ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

恋の短歌コレクション 1000~日本短歌総研

2022-06-15 05:05:05 | 本の少し
 ☆☆☆☆

短歌を詠うと、なぜか恋歌になります。
その恋の歌が1000首。

気に入った歌、列挙致します・・・さて、何首になりますやら。

修学旅行で眼鏡をはずした中村は美少女でした。それで、それだけ・笹公人
真夜中に葡萄を食べる仲となりドミノがひとつ倒れる予感・佐藤りえ
下駄箱に未熟な手紙突っ込んで帰った日から始まる話・石川美南
レシピ通りの恋愛なんてつまらないぐつぐつ煮えるエビのアヒージョ・俵万智
一番はじめに出会ったひとが好きになるペコちゃんだってかまわないもん・杉崎恒夫
キラキラのラスク美味しいこの夜のあなたはつくりものではないね・笹川諒
階段をさきにのぼっていった君かなしみ見つけたようにふりむく・光森裕樹
そっと手をさし入れ伝ふる愛もあり君のコートの右ポケットに・竹内由枝
君に似る髪形の娘の一瞬を凝視してまた遠くへ戻る・高山邦男
手をつなげば一羽の鳥になることも知らずに冬の散歩だなんて・平岡直子

君の着るセピアという名の色のシャツ日暮れの街の色にまぎれつ・北村望
きっかけがつかめなかったたそがれのあなたのセーターの色が夕焼け・吉沢あけみ
夕焼けを浴びて二人の影が手をつなぐぐらいの距離で歩いた・松村正直
観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生・栗木京子
君だけの歌人になるよ なだらかな坂道二人下る水無月・田中拓也
君の髪に十指差しこみ引きよせる時雨の音の束のごときを・松平盟子
束縛をするならもっと柔かいシルクのリボンで縛ってほしい・久保奈緒子
恋愛にためらいというルビふりて二人夕陽の中にさまよう・小塩拓哉
瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ・崇徳院
体などくれてやるから君の持つ愛と名の付く全てをよこせ・岡崎裕美子

いきたびも濃いトンネルに招かれてうつせみの恋咎められおり・江戸雪
カーテンに春のひかりの添う朝はじめて見たり君の歯みがき・染野太朗
「とてつもないけしごむかすの洪水が来るぞ 愛が消されたらしい」・笹井宏之
ヘッドホン外した時の静寂にどこか似ている恋の終わりは・佐藤りえ
あのふゆに あのひととみた あの花は きれいだったな 甘やかされて・今橋愛
淡すぎるあなたの記憶をシェービングクリームの白さで補足してみた・鈴木美紀子
さくらさくら茫洋と咲き愛さずにいられなったひとに逢いたし・中川佐和子
今きみと一緒に逃げる夢をみた気がするようなまた月曜日・笹谷香菜
いないのにあなたはそこに立っているあじさい園に日傘を差して・土岐友浩
一度だけ本当の恋がありまして南天の実が知っております・山崎方代

抱きしめることと束縛することの違いを百字以内で述べよ・佐藤りえ
友だちも恋人も欲しい年頃ですなんにも失いたくありません・加藤千恵

情が濃いのか薄いのか、32首でおました。






コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ごまめ自家製うどん・631~20... | トップ | ごまめ自家製うどん・632~20... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の少し」カテゴリの最新記事