ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

楷書の生喬・草書のこごろう・さん~らくご道

2008-08-13 12:30:25 | 南天(こごろう)の会
明日から盆休みという火曜の夜、ワッハに駆け込みました。
生喬さんとこごろうさんの落語会。
40人足らずの常連さんたちの中へ、初めて参加。

一番太鼓で、笛、太鼓が生で入り、取組姿勢に期待がます。



開口一番、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・「兵庫船」

一番に、生喬さんの弟子の生寿さん。
入門して間もないと聞くが、なかなかの出来。
ハキハキしていて、船頭、年寄の乗り合いの人などの声も
落ち着き、重しがあって聞きやすい。
師匠の生喬さんのキッチリさが大いに伝わる。

最初から、ハイペースで飛ばし過ぎたのか、
なぞかけあたりから、つまりぎみ
でも一番の強みは、噛めば噛むほど、
臆せず、取り返そうと頑張る姿勢がすごい。

この様な、初舞台時代は、何度でも、同じネタを聴いて
一緒に、出来不出来に感動してみたい。
でも、「兵庫船」、落語の基礎が満載の噺ですな。


一、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「応挙の幽霊」

マクラたっぷり20分、先週水曜日なった「尿道結石」のはなし。
その晩、最悪である、刺激物のカレーとキムチを食べて、発病。
イタイ、イタイの悪戦苦闘ぶり・・・。

「応挙の幽霊」・しっかりとした、はなしぶりに。
今日みたいに、初めて聴くはなし、特に「鰻谷の由来」と同じ様な、
解説風、講談風は、生喬さんの真面目さ、キッチリさが際立つ。

喜六、清八で描く、笑いが先行した噺ばかりが落語では無く、
じっくり聴かし、くすっと笑える生喬落語
いや「生喬噺」が完成しつつあると体感しました。

来月から続く、「鰻屋」、「吉野狐」、「紐落し」
どれも、今から期待でいっぱいになりますな。


二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・「口入屋」

マンガチック、先日亡くなられた、赤塚不二夫の世界。
言葉よりも顔の表情が優先、人物がイキイキ。

イビキ掻いて寝るシーンでの、三者の演じ分け。
おなごしが、得意ワザ、ご披露での立て弁。

「お針」、「三味線」、・・・に続いて「落語」も少々。
「煮売り屋、七度狐、・・・・・・・、向付け、ちりとてちん」
「地獄八景亡者の戯れ」・・・オオネタですやんと言う女将さんに、
最後は、「明るい悩みの相談室」まで出来ますと言う、サービスぶり。

よろしいな、骨組みを残しながら、「崩す」、おもしろさ。
手を加えたのが、解るおもしろさ、
それも、隠し味ではなく、正味、あからさまに。

「ツボ」にはまると、くせになる、
劇薬、扱い要注意なる「こごろう落語」ですな。


三、笑福亭生喬・桂こごろう・・・・・・「対談・夕焼け日記」

中入り後と言えど、5分後に、二人の対談。
これがまた、落語へのアプローチの姿勢が聴けてグゥ。

生喬さんの、「応挙の幽霊」は、染丸師匠につけてもらう。
「蛸芝居」でも、まず、中に出てくる音曲から稽古。
一門離れて、その噺の、オハコとしている師匠に稽古をつけてもらえる。
この落語界全体の落語を愛する気持ちと、教える側の、
気持ちの大きさ、おおらかさは、素晴らしいですな。

先代の小染兄さんも、この「応挙の幽霊」されていたそうそうですか
どんな話しぷっりか、興味深いと・・・。

女性が、出てきて酒を呑み、更にくだを巻く、話しは上方落語では
他には、見当たらない。芸者で品がありながら、絡んでいくさまを
演じるのは難しいと。

こごろうさんの「口入れ屋」
ひさし振りのの落語で、立て弁のところはやはり緊張すると。
・・・ああ、そんなものなのか。・・・気ままにやってそうに見えるのにと
ヘンなところに関心。

まあつまれば、「その他もろもろ」、で逃げようと準備はしてましたが。

あの落語の挿入の部分は、楽屋でたまくんと話していた時
なにか続けて面白いこと無いかで、「落語入れたらどうですか」の
ヒントで入れ出した。

「煮売り屋、七度狐、池田の猪買い、延陽伯、ちりとてちん」
「東の旅に、西の旅、月宮殿は星の都、竜宮界は竜の都」
「地獄八景亡者の戯れ」・・・・・五七調で並べて・・・。
・・今日はおまけに、らもさんの「明るい悩みの相談室」
これは、落語ファンの前しかできません・・・と。

米朝師匠と枝雀師匠をたして、
伸ばしたり縮めたり、一部割愛したりしていますと。

おなごし連中が、どんな先が良いと聞かれて
「仕事が楽で、休みが多くて、お給金がよいとこ」(働けよ)
「小商人で小銭が自由になるとこ」(盗人か)
「主人が年寄で、亡くなったらそれ幸い、家に上がり込もうと」(人の不幸を待つな)
なぜか、良いおなごしと言いながら、性ねの優れぬ連中
面白さだけで入れても、自分の性に合わぬ為、割愛してますと・・・。

よろしいな。お客さまの気持ちを大切にするがゆえに
自分自身の気持ちを大切にする・・・落語にでていまっせ。

楷書体の生喬さんと草書体のこごろうさん。
酸性とアルカリ性。
正反対のアプローチ方法でありながら、
上方落語を極める姿勢は人一倍。
ペーハー度の高い二人の落語を聴くには、
この中和作用のある「らくご道(みち)」は最適でっせ。

ああ、また、通い続けるらくご会がひとつ増え。
あぁ・はぁ・はぁ・・・・なぜか自嘲気味な笑いになりましたな。


らくご道(みち)
2008年8月12日午後7;00~
上方資料館 上方亭

開口一番、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・「兵庫船」
一、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・・・・・・・「応挙の幽霊」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・・・・・「口入屋」
中入り
三、笑福亭生喬・桂こごろう・・・・・・「対談・夕焼け日記」
コメント
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