WOWOW火曜20時からの2時間は、「
コールドケース」「CSI」という、この手のドラマ好きには
たまらない時間帯(土曜に再放送あり)。面白さのタイプが違うので一概には比較できないが、
ふれる人が多いであろう「CSI」ではなく、ここでは「コールドケース」にふれておく。
内容は、要するに「おみやさん」。ただアメリカには公訴時効がないため、番組内で扱われる
過去の未解決事件には1930年代のものもあったりするらしい(再来週放送)。
そうなると明智小五郎やポアロの時代である。金田一が活躍するのは主として戦後で、横溝正史で
いえば由利先生が活躍していた頃。
被害者遺族からの訴え、類似事件の発生などさまざまな理由から、再捜査専門部署に話が持ち込まれる。
事件当時と、当時の関係者の現在を交え、部署の面々が真相に迫っていく… というのがパターン。
事件自体はどちらかというと地味。犯人はたいてい被害者の身近な周囲の人物で、犯行動機も
愛憎やら一時の衝動による暴力によるもの。全編通じてBGMは事件当時に流行ったヒット曲。
犯人が連行されるエンディングのシーンには毎回ヒット曲のひとつがかかり、事件当時の姿の
まま生きている被害者のイメージ映像と、当時の姿の犯人らがオーバーラップ。事件が解決したことで、
被害者が「成仏」していくような感じで終わる。主人公は飄々とした女刑事リリー・ラッシュ。
彼女の役目は「犯人を捕まえること」そのものよりも、そうすることで被害者や遺族の無念を
晴らしたり、それをずっと背負って生きてきた犯人の重い荷を下ろしたり、放置されたままの
過去にピリオドを打つことだと思う。テレ朝木曜夜8時枠あたりでやりそうな内容だが(笑)、
見られる環境かつ興味のある方はぜひ一度。