ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

犬ボランティアのはずが。

2012-09-07 21:27:06 | いぬ・シロさん
水曜日、私にとっては久しぶりの平日休みだったので、
犬ボランティアに行ってきました。
 
犬ボランティアも久しぶりです。
 
 
 
 
      天井がやたらにぎやかな電車に乗って。
 
 
 
単線の終着駅で下りて、バスに乗り換え、
信号がふたつしかない町を抜けて、田んぼのど真ん中で降り、
 
ずんずん、
 
  
 
ずんずん、
   
        
 
歩きます。
 
 
 
途中はずっとこんな田園風景。
 
稲穂の実りように秋の訪れを感じます。
 
 
そんなのどかな道中で、私の前に軽自動車が停車して。
 
 
 
 
運転席のドアが開いて…
 
 
 
「犬んところに行くんやろ?乗ってくか?」
 
 
 
ひとのよさそうなおじいさんが。
 
 
 
 
この道をよそもんが通るのは、犬ボランティアの施設関係ってお約束なんですかね。
 
 
ちょっと考えたものの、
 
ずっと上り坂を40分と、本当に長い道のりで、
秋の訪れを心底感じるには相当暑い日で、
しかも到着後はハードな散歩ざんまいが待っているため、
ここは体力温存のために、お言葉に甘えさせていただくことに。
 
 
おじいさん、相当な犬好きのようで
 
「前の犬とは、夏も冬も、ずっと一緒のふとんで寝てたなー」とか、
 
懐かしそうに話してくれます。
 
 
 
徒歩では途中で行き倒れそうになるほど遠い道のりも、車だとあっという間、
 
「何時ごろまでがんばるん?気をつけてなー!」と、
 
優しい言葉をかけてくださったおじいさんに何度もお礼を言って、施設に向かいました。
 
 
実は到着まで、ちょっとだけ心配だったんですよ。
ほら最近、ルーマニアで日本の大学生のお嬢さんが事件に巻き込まれてたでしょ?
空港で彼女に声をかけて、同乗した男が犯人だったでしょ?
 
いやだけど、冷静に考えようよ、私。
 
若くてかわいいお嬢さんと同じ目にあうかもなんて、
考える方がずうずうしいんじゃない?
 
存分に犬ボランティアできるよう、気合の入った汚いカッコだし
 
 
おじいさん、ちょっとでも怪しんだりして、ごめんなさい。
 
 
 
施設には、新顔の子犬が6匹もいました。
 
  
 
ううーっ。
 
    
 
子犬って、悶絶するくらいカワイイですね。
 
くーっ、たまりません。
 
 
シロさんの小さい頃も、こんなだったのかなー。
彼女はわが家に放浪の野良犬でやってきたので、私たちはその子ども時代を知らないのです。
 
 
他にも大きくなりかけの子が4匹いました。
 
みんな、元気に育って、いいひとにもらわれるんだよ。
 
 
 
私が担当する犬舎の方に行って、スタッフさんに声をかけると、
 
「猫アレルギーでなかったら、今日は猫をお願いできませんか?」
 
あいにく猫ボランティアさんがいらっしゃらないらしい。
 
猫を最後に飼ったのは、もう20年も前。
 
「扱い方のコツを忘れちゃってるし、私って犬臭いから嫌われるんじゃないでしょうか?」
 
すると力いっぱい、「いや、ぜーんぜんっ、大丈夫ですよ!!」と。
 
 
ここのスタッフは本当に動物にもひとにも優しく、気配りもしっかり出来てスバラシイ。
ボランティア側の希望重視で、担当させてくださいます。
 
それが、犬ボランティアでやってきた私への猫ボランティアへの熱烈な勧誘のしよう。
 
 
これは、相当な人手不足と見た。
 
 
ということで、その日は手始めに猫エイズキャリアの子たちを6匹、
次に別の猫舎に入って、健康な子たちを25匹くらい。
 
ブラッシングしまくりました。
 
散歩のいらない猫は、
 
ブラッシングでスキンシップを取るのが心身の健康によいらしい。
 
猫のふわふわと柔らかい毛とぐんにゃりしなやかな体の感触、久しぶりだなー。
 
そして猫も犬同様、みんな個性が色々。
 
 
ゴロゴロのどを鳴らしてすり寄ってきたり
 
ふーふー、しゃーしゃー、毛を立てて威嚇したり
 
とにかく気配を消して隠れたり、
 
自分の番は終わったのに、そ知らぬ顔でまた順番待ちに加わってたり、
 
あらよっと、軽い身のこなしで私の背中に跳び乗ったり
 
ばりょばりょと元気に私のジーンズで爪とぎしたり
 
すり寄るフリして、私のTシャツで鼻水や目クソをふいていたり
 
おしっこをかけようと虎視眈々とねらってたり
 
 
 
ひとつの猫舎に多いところでは数匹いっしょに暮らしているので、
そんな個性豊かな行動をいっぺんにやられると、
 
とーっても、あわわわ状態になります。
 
 
でも、いろんな性格の猫たちと思う存分ふれあえて、
 
楽しいんだな、これが。
 
結構毛だらけ、
鼻水と目クソでTシャツのすそをかぴかぴにして、
ちょっとだけおしっこ臭くなりながら(←やられた。)、孤軍奮闘しました。
 
 
猫のお世話だけでそろそろ帰らなくちゃいけない時間になったので、
最後にハブアゴーだけ散歩しました。
 
彼は被災地で保護された老犬。
目も耳もかなり不自由で、
そのせいか、状況がわからなくて不安なのでしょう、
人にかみつくことがあるのです。
被災地で事故にあったらしく、あごや目の手術からずいぶんたつ今も、ちょっとお顔が不自然。
だからたぶん、他のボランティアさんは好んで散歩に行かないんじゃないのかなー、と思って。
 
久しぶりのハブアゴーは、いっそう老けたように感じましたが、
散歩に出ると足取りは軽やかで、うれしくなりました。
 
私はしばらく来れないけれど、ハブアゴー、達者で暮らせ。
 
 
     栗の木。
 
 
そうして帰り道、下り坂だからラクとはいえ、
 
くたくたの体でやっとたどり着いたバス停でバスを待っていると、
 
 
今朝のおじいさんの車が!!
 
 
「乗ってくか?」
 
 
最後までいい一日でした。
 
 
                     葛の花。