総生産のうち約40%を担うのは「小規模農家」と呼ばれる約300万人の生産者です。過去数十年にわたり、パーム油の生産は、大規模な森林破壊などの問題を引き起こしてきました。これを食い止めるためには、小規模農家の人々と共に取り組んでゆくことが欠かせません。2014年からWWFジャパンがWWFインドネシアと協力して実施してきた小規模農家の支援の進捗を報告します。

 

森林減少とパーム油の生産


   パーム油は、日本では2番目に多く使用されている植物油です。 即席めんや、菓子パン、ポテトチップスなどの加工食品に80%以上使用される一方で、洗剤や化粧品にも使用され、生活に欠かせない油となっています。 総生産の約85%を担うインドネシアやマレーシアでは、これまでアブラヤシの農園(プランテーション)開発により熱帯林が大規模に消失し、国際的な問題として叫ばれてきました。

   この問題に対し「パーム油を使わなければ良い」という意見がありますが、これは必ずしも問題の解決にはなりません。 理由は、パーム油が現状、地球上でもっとも効率よく生産できる植物油だからです。 他の作物から植物油を採ろうとすると、さらに広い土地が必要になるため、さらなる森林破壊に繋がる恐れがあるのです。

   そこで、持続可能なパーム油の生産と利用が当たり前になることを目指して、WWFは「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」の発起を提唱。2004年に企業や関係団体とともに、その設立を実現しました。 現在、世界で流通するパーム油の約19%がRSPO認証油、つまり野生動物の生息地などの貴重な森を切り拓かず、持続可能に生産されたパーム油に切り替わっています。

 

小規模農家が生産地域で抱える問題


   パーム油の原料は、農作物であるアブラヤシの実。 その生産を担っているのは、主にインドネシア、マレーシアを中心に広がる、数千~数万ヘクタールに及ぶ、大企業による大規模なアブラヤシのプランテーションです。 しかし一方で、世界で流通するパーム油の約40%は、約300万人の小規模な農家により生産されています。

小規模農家と大企業、大きな違いは、その「生産性」にあります。 これは小規模農家に、その生産性を大きく左右する肥料や除草剤を購入する資金、また栽培に関する十分な知識がないことなどが原因です。

   個人経営で取引できる総量も少ないため、直接搾油工場に販売することができず、仲介業者に安い価格で売らざるを得ない状況もあり、収益の低さに悩まされている農家も少なくありません。 そして、収益を上げるために、農園面積を広げ収量を増やそうと、新たに森林を伐採してしまうケースも発生していました。

   これまで、大企業が保有する搾油工場や農園を中心にRSPO認証取得の取り組みが広がってきていますが、小規模農家の人々が認証取得に取り組むには、根本的に知識が不足している状況にあるため、サポートが必要とされていたのです。

   そこでWWFジャパンは、WWFインドネシアと共に、小規模農家が森を破壊することなく、持続可能なパーム油の生産に取り組めるよう、2014年からスマトラ島、リアウ州での活動を推進してきました。

 

スマトラ島 リアウ州での取り組み


   スマトラ島は、インドネシアの西端に位置する熱帯の島です。 首都ジャカルタからスマトラ島の中央、リアウ州の街の空港に移動するとき、飛行機の窓からの景色は、地平線の奥まで続く一面のアブラヤシ農園へと切り変わります。

 スンガイブル村の農家の人々


   リアウ州の首都から車で移動すること約4時間、人口6,000人のスンガイブル村には複数の小規模なアブラヤシ農園が点在しています。 2014年からこれまで、WWFは村内で、合計152.60ヘクタールの農園を経営する82名の生産者による組合を設立し、農園の地図の作成や、持続可能な農法の普及トレーニングなどを実施してきました。 トレーニングの中で利用されてきたツールがRSPOの原則と基準です。この原則と基準には環境的、社会的、また経済的にもベストとなる農園の運営方法が盛り込まれています。

 

現地の人たちの声


   「22年前、僕が初めてこの村に来た時は、村の近くでも、ゾウの声が聞こえていました。それが、やがて聞こえなくなってしまった。でも、RSPOの話を聞いたとき、ゾウのことを思い出して、ぜひやってみようと思ったんです。村の他の農家の人々からも理解を得ていくのは大変でした。RSPOのことを知らない人がほとんどでしたから。でも、今は組合の仲間がいます。みんなで一緒にRSPO認証取得を目指して頑張っています。」

 

WWFインドネシアの現場担当者レタ

 

   こうした現場の取り組みを支えるのは、消費の力であり、責任でもあります。 年間約70万トンものパーム油を輸入し、消費している日本にとっても、これは深いかかわりのある問題です。

   WWFでは、生産地域と一体となる取り組みをインドネシアでも推進しながら、日本でもパーム油を調達し、製品を生産している企業に、RSPO認証の油を使うよう働きかけています。 国境を越えた立場から、WWFはこれからもRSPO認証をツールとした持続可能なパーム油の生産と利用の拡大を、推進してゆきます。

 


 

  氷点下にはならないが、わりと寒い部屋(日当たりは良い)に置いた梅の木の花が咲き始めた。昨年の暮れも近くなった時、高齢者住宅に引っ越す友人から、置き場所がないからといただいたもの。品種も何もわからない。出来たら外に植えてやりたいのだが・・・

 



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