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消滅寸前・非自動閉塞区間のタブレット交換を見学
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2011-12-30 08:00:02
新津で夜行列車をバルブし終わると、午前2時半ごろ。中途半端な時間のため、今夜はレンタでマルヨとします。まだ眠くなかったので、下道で会津若松方面を目指します。翌日は今回これまたどうしても押さえておきたかった、タブレット交換を見るため、只見線の交換駅へ向かいます。只見線の非自動閉塞区間はじわじわ短くなっており、消滅寸前になってしまいました。久しぶりに見学してしっかり記録しておこうと考えたのです。
現在、只見線の非自動閉塞区間は(只見~)会津川口~会津宮下~会津坂下の区間です。
ちなみに、JR東日本に残っている久留里線・烏山線の非自動閉塞区間も自動化に向けてそれぞれ準備がなされているようで、JR東日本からの消滅も時間の問題のようです。
山中の路側にあった駐車場で仮眠し、明け方に目を覚ますと一面の霧!数メートル先も見えず、おそるおそる車を進めます。
なんとか、始発前の会津宮下駅へ到着しました。夏の水害で一部区間普通になっており、訪問当時の福島県側終点になっていました。まだ真っ暗な駅に2編成の列車が停車しており、打ち一両は始発で折り返すべくアイドリングしています。駅舎内には当直駅長と始発の運転士の姿が見えます。集落内にある割には、交換駅でなければとっくに無人駅になっているであろう乗降客の少ない駅ですが、信号扱いのために昔ながらの出札業務を行う駅として存在しています。
運転席を覗くと、前日の送込み列車のスタフがまだ差し込まれていました。訪問の少し前に会津若松側の隣の交換駅である会津坂下まで自動化工事が完了して供用開始されており、会津若松~会津坂下の赤い図形マークはなくなっていました。
駅舎に視線を移すと、ホームに面したガラス張りのスペースにお稲荷さんの姿があります。会津坂下方にはこれから折り返しで使われるタブレットが置かれています。二昔前ならばどこにでもあった光景と思いますが、もうすぐJRからも姿を消そうとしています。
この駅は、MARS未設置のため、指定券はセンターと電話連絡を行い出札補充券(手書き)で発行してくれます。折角の訪問記念&増収協力に帰りの切符を買いたかったのですが、朝早すぎて対応できないとの事。残念ですが諦めました。
なお、この駅では、1人でも乗客がやってくるとその時点で列車撮影を中止するように駅員からお願いされます。以前に乗客から撮影されたと苦情があったとの事。仕方ありませんがそんな駅です。この日は通学の女学生が列車に駆け込んでいきました。訪問して撮影をと考えておられる方は避けた方が良い駅です。
そんなやり取りをしている間に運転士はさっさとタブレットをお稲荷さんからはずして車内に持ち込んでしまいました。
わざわざ早朝に訪問したものの、煮え切らないまま会津宮下駅を離れ、以前も訪問したことのある会津坂下駅を目指します。
途中に只見川第1橋梁を俯瞰撮影できる有名ポイントへの入り口がありました。道なき道を重い荷物を持って上り下りする危険なルートでしたが、撮影場所と認知され整備してもらえるのはありがたい事です。11月いっぱいは遊歩道整備で立ち入り禁止となっておりバリケードが出来ていました。有名な上の鉄塔まで道を付けてくれたのでしょうか。それともそちらへはいけないようにされてしまっているのでしょうか。
日の出の時間を過ぎても濃い霧で前が見えない状態のまま会津坂下駅へ到着。訪問1週間ほど前までは、ここで両区間から運ばれてきたタブレットを取り交わす操作が見られたのですが、一足早く会津若松方は自動化されていました。
次の列車の時間まで1時間以上あるためまずは帰りの切符を購入し、構内でタブレット交換の写真を撮らせてもらう旨を説明し、操作にあたるご本人から許可をいただきました。それでも時間があるので、駅構内を横切る跨線橋に上がっていい構図を探してみますが、階段・通路が凍っていて難儀しました。
列車到着時間が近づくと改札が開き構内へ。久しぶりに見る構内は会津若松方の「票」マークが取り外されており、タブレットが役目を終えたことがわかります。駅事務室内に2台並んで使われていた片割れもすでに撤去されており、半分がらんとしています。どこへ行ったのかなと思えば、なんとホーム軒下にガラスケースに入れられて展示されています。
中の説明書を見ていると難解な「タマ」の取り出し方が詳しく説明されています。近江鉄道・彦根駅に併設されたミュージアムでは閉塞機展示コーナーがあり、内部の様子がわかるようにカットされた閉塞機や、動いていて実際に触ってタマ出しする事が可能ですが、この方法をマスターしていけば楽しめそうです。
先ほど切符を購入した駅員さんが、赤緑の旗を持ってホームに出てきました。
「会津若松行は、ホーム先端に止まります」
と声をかけてくれました。以前はタブレット交換の動線が短くなるようにホーム中ほどで両列車が顔を突き合わせる形で停車していたと記憶していましたが、これも自動化による変更なのでしょうか。構内通路自体は使用されており、只見方面への列車は以前と同じ位置に停車していました。
お稲荷さん展示について尋ねると、
「もうこれはそういう過去のものなんですよ」
と仰っていました。只見線全線の自動化予定の頃も尋ねると教えてもらえましたが、まだ確定ではないようなのでここでの記述は差し控えます。ただ、もう目前であることは間違いないようです。
より安全で手間もかからないようになることは良い事ですが、自動化されていく事は一方でさびしくもあり複雑な思いですね。
会津宮下からの列車を迎え、タブレットを運転士から受け取ります。
写真を撮りやすいようにゆっくりとポーズをとっていただき無事に撮影出来ました。
続いて、会津若松方面からの列車のホームへ移動し、列車を迎えます。霧の向こうにかすかに近づく列車のライトが光っています。
以前はどこでも見られた列車を迎える姿も貴重になりました。手には旗とタブレットが握られています。
休日ですが学生が大量に降りてきて改札まで列ができます。2両の列車は超満員だったようですが、ここですっかり降りてしまうようです。TOP画像は会津宮下行の列車にタブレットを渡している様子です。
タブレット交換が無事に済むと、先に出発する列車から見送ります。改札の向こう駅の広場まで様子をうかがって乗り遅れている乗客がいないか確認し発車の合図を出します。遠ざかる列車に向かって一礼し見送り完了。
ここまで撮影すると、撮影させていただいた駅員さんに礼を言って駅を後にしました。
2011.11.26 会津宮下 会津坂下
コメント (
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コメント
おめでとうございます
(
まむし
)
2012-01-02 15:13:56
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、只見線のタブレット交換レポート、読み応え十分でした。かつてはローカル線なら当たり前だった光景が今や鉄道史の遺物になっていっていますね。このような記録は後年、大切な記録になると思います。
あけましておめでとうございます
(
mon
)
2012-01-02 23:08:03
こちらこそよろしくお願いします。
大晦日は大変お世話になりました。
只見線タブレットのご感想ありがとうございます。
うまく遠征に絡めて記録しに行くことができました。
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さて、只見線のタブレット交換レポート、読み応え十分でした。かつてはローカル線なら当たり前だった光景が今や鉄道史の遺物になっていっていますね。このような記録は後年、大切な記録になると思います。
大晦日は大変お世話になりました。
只見線タブレットのご感想ありがとうございます。
うまく遠征に絡めて記録しに行くことができました。