里の家ファーム

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「立場が違う」―武力による「平和」

2017年10月07日 | 社会・経済

ICANのノーベル平和賞受賞に日本政府が沈黙する理由

   日刊ゲンダイ 2017.10.7

  核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞。唯一の核兵器被爆国である日本は、真っ先に祝福のコメントを出してしかるべきだが、安倍晋三首相も政府も沈黙したままだ。

  これはICANが、日本政府が反対の立場をとっている核兵器の開発や使用などを初めて法的に禁止した「核兵器禁止条約」採択の原動力となったからだ。コメントを出したくても「出せない」というのが本当のところだろう。

   同条約には、米国をはじめとする核保有国が参加しておらず、日本は「核兵器国と非核兵器国の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現をかえって遠ざける結果となってはならない」として不参加の立場をとっている。わかりにくい理由だが、要は「核の傘」を提供してくれる米国のご機嫌を損なわないように「忖度」して、反対しているだけだ。
(そんな消極的な理由ではなく、むしろ積極的な核武装論者だと思うーわたし)

  ICANの平和賞受賞の前日の5日、英国人作家カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞決定の際には、日系であるという理由だけで、安倍首相は「長崎市のご出身で、小さい頃に英国に渡り、作家活動を行ってきた。日本にもたくさんのファンがいる。ともに受賞をお祝いしたい」とでしゃばったコメントを出したばかり。対照的な平和賞に対する沈黙は、米国に隷属する安倍首相と政府の卑小さを浮き彫りにしている。